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心臓移植を受けた少年・嘉手納奏は移植手術を受けた後から、命を狙われ、心臓の元の持ち主を意識するようになる。
心臓の記憶から、微かに蘇るドナーの記憶に戸惑いながらも、受け入れて行く奏。
しかし、その奏の前に、奏の心臓を殺そうとした転校生になりすました神楽崎が再び現れた。そして、奏を守ってくれている移植コーディネーターのアイザックについて、思いがけないことを告げた。
「アイザック・フォン・ヴァルトミュラー。そんな人間が本当に存在するのか?」
神楽崎が言ったその言葉が、まるきり嘘だとも思えなくて、奏の中にアイザックに対しても、小さな疑惑の芽が育ちはじめる。
そんな中、折から降り始めた雪は止まず、白一色になった街に雪女が出たという噂が広まる。奏はアイザックと一緒に真相を探り始めるが……
奏はある意味ではとっても素直で、真剣に語りかけられたことに対しては、真剣に応えようとするんだよね。物事を先入観だけで見ようとしてないんだ。
でも、この状況はある意味つらいように思う。
だって、誰も信じられる人間がいないんだから。
まだ、奏はその事態の重さに気がついてはいないみたいだけど。
でも、「生きたい」と言い切った奏の強さは本当にすごいと思う。
ただ、さらっと神楽崎に言われた「お前にその価値があるのか?」という問いはすっごく、すっごく重いんだよね。
誰かの力だけは人は生きられなくて、でも、誰かを犠牲にしてまで生き続けることがいいのかわからない……。
ただ、心臓に記憶があるとしたら、それを移植されるのは怖いかもしれない……わからないけど。この小説、さらっと書いてあるけどテーマ重いんだ。
でも、重いテーマを重いばっかりで書いてもよくないと思うから。
これくらいの軽さで(決して軽くはないんだけど)、始まって、もっとみんなで一緒に考えて欲しいと思う。
まぁ、そんな難しいことを考えなくても、十分にハラハラドキドキして面白い話だと思います!