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oishii koi shimasenka
なんという時任のことを察する能力の高い夏樹でしょう!
夏樹視点なのですが、時任の気持ちや過去のその当時境遇や気持ちを詳しい説明がなくてもすごい理解していて驚きでした。ここがとても印象的でした。
次に夏樹の姉の杏。なんなんだ?店を開いただけで全てを夏樹に任せて海外を放浪して。なのに売上の一部はちゃっかり送金させてて。タイでお店開きたいからまちやは閉めて売るわ!って突然言い出すし…。
その次は夏樹が時任に告白された日。自分の気持ちを早く直接伝えたい!時任は特別な存在で好きだ。でもまだお付き合いとかはよくわからない…。だったのに、誘い受けか!早いなあ。
熱心な常連さんが恋人になりオーナーになり。お話は淡々としてました。
普通と平凡を求めていた夏樹が時任に褒められ自信を持てたり、愛されて普通や平凡にとらわれなくなったお話でした。
夏樹の性格の良さや一生懸命さは読んでいてすごくよく解るんですよ。
あと、無責任な(事情はよく解らないのですが夏樹はそう感じている)姉が放置して行った料理屋をつぶさないように必死で運営していったら、いつの間にかその料理屋での仕事が彼自身を支えるものになっていたとか、その辺はエピソードの積み重ねから解るようになっていてお上手だと思ったんです。
ちょっと消化不良なのは時任とのLOVEで。
ごめんなさい。そもそも時任って素敵な男性なんですかね?
一人で来て『店のメニュー全部注文』って……
個人的にはちょっとタイプじゃないんだよなぁ。
あと時任がいつどんな風に恋に落ちたのか、どんな風な関係を夏樹と築きたいのかが解らないんです。夏樹はノンケなのに告白から濡れ場までも唐突。
それに引きずられた感じで夏樹が告白を受諾するまでも、なんか不自然。
だって「恋愛として好き」と言われたら、まず一番最初に考えるのは「この人とキスやエッチが出来るか?」なんじゃないかと思うんですね(私は性志向が同じ相手との恋愛もそうだと思うんですよ。好きは好きだけどやる気にならない相手とは恋愛できないでしょ?)。
『それがよく解らないから確かめる』というのはBLによくあるのですけれど、どこかこの作品では『2人がくっつくことが必然としてあるからそう夏樹が思った』っていう感じに見えちゃったんですよねぇ。
『まちや』の雰囲気や料理、そこで働く人やお客さん達の描写はすごく好きです。
小料理屋さんの密な感じが素敵に書かれているんですよ。
ほら今、あれに飢えていますから、私。
夏樹の店はとっても感じ良いですよ。行ってご飯食べたいくらいです。
LOVEの部分がどうも私には合わないのよねぇ……
でもその部分がないとBLじゃないしなぁ……