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七地先生の前作「ジェイド・タイガー」はスペースオペラ風でBL要素も少なくて硬質な描写が多いので、読み辛く敷居が高い面もありました。それに比べて過去に出たこちらの2nd SwordはSF要素もありますが、全寮制の学校の少年同士の親交に重きを置かれているので、入りやすかったです。
機体などガンダム的なバトル要素もあるので非常に新鮮でした。女性作家さんですので、描写は動より静な印象は強いです。大きな事件もなく、エピソードの一つ一つは割と地味目ですが、設定や世界観やキャラクター像が作りこまれているので、最後まで没頭して読めました。
惑星などの宇宙規模のスケールの大きい話が出てくるので、日々忙しい毎日を送る現代人にとって癒しになります。日々の葛藤がちっぽけに思えて…励まされました。この本を読んで「安定は人を駄目にする」という言葉が印象に残りました。この先辛い局面に遭遇した時もこの言葉を励みにしようと思いました。
シリーズものの群像劇のようですが、ミナギの生家の秘密が明かされずに終わってしまったので、気になります。ペルシャ猫系美少年ミナギとスパダリ風ウオルフォレストのカップリングも萌えましたし、登場人物も魅力的なキャラ多いので、続きが楽しみです。
ひと昔前は、こういった作品も商業作品のしかもシリーズもののとして出版されていた事実を考えると、良き時代だったなーと実感します。最近は取り扱っている題材がどれも似通っている事が多いので、少し食傷気味です。作家さんと出版社にはクリエィティブなお仕事である以上、商業重視の右ならえの安定堅実路線でなく、もっと思い切った冒険をして欲しいなぁ。。と思う今日この頃です。
宇宙へと生活の場を広げた人類は突如現れたエネミーと呼ばれる敵と遭遇した。
意思の疎通のはかれないそれらが行うのはただ破壊と殺戮だけ。
連邦軍もかなわなかったそれらを相手にできるのは民間組織であるクゼの可変型二足歩行戦闘兵器、ザ・ヴァンガードのみ……
アルバーン・リカルディ校中等部の入寮日、ウォルフォレストは羽深壬薙と出逢った。
家柄ばかりを見てほとんどの者がウォルフォレストを見ない中、少年らしい潔癖でまっすぐに自分を見てくれる壬薙にいつしか彼は恋をしていた。
秘めた思いを抱えたまま、それでもこんな穏やかな毎日が続くと思っていた。
壬薙がヴァンガードの乗り手、ウォリアーに選ばれるまでは……
単純にSFというよりはフ○フナーとかマク○スとかガン○ムとかあのへんの世界感ですと言った方がわかりやすいかも。
二次創作のいらないところがまた素晴らしい(笑)
メインの機体が0~27体で各機に一人ずつ乗組員がいて、さらには各関係者で登場人物の数はほんと半端なくなりそうな予感です。一巻から人物相関図があるよ!!
七地さん!!
とりあえず今回は16・17号機の史・馨一と20・21号機のウォル・壬薙の2カップルがメインです。
それぞれにそれぞれの関係性とか葛藤とかがあって楽しいです。
両方とも学生組ということで、今回は学園物色が強いかも。
世界観のこともあって1巻前半は怒濤のごとく説明ですが……これはもう仕方ないよね。
生死をかけた戦いとかパートナーとの絆とか、永遠のトキメキですね。
どこまで続くかは大人の事情次第……ということなので、是非ともがんばって欲しいです。