あらすじ
健全な高校生の見本(?)たる俺、椎名朝彦は誘われて来たクラブのパーティで閉口していた。実家は大病院、自慢の兄である宮彦は才色兼備のエリート医大生、日頃クールで高尚な兄に憧れている自分には、酒やチークダンス満載のこんな妖しげな場所はふさわしかろうはずがないのだ。呆れる友人たちを尻目に帰ろうとしたその時だった。あれって……!?
レストルームで見覚えある男の姿が目に飛び込んできた。レイジと呼ばれる連れが話しかけているのは、九十九、九九九パーセントの確率で、な、何と宮彦に違いない! 普段とはあまりに異なる遊び人らしい兄の態度。そしてチェリー・ボーイの俺は、レイジ主導で口に出せない恥ずかしいコトをされてしまう。愛しい兄を見やった時、聞こえてきた言葉は「朝彦のしつけは、俺がする」。連れ出されて自分はこれから一体――!? 切なくイケナイ恋の軌跡を描く単行本未収録短編。