いるいる
public school
B5サイズ/両面刷り
4段組で読み応えあり!な内容です。
というかなんで本編に入ってないのか解せない。
公式HPの特典情報にはこう書かれています。
『本編の裏側を秘書ロードリーの視点で描く番外編!』
ほんと、まさにコレ。
本編は礼視点であまり見えなかったエドの様子が
こちらのペーパーで読めるのですね。いわば裏本編。
ペーパーにはエドの苦しみや葛藤が描かれています。
礼視点の本編では慈愛のような温かさを纏っていたので、
ギャップの切なさでいっぱいになりました。
(※本編のキーになるネタバレを含む内容です)
(以下、充分にご注意下さい。)
本編の裏側でロードリーが見ていた景色。
そこにはエドの苦しみや葛藤がありました。
礼の携帯に良からぬソフトを仕込むと言い出したときは、
流石のロードリーも抵抗感を覚えるのですね。
本当に実行する気なのかと確認するも虚しく、エドの意思は固い。
最終的に忠誠心で抵抗感を押さえ込んで共犯者となりました。
そのソフトについては本編で知っての通り。
けれどエド達が不審な行動を知ったのはほぼリアルタイムに近く、
礼が知るまでかなりのタイムラグが存在するのですね。
ロードリーは最悪な事態を避けるよう言及しますが
エドは「レイが助けを求めてくるまで、動かない」とキッパリ。
"エドワード・グラームズ"の力を受け入れることは
一緒に生きてく上で必ず乗り越えなきゃいけない壁。
礼なら乗り越えられると信じているのと同時に、
そうしなければ一緒に生きる道がなくなる…と零すのですね。
エドは礼の状況がどんどん悪くなるのを知りつつ、
礼を信じてひたすら耐える日々だったんですよ(;ω;)
深く愛してるからこそ身が切り刻まれる時間です。
何もかもを手にして有能で決断も早い男のハズが、
恋人のこととなると途端に体調を崩すほど弱くなる。
自分のやってることが正しいのかどうかも見えなくなる。
ロードリーの景色にはただ不器用な一人の男の姿が…。
ーーーと、そんな風に
恋人を想う姿が狂おしいエドの様子が描かれています。
なんかね、
エドはまだどこかで礼を愛すのに怯えてる節も見え隠れするのですね。
礼が好きすぎて家の中に閉じ込めてしまいたくなるほどの想いが溢れてて。
でもそんなことをしても礼が幸せになれないのも分かるから、戒めてて。
これでいいのか、間違っていないか、何度も自問自答しては後悔ばかりで。
これがエドの愛し方なんだと知ると、
も~~~切なくて泣きたくなります…!!!
礼と一緒にいる幸せをめいっぱい感じてるのに
反面、間違ったことをしてないか不安に揺れて。
礼には見せない不器用さ加減にめっちゃ萌える…。
エドの愛の重さが狂おしくて切なキュンなのですよ!
ふあぁぁぁぁぁ~~~~(∩///∩)
裏側でエドが弱っていたのを礼は知らぬまま。
しかしロードリーだけが全てを知っている部分もね。
萌えるよね…。主従萌えっていうのかな?
ブロマンス的なね…。ね?ね?あるよね?
(もちろんエドは礼しか見てないのが大前提です)
ロードリー視点で描かれたエドの姿という部分も非常に良かったです…!!
『秘書の忠誠と覚悟』
物語は礼の携帯端末にスパイウェアを入れるところから始まります、ロードリーは躊躇しながらも結局エドの言う通りに。
今回の件は礼を監視する意味だけではなくデミアンの作品に関する盗用を未然に防ぐためでもあります。
ロードリーは相手の尻尾を掴んだ時点でしかるべき対処をする事を促しますが、エドはあくまで礼が自分から助けを求め「グラームズ」の力を行使する事を望みました。
エドの精神的負担からくる体調不良など諸々の事情はあったもののギャラリーは無事に成功、二人ともオープニングレセプションに参加します。
その場での「後悔してる」「これがレイの幸せかはわからない」といったエドの言葉で、上司への少しの不信感が憐れみに変わっていきます。
「あなたが悪魔なら、レイ様は天使です。後悔ある愛くらいでちょうどいいのでは?」と冗談まじりで言いますが、目の前のただの不器用な恋する男にあらためて忠誠を誓います。
「パブリックスクール -ロンドンの蜜月ー」の初版についてくる番外編SSペーパー。
今までいろんな番外編を読んでたと思いますが、エドの秘書ロードリー視点は、私は初めてでした。
ある意味、レイも知らないエドの顔を最もよく知っている方かもしれないですね。
その方がエドの事を、そしてレイの事をどれだけ思っているかが分かって、良かったです。
もともと側仕えとか秘書とか執事という職種が超好き。
今まではオリオン座リゲルのようなエドの輝きであまり見えてこなかった印象のロードリーですが、こんな風に番外編で彼視点の動きを見せていただけると、より深みが増して良いなあ!!!ととっても思いました!
だって吐くなんて!エドが!しかもメンタル理由って自分でカミングアウトするなんて!
・・・ないわ・・・
エドの「レイへの思いでもがく姿」を読んで、「うん、これなら二人は大丈夫」と安堵するのも
変ですかね。私はマゾ傾向があるのか、とふと思った番外編でした。
本品は『パブリックスクール-ロンドンの蜜月-』のフェア書店特典ペー
パーです。
ロードリー視点で本編で語られる事の無いエドワード事情となります。
ロードリーは自分が秘書として従順で、エドワード・グラームスに対し
て忠実である事を旨としていますが、エドワードが恋人である礼のセル
フォンにスパイウェアを仕込もうとしている事を知るとその真意を疑い
ます。
エドの指示によりロンドンの下町出身でハッキングは得意でも教養とは
無縁育った若者を連れてきても本当に実行するつもりなのかと念を押し
ますが、エドの決意は揺るぎません。
心から尊敬する上司でも恋人の携帯電話にスパイソフトを入れるなんて
無茶が過ぎるというものです。もしエドが礼が好きすぎて正常な判断が
できていないのではと疑うのは酷く悲しい事です。
礼の仕事の状況が思わしくない事、エドがそれを助けたいと思っていて
も礼がエドの介入を嫌っている事は知っていても、他にも建設的なやり
方があるのでは思うのです。
ただ一生を捧げる覚悟で秘書になってからずっとエドワードが間違って
いた事はなく、ここだけ手を引くのは忠義に反する気がして、結局は
エドの手から奪うように携帯電話を手にしてハッカーに手渡します。
ハッカーは「他人のセルフォンにこんなもの仕込むなんて悪魔じゃなき
ゃできない」と言い、片棒を担いだものの、ロードリーは内心もやもや
していましたが・・・
B5版両面にてエドの秘書・ロードリーの目を通してエドの様子が語られ
る貴重な短編です♪
しかし結果的にはエドワードのこうどうが正しかった事を示す事件が起
こります。監視役として雇ったハッカーからロブ・サイラスの不審な
行動の連絡を受けたロードリーはエドワードが動くものと思いました。
しかし、エドワードは「レイが助けを求めてくるまでは動かない」と言い、
ロードリーは焦りを覚えます。礼が傷つくと分っているのに、エドワード
の真意を疑い始るロードリーでしたが、エドワードは礼を心配するあまり
嘔吐し、体調的にも気持ち的にも苦境に立たされている事を知るのです。
そして迎えたギャラリー「パルム」のオープニングレセプションでロード
リーはエドワードに今の光景があのソフトを入れた時に見えていたのか
と問わずにはいられませんでした。
予測の中の1つのパターンとしてこのこの光景はあった。
だか、それはあまり重要じゃない。
今でもこれでよかったのかと後悔している。
レイは仕事を続けられるが、これが礼の幸せかは分からない。
仕事の事なら即決断するエドが礼の事にはこんなにも思い悩み、繰り返し
後悔している事に痛みを感じます。世界のすべてを手に入れたような男の
弱さと不器用さにロードリーはまた新たな忠誠心を掻き立てられる
・・・という本編の礼視点のエドとはまた違ったエドの葛藤と苦しみが見えて
すごく良かったです。
強い攻様が時折見せる弱さがある事、そしてそれを見せる事ができる人が
そばにいるという事に安堵します。
既刊の「パブリックスクール-八年後の王と小鳥-」の時にのアマゾン限定
ペーパーでロードリー視点短編を読んだ時にも思いましたが、もうちょっ
と長めにして本編に収録して頂けるともっと嬉しいな♡