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我慢しなくていい。これ、いいか……?
koganeiro no shangri-La
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
これは王道! 不器用考古学者×純情大学生のお話です。
古代遺跡大好きな大学生・リク君は参加した発掘チームで、
憧れの考古学者カルロス・ガルシアに出会います。
31歳という若さで天才的な業績を残し、加えてモデルも顔負けのラテンな美丈夫!
極度のマスコミ嫌いで、クールで近寄りがたい天才肌…
それでも少しずつ彼に近づいてゆくなか、二人は突然地下水路に転落し、怪しげな村にたどり着きます。
童貞ゆえ、村の生贄にされそうになるリク君を助けるべく…カルロスは彼を抱くことになり…。
尊敬する人に抱かれるのって…!? カルロスに本気で恋したリク君としては、複雑です。
複雑な関係のまま時間は過ぎ、救助され、もうこれでお終いという時…とうとうリク君、告白します。
「……カルロスが好きだ。驚いたか。」
まあ、お話のほうは100パーセント王道BLなんです。
それでも…いるんですねぇ、カルロスみたいなこういう人。
(まあ、ごくたまーにですけれど。)
とびきりの美形なのに、自分の容貌には無関心…どころか大嫌い。
(大勢の愛人を囲った父親そっくりの、自分の貌は嫌いなのだとか。)
業績と容貌を騒ぐマスコミも、やっぱり嫌いで…。
(本人、恐ろしくマイペースに仕事したいだけなのだそう。)
女性など選び放題かと思えば…「告白しよう。俺は女に興味がない。」
(まあ、こうじゃないとBLになりませんけど!)
そう、彼は単なる考古学マニアで、それでも天才。
天才的な色男なんです、ああ、かっこいい!
裏なんてありませんよ、このタイプは、いつだって…。
「俺みたいな考古学バカ」って、本気で思ってたりするんです。
(殴ってやりたくなりますけど!)
ああそれでも、リク君との情熱的な夜なんか見るかぎり…ラテンの血は濃いです。
エジプトの遺跡発掘チームに志願して加わった陸(受)は、憧れの考古学の天才・カルロス(攻)と、調査隊の合同調査によって出会います。
2人は発掘中の事故で地下水路に落ちて流され、少数民族の村に辿りつき、そこで陸が儀式の生贄にされそうになるんです。
『生贄は清らかであることが絶対条件』なので、カルロスと寝ることで清らかでなくなれば逃れられる・・・とHすることに。
まず、この設定をどう捉えるか。それによって作品の評価も変わる気がしました。
私は、正直なところ『素晴らしい』とは思わないんですが、それでもこの設定を考えて書いた真崎さんはすごいんじゃ!?(イヤ、まあいろんな意味で・・・)と思ってしまった時点で負けた気がします。
設定そのものがどうなのかを別にすれば、確かにストーリーの中で『Hに至る』理由としてはスムーズなんですよね。少なくとも『一方的に力で無理矢理』よりはずっといい。
ただ、カルロスが考古学者、陸が発掘作業の手伝いであり、エジプトの遺跡発掘を舞台にというのが、単に『生け贄の危機!(とそれを免れるためのH)』に持って行くためだけのように思えて、ちょっと勿体なかった気はします。
う~ん、全般に派手目な設定のわりにすべてが淡々とした感じで、ピンチもあっさり乗り越えて行っちゃいます。
だったら、こんなにあれこれ詰め込まないでポイントを絞ってじっくり描写してくれた方がよかったな~。
正直なところ、エジプトとか発掘とかを抜きにすれば、もう『王道』そのものです。別に捻りも何もない。読む前のイメージよりは楽しめたんですけどね。
それに、成り行きでHはともかくその後のラブへの流れはちょっと今ひとつだったかな。陸はカルロスへの憧れがそのまま『好き』にスライドしちゃった感じですが、カルロスはいつ陸を特別に好きになったのかがよくわからなかったんですよ。
ああ、でも表紙イラストがとても綺麗でした。カルロスが『カルロス!』って感じだったよ。