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mousou bengoshi
笑わせていただきました。受けちゃんの新米弁護士が、これでもかっ!と妄想が大暴走。それがやたら可愛いやら、ばかばかしいやら。肩の力を抜いて読めるので、お疲れモードの時には最適かも……。
泉が尊敬する弁護士の弟子だった神田が開いた弁護士事務所を紹介され、初出勤の日、事務所の最寄り駅でぶつかったカッコイイ男。
「あ~、あんなカッコイイ男が神田だったらいいのに……」と妄想をふくらませ、事務所へたどり着くと、そこには先ほどのカッコイイ男がいて、やっぱりその男が神田だったのです。
がっ! 神田は、どう見てもチンピラ、口は悪い、弁護士になった動機が『儲かる』、金にならない仕事に行けと言う、事務所には『根性』の額……と、泉の思う理想の弁護士とは程遠くて、どん底からのスタートとなったわけです。
でも、事務担当の長谷から神田のことを詳しく聞くと、本当は神田の母に苦労をかけたから親孝行のために努力したとか、人情に厚いとか、弱者の為にがんばったりとか、本当はいい弁護士だったんですよねぇ~。
そんな姿を知ったら、カッコイイ神田が余計かっこよく見えちゃいますって。泉もポ~っとなってしまうわけです。
そんな時に持ち込まれた、男性同士の痴情のもつれによる殺人未遂事件。
どうも、ゲイに対していい印象がないらしい神田。でも、相談に来たおばあちゃんが気の毒だし、困っている人を見捨てられないと、泉は弁護を引き受けるのでした。
拘置所に接見に行ったり、被害者に会いに行ったり、事件の真相を探るためにがんばっちゃいます。
もちろん、がんばる泉に神田はしっかりとフォローを入れますが。
出張と称して温泉宿をとって二人で泊まり、そこで二人は結ばれちゃいます~。
とはいっても、ここへ至るまでに、泉の妄想の中で何度も結ばれてるんですけどねぇ。
だから、泉が告白して、神田もその気持ちに応えたときは「あれ? これも泉の妄想?」と、現実と妄想が入り交じってわけわからなくなったって言うのは、ここだけの秘密……。
泉も神田も、もともとゲイじゃないのに、こんな簡単に恋に堕ちちゃうのか?って思ったけれど(だって、神田だって駅でぶつかったときに一目惚れしてたらしい)、まぁ、そんなこともあるんだろうとBLマジックにかかっておくことにします。
神田もお金儲けだけに拘った男じゃなく、人情溢れる弁護士だったし、見かけと中身のギャップに萌えてください。
泉の妄想が「イケマセン、神田さん……」みたいなよろめきドラマ(って、おいおい……)ぽいので、本当に笑えるんです。そのへんも楽しんでいただけたらいいかと。
正義感に燃える新米弁護士の瀬川泉は、今日から新たな弁護士事務所でイソ弁(居候弁護士)として、頑張ることになっていた。ところが、事務所についてびっくり。就職先の所長でもある神田は、やくざのような見かけをしている拝金主義者だった。
泉の目指す弁護士の姿は、人権派で世のため、人のために働く弁護士で、神田は理想とはまったく違う弁護士だった。
けれど、一緒に働くうちに次第に、泉は神田が照れ屋で素直に感情を表に出せないところだとか、誕生日にわざわざ並んでケーキを買ってくれたりするところだとか、内面の優しさに気づき始める。
ある日、泉は神田にHを迫られる夢を見てしまう……それ以来、泉の妄想はエスカレート! 些細な神田の一言から、神田に抱かれる妄想を繰り返してしまう。
そんな泉が担当することになったのは、『男同士の痴情のもつれによる殺人未遂事件』。
「ホモだぞ!?」と神田に頑強に否定されたことが気になりながらも、泉は依頼人と向き合い、依頼人に何をしてあげるのが一番いいことなのか、考え始める……。
そもそも、この泉の妄想癖は必要だったのか……? というところから、考えてしまう。
何の脈略もなく、突然泉の妄想が始まるので、いったい、どこから妄想でどこから現実なのかがわかりにくい。まぁ、それがおそらく作者さんの狙いなんだと思うので、どこから始まったのかはわからない……っていうのは、いいとして、何処で終わったのかは、もうちょっとはっきり線引きをしてほしかった。
誰かが、妄想してるところをもっと多めにいさめるとか、泉が「危ない危ない」みたいに言うとか……あんまりにも、自然に妄想から現実へ戻ってきていて、読んでる方がうまく切り替えができませんでした。
そして、泉の恋愛と、この殺人未遂事件を同時に進行させようとしていたので、まるで泉の恋愛の添え物に殺人未遂事件がなってしまったような気がして、こんなにはっきりと盛り込む必要があったのかな……? と、思いました。
BLである以上、恋愛感情が優先になってしまうのは仕方がないことだとは思うんですが、これから、加害者の友人に会って証言を集めるのに、出かける電車でエロい妄想してるような弁護士に弁護は普通、頼みたくないと思ってしまうはずだし。
初めて、自分だけでやる刑事事件の弁護なんだから、もうちょっと緊張感持ってやってほしいと思いました。
結局、一足先に、泉の恋愛が成就してしまって、後でまとめて裁判の顛末を書いてあって、裁判の描写が読んでてだらだらしてる感じがして、あんまりよくなかったような気がします。
どっちも書きたいなら、どっちも同じテンポで進めて、裁判が終わった時に、泉の恋愛も成就するようにした方がよかったような気がします。