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koyoi megane club e
秀香穂里先生の2006年作品。
秀先生は眼鏡好きという事で、本作の登場人物は全て眼鏡男性。
「キラ」という女性相手の秘密デートクラブの代表である椎堂(しどう)は、従業員全て眼鏡男性のコンセプトで大当たりを取っていた…
…という設定。
違法行為としての秘密デートクラブなので、代表の椎堂以下、従業員達は皆客の女性に望まれれば、店内接待、店外デート、果ては本番行為等全てをこなしているのです。(女性との性行為描写はありません)
椎堂には凄絶な過去があるため、極端にも思える拝金主義と人間嫌いの側面が。
そんな椎堂と、従業員の1人・元高校教師でキラのナンバーワンの北原との恋物語、なのですが。
ツンデレという表現では生温い、トラウマ持ちでパニック障害持ちの椎堂と同じく暗い過去を持った北原の恋は一筋縄ではいきません。
心に傷を負った2人が近づいていく過程は、ずばりエロです。
エロの匠・秀先生ですから描写は深く官能的。快感を暴く事で心の枷を外していく。
行為によって関係性を変化させる2人の姿は読み応えがあります。
全体に荒削りな印象がありましたが、椎堂の運命を変えてしまった過去の事件と男が登場してから、グッと展開が力強くなりました。
ここのところ、秀ブームなので、既刊で手に入るものはゲットしてきたわけですが、これは既に絶版のようで、ネットの古本でやっと手に入れましたよ。(送料のほうが高かった。)
従業員がオール眼鏡のクラブが舞台のお話。(秀氏は眼鏡が大好き)
店長の椎堂の趣味でボーイを揃え開業した、もっぱら女性相手の違法デートクラブが舞台と言えば舞台なお話。(ゆえに、女の子もそれなりに登場)
序盤は、椎堂が何かしら暗い過去を持っているんだろうなというくらいしかわからないので、彼の言動や周りのボーイたちとの関係もなかなか推し量ることができなかったのですが、中盤から急展開。
やはり大変な過去を持つ北原(店のNO.1)がその過去ゆえに、椎堂の不安定な部分までくるみこむような包容力を見せてくれるところが何ともカッコイイ。キレてもこういう力を発揮できればいい方向に動きますね。
この、北原がカッコイイところを見るまでは寡黙だったり突然強引になったり、いまひとつ掴みどころがないので、椎堂目線で読み進めるしかなく、少しもどかしかったりしましたが、過去が明かされることにより、輪郭がぼやけていた椎堂像も北原像もはっきり動き出しました。
蛇足ですが、椎堂の外見は「誓約のうつり香」のセンちゃんとそっくり。
椎堂に限らず大変スタイリッシュだし、トワレなどの香りもよく登場するのも似ている感じ。
人物設定は全く違います。