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onenight loveaffair

英田サキ先生の電子中編。
一度は諦めて悪友ポジションで過ごしていた相手とまさかのワンナイトの機会が⁉︎
…となった攻め視点で書かれています。
主人公は若くして大学助教授の剣持(ゲイ)。
腐れ縁の悪友・由比(ノンケ)が今日もいきなり夜中に家にやってくる。せっかく教え子の学生とヤるところだったのに…
…という始まり。
剣持はいつもの通り由比を優先して話を聞いてやるが、今日の由比はやけに絡んでくる。
俺には冷たい、俺にも優しくしてくれ、俺を甘やかしてくれ…
その上急に海に行こうと言い出す由比に付き合って車を出すが、車内で言い合いになってなぜか俺とセックスしてみろよ、と挑発されて…
寝てしまったら友人でいられるか?という逡巡よりも、やはりまだ若さ。高校時代一度告白した相手が据え膳しているのだから、となる剣持です。
由比の視点は書かれてないけど、潜在的に剣持ならという気持ちがありそう。と言いつつシてしまった後でも2人の関係性は一見相変わらず。
しかし、続く番外編「恋のリターン・マッチ」で由比が温泉旅行に誘ってくる。剣持としては、これははっきりと宣戦布告しなければ!というところでエンディング。
2人が恋人になるのかはわからない結末ですが、剣持はこれは脈アリと思うよね。
というより、攻めの目には好きなヤツが俺を誘ってる!と見えてるのでは?
巻末には電子書籍の発行日しか書いていませんでした。ちるちるのページで関連作品になっている同人誌『LOVE ALIVE』が初出なのかしらと思いますが、そうすると2006年1月の発行なんですね。
今から14年前、こんな大人大人しいBLが書かれていたなんて、ちょっと驚愕です。
だけど剣持の職業が『准教授』ではなく『助教授』だったり、煙草関連の描写が今のものよりも緩いと言うか……確かに10年以上前っぽい感じがするんですねぇ。
上で紹介されている出版社あらすじを読むと、コメディベースの作品の様に感じてしまいますが、私はかなりビターだと思いましたですよ。
BLの世界において、高校の時告白してふられた相手と友人でいたいが為にずっと想いを覆い隠している男(剣持)が、その想い人(由比)に「俺に対して優しくない」と詰られた結果、sexする羽目になっちゃう、なんていうシュチュエーションが繰り広げられたとしたら、それは『両想い』ってことですよね。
少なくとも私はそういう話を読んだことがあるんですよ。それも沢山。
でもね、このお話ではそうならないの。
いや、バッドエンドではないんですよ。
ハッピーエンドの気配はあるのですけれど、このお話に由比の心情は一切書かれていないのね。書かれているのは『剣持の目から見た由比』なんです。
で、剣持は自分の目が恋で霞んでいることをよく知っているんで『由比が押せば落ちるであろう様に見えること』が真実かどうかわからないんです。
だからこのお話は『恋する2人』の話じゃないのね。
『15年間恋心を隠し続けて来た男』の話なんですよ。
剣持は、由比を完全に吹っ切って新しい恋を探そうとするのか、曖昧にしていた自分の恋心をあらわにして由比を恋人にするべく努力しようとするのか、どちらかを選択しなければならない処に追いつめられてしまったので『彼は決断し、成功を夢見て、最大限の努力をしようと思いました』っていう所で終わっているの。
剣持は刑事でもマトリでもないし、脱獄しなければならないCIAやFBIでもない。
でも、前述の決断をする剣持が素敵なんです。
うぉっ!と思っちゃったんです。
英田さんテイストってこんな感じだと思うんですよ、私は。