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rakuen no torawarebito
ショタの王様の寵愛を失い後宮で辛い仕打ちをうけているキリア。それでも、後宮に居さえすれば王の姿をかいま見ることができると、後宮での暮らしにすがっていたが、ある日将軍に戦の褒美として下げ渡されることになり・・
波乱に富んだ後宮ファンタジーです。攻めの将軍は、7年越しの恋なのでキリアに嫌われたくなくて、大型ワンコになっています。王にうち捨てられたと嘆いているキリアも気の毒ですが、おあずけのワンコ将軍もお気の毒!
そのうちファリードへの情が芽生え、将軍の命乞いのために大臣達に身をさらすキリア。期待どおりの痛い設定に、どきどきしますが、ラストファリードとキリアの逃避行、そして楽園で落ち着くことになるので、ここは「イタタ・・」を頑張ってのりきってくださいね。
ストーリー的にはそんなに私好みではないのですが(とくに主役二人のメロドラマな恋にはいまいち萌えない)、随所にある変態くさいエロシーンはニタニタしながら読みました。
なんていうのかな。
一言でいうと、
しきたりなら仕方ない
そう、しきたりなら仕方ないんです。
王様の褥にはべる前に、従者から施されるアナル開発(こんな下品な書き方はしてませんが)、張型を使ったフェラの練習(こんな下品なry)。
王から攻めへと受けが譲り渡されるときの儀式は衆人環視プレイ。
至って真面目に淡々とねちねちと描写されてるんだけど、どうにも笑えます。かなり好きです。
でも、
しきたりなら仕方ない!
王はロリコンですな。
なかなか潔いロリコンっぷり。
ぶっちゃけ受けはアホだと思います。人間を見抜く能力がなさすぎる。寵愛受けてる時期に人脈作ったりしておこうよ。こういうタイプを「高潔で健気」みたく描写されると、どうにもモニョモニョしてしまう私です。ちょっとはズルさがないと魅力を感じない。攻めに対する態度もナンダカナァ。攻めの優しいセリフはなかなか信じないのに、冷たいセリフは簡単に信じるのは何故。その冷たいセリフも理由があってのことだと、頭のいい人間なら分かると思うんだけど。後宮育ちなのに人心に疎すぎる。
対する攻めも同じ。
待てを命じられたワンコのように待ってるのは好きだったんですが、やっぱりもっとズル賢さが欲しいな。「俺が貰わなかったら、おまえは宦官にされるか、男娼館に払い下げられるところだったんだぞ。七年前に会って助けてもらって、ずっと好きだったから」というすごーく簡単なセリフを何故すぐに言わないのか分からない。言わないなら、偽善じみた理由じゃなく、もっと説得力のある理由が欲しいと思いました。
ストーリーそのものは非常にベタなすれ違いものです。ちょっとの言葉足らずで誤解が生まれてく話。この焦れったさを切ないと思う人ならハマるし、イラつく人ならハマれない、そういう作品だと思います。私は後者でした。
世界観をしっかり作り込んでるのと、丁寧な描写はすごく良かったです。
あと、王とトゥールの最期も良かったな。
迷ったのですが、色々好きなところもあったので、萌えで。
六青さんの作品だったのでいろいろ期待していたのですが、本当にあっさりと読めてしまいました。
いえね、受けのキリアも六青作品では定番の受けの不幸に次ぐ不幸とか陵辱強姦とか大変な事態があるのです。
攻めのファリードも、ひたすら一途にキリアのことを思って本当に誠実に尽くしています。
条件は凄くいいのに、何故だか心揺さぶられるような、読後、「疲れた~」「読んだなあ」というような充実感が少ないのです。
受けが最初に真剣に思いを寄せているのがファリードではなく、王だからでしょうか。
あんな最悪な王にすごい健気に尽くすくらい好きだったのに、物語の終盤で
色々あったにせよファリードに気持ちが移ったからでしょうか。
だったら最初から王のことを好きではないほうがよかったのにと思ってしまいます。
いずれにせよ趣味が違ったのですね。
でもファリードだけを見れば、本当にいいです。
初めて会った時からずっと片思いをして、キリアを手に入れるためにすごい頑張って、一途で誠実な姿勢は本当にいい!
それだけに何だか残念でした。