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kimi no hana tsuioku no ao
読後の充実感はページ数に関係ないんだな、と実感。85ページ…?振り返ってびっくりしました。いつも読んでいる200ページ前後の作品と遜色ない満足度だったんですよね。
製薬会社の研究所に勤める野田と、大学の研究室から引き抜かれてきた梶井。二人は同じ大学の先輩後輩だが、学生時代に面識はなかった。入所早々、梶井の教育係となった野田に対し、梶井は常に物言いたげな表情を見せる。噂によると、梶井はある人の後を追って入社してきたらしい。
青い紫陽花を背景に、静かに涙を流す少年の印象的な姿がプロローグで描かれます。大人になってから再会した二人のうち、どちらの少年時代だったのか。梶井が野田に向ける眼差しは一体…?
謎めいていて幻想的な雰囲気にぐいーんと惹き込まれてしまいました。設定に頼らず非現実感を出すのって、すごく高度な技だと思うんです。日常系でありながら、ただただ美しいお話ってほんとに珍しい。
何が美しいって、梶井が野田を思う気持ちです。綺麗な感情をBLで、しかも淡々とした文章で過剰な装飾なしに表現されると、他のジャンルでは得られない、えもいわれぬ興奮に包まれます。作者の筆致に惚れてしまいました…。萌えもエロも抑えてなんぼな中、それでも溢れ出るエロスが大好物な同志ならきっとわかっていただけるんじゃないかと思う、この言葉にできない粟立つ感覚…。
本作は2010年にWeb掲載された作品です。先生の描く攻めがあまりに魅力的で、久々に攻め厨属性が発動してしまいました笑
会話主体で、進捗するスタイル。
会話が少し硬め。
野田真路:29才,
華奢で女性的な美貌。
製薬会社勤務
冒頭場面で、青いアジサイが咲く道で、雨が降る中泣いている少年に傘を貸す。
医師だった父は、胃がんで病没。
父の希望に沿わず、医師になりたくなかった真路は、薬学部に進学。
梶井譲:26才,男らしい美貌。背が高い。
製薬会社勤務
父を亡くした季節に咲く、アジサイが嫌いだったが、好きになる思い出を持つ。
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途中で結末が分かってしまうけれど、綺麗な純愛物語で読後感良い。