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性格が正反対の、一卵性双生児が主人公のお話です。前半はボンヤリした兄の祐が主役、後半はしっかり者の弟の悠が主役。
いつも通りの桜木知沙子節満載のストーリーで、優しくてあたたかくてキューンとなりました。
双子モノなのに、近親相姦的な展開がまったくなかった(肉体的な意味だけでなく、精神的な意味でも)のに、逆に驚きました。今まで読んだ双子モノで、近親相姦的な要素がないのを読んだことがなかったもんで…ウーム、近親相姦がなくて驚けるなんて、実におそるべしBL業界w
微妙に絡み合うお互いへのコンプレックスと、それ以上に深い愛情、そして共依存めいた関係からの脱却。双子それぞれが違うパートナーを見つけ、自立を果たす。
兄弟モノにある普遍的なテーマが、桜木さんの筆で丁寧に描かれてました。
いいお話でした。
すっごく優しい話でした。
相当天然で、人がよくて、断るのが苦手で、小説を書く以外は、からっきし……。
でも、その天然な優しさで、人を引きつけてやまない悠の話と。
その悠の面倒をよく見ながら、要領もよく、自立している悠、のお話。
顔はそっくりなのに、中身は全然違う二人。
話の内容も全然、違いました。
祐の恋愛は、遅ればせながらの初恋の話。
ずっと傍にいてくれると思った二人の突然の台詞に、祐は戸惑い、思ってもみないことを言ってしまう。
混乱しながらも、祐はようやく、自分の心と向き合い始める。
一方の悠は、高校時代の話。
思春期を迎え、全然違う兄と自分をついつい較べてしまって、葛藤する悠の前に現れた特別な人は……?
どちらも、巣立ちの葛藤……というか、人の成長していく様が綺麗に書かれた本だと思います。
最近、この作者さんの作品を何作品か読んだんですが。
人が成長していく上の葛藤……みたいなものが、とてもうまくかけてる作者さんだと思います。
どの作品を読んでも、胸の奥の辺りがキュンとなります。
双子ネタは好きなんですが、これはそれぞれの恋愛模様が、どちらもまったく好みじゃなかったので、萌えようがなかったです。どっちのカプにもイライラするばかり。
好き作家さんだし、切り口次第ではおもしろそうに思えたんですが、まったく合わなかったのが残念。