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teiousama no oyomesama
甘くてちょっぴり苦くて良いお話でした。
天真爛漫で無邪気なロティと、ロティを愛しすぎてすごいことを成し遂げたカイの表と裏を読めます。
第一章はあらすじ通り小国の王子シャーロットことロティが突然訪れた帝国の騎士に、帝王の正妃にと告げられ仕方なく帝国へ行くことに。
女の子と間違えたんだろうから、僕男ですって言って帰って来ようくらいな気軽さで。
訪ねてきた護衛兼騎士カイルことカイがとってもイケメンで日に焼けた肌端正な顔立派な体格で、初めて会ったロティはぽけ〜っと見惚れてしまうほど。
帝国までの旅でカイはとても甲斐甲斐しく世話を焼いてくれて、僕男だよ?ってくらいに大切にされて…。
こちらの章はロティ視点で。
こんなのカイに惚れちゃうよってくらい甘くて、ロティはカイを大好きになって。
でも帝王のお嫁さんになるんだよね…な悲壮感もそこまでなくて。
とにかくロティがとっても良い子で。
本人曰くギリギリ第3王子のみそっかす。だけどとっても優しくて無邪気で。いつもヘラっと笑ってホワホワの髪の毛で。
第二章はカイ視点です。
これは第一章の裏側とそこに至るまでの経緯ですかね。あんなに紳士で優しくて甲斐甲斐しかったカイにこんな過去があったなんて〜。
と、二人の8年前の出会いから、ロティがカイの心の支えになって、いつかロティをこの手に!とカイが頑張って。
8年かかってロティを帝国へ連れてきて、退路を塞ぎ。帝王になったのも、後宮を潰したのも、国が平和なのも、全てはロティを手に入れ囲い込むため!
すんごい執着腹黒策士さんです!そして嫉妬深くて絶倫で。こんな攻め、大好物です!
なんと新枕の儀が一月も!精通さえまだだったロティになんてことを!
途中まではとっても良いお話だなと思ったのですが、ファンタジーとはいえ一度しか会ったことのない7歳の男の子を8年後に準備万端迎えに行くってすごいですよね!
しかもロティはとてもあどけなくて子供で、成人したとはいえまだ15歳。
とっても良い子なんですよ、なのに閨ではエグいことされて…。そのギャップがどうだろう…。
でもロティは彼なりにカイを好きで守ろうとして男の子っぽいところもあっていいですね。
変にウジウジしたりすれ違いもなく、ロティは真っ直ぐで、カイは自分のしたことを悔いるものの絶対にロティを離す気はなくて、ロティに毎日救われて許されて。
明るく晴れ晴れとしたカラッと良いお話でした。
ロティの前では男前で紳士なカイなのに、家臣達にはロティに関する全てに恐れられてるカイもいいですね。
桃瀬先生の作品を読むのは2冊目。最初に読んだ本も地の文が一人称で、自分語り的に進んでいったがこちらもそうだった。
好みが分かれるところではあると思うが、慣れればきっと大丈夫。読みやすい文章を書かれる作家さんだと思うので。
受けのキャラクターがとてもかわいい。
勉強は得意ではないけれど、人の感情の機微には聡く、人に寄り添うことができる子。15歳と年齢も実際幼く(物語りの世界では成人済み)、稚く甘えるところなんかたまらなく可愛くて、それなのに、攻めの悲しみや苦しみに自然と寄り添う描写やセリフには、はっとさせられ少し目が潤むこともあった。
ただ…、ただ…その可愛い幼さゆえなのだが、拗ねるシーンではぷくっと頬を膨らませたり、濡れ場では、おち○ち○と言ってみたり、自分の限界を試されている気分になってしまった。危うく新しい萌えの扉が開きかけた。
ここが一番好みが分かれるところかと思う。
鈍い私でもストーリーの展開が早々に予想できたり、さらっと本編を読み終えたので本編では、萌評価。しかし、結果的に萌2評価にしたのは、短編にこれでもかと詰め込まれた萌え描写が理由。
本編は短めながら、短編が5篇も収録されていた。
どの短編にも攻めの執着や束縛といった拗らせた感情が満載で、大満足。面白かった。