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豊かな国、アルシュタントの太子で「平原の佳人」と称される美貌をもつメリアム。
しかし彼はその見た目を裏切って行動的だった。
「水晶の羽を持つドラゴン」の噂を聞くと、周りに塔にこもっていると口裏をあわせさせて城を飛び出したのだ。
身分を隠し、お供に風魔竜を連て旅を始めたメリアムだったが、道中正体に気づかれ他国に監禁されてしまい……
ファンタジーでBLで単発でおもしろい話ってほとんど見たことがない気がする。
まずファンタジーな段階で世界観を説明しなきゃいけないし、さらにはBLというそのもの自体がファンタジーであるため男同士がくっつくまでの説明が必要になる。そのどっちの説明もすっとばすとどうしてもお話が軽くなるっていう事態になるんですよね。
こちらでも世界観の説明は冒頭あたりものすごい勢いでキャラクターたちの台詞の中に込められています。
仕方ないよね!!とは思うんだけど、読んでいて目がすべるすべる。
テンポのよさとあいまって、なんだか昔のテンション高い少女小説みたいな懐かしいノリな気がしました。
しかし世界観というか、展開に「え?」という部分がちらほら。
主人公のいる国の皇位継承問題が絡んでくるのですが、そのあたりの扱いが軽くてちょっとご都合主義っぽい気がしてしまいました。結局この国の王制はどうなっているんだとか。気になって仕方ないのですが。
もはや細かいところは追及禁止な空気です。
後半。
色々あってふとっちょのパフ包容力に一目惚れしたメリアムですが、そのあたりに葛藤がないというかテンションについていけないというか。
ラウルと三角関係?になってからも同様です。
君たちはほんとうにそれでいいのか。いいのか……(自問自答)
いっそのことメリアムが女の子だったらこのノリで普通のライトな少女小説として受け入れられたような気がしてきました。
BLなのに……