近距離家族はじめました

kinkyori kazoku hajimemashita

近距離家族はじめました
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×26
  • 萌7
  • 中立3
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
58
評価数
18
平均
3.4 / 5
神率
11.1%
著者
松幸かほ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
秋吉しま 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
価格
¥686(税抜)  
ISBN
9784576200415

あらすじ

絢くん、このまんま流されてくれる?

突然始まった甥っ子との生活を助けてくれる亮太。
日常的に絢を助けてくれるけれど、亮太の真意が見えなくて……?

事故で亡くなった兄夫婦の忘れ形見である駆を育てることになった絢。
マンションの下の部屋に住む大学生の亮太がいろいろと手伝ってくれ、駆の登園の準備など日常的なことから絢が倒れてしまったときのフォローまで、亮太はいつも傍にいてくれる。
彼が隣にいてくれる心強さと居心地のよさを感じながらも、世話になりすぎていることへの心苦しさが大きくなっていく。
しかし、「俺から積極的に行くからね?」と亮太はさらに距離を詰めてきて……?

表題作近距離家族はじめました

下の階に住む大学生
兄夫妻の忘れ形見を引き取ったリーマン

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数4

ドリーミー系じゃなく、しんどい系の子育てものです。

優しくて、少しほろ苦い子育てものになります。

こちら、インタビューでも書かれてるとおり、攻めがなかなかの策士なんですよね。
スルスル~っと、受けの日常に入り込んで来ちゃう。
こう、年下だけどかなりのスパダリでもありまして、毎日がいっぱいいっぱいの受けが、そんな彼に助けられて、やっと周囲を見回す余裕が出来るんですよね。
また、脇を固めるキャラ達が、皆それぞれめちゃくちゃいい人!
こういうお話を読むと、人って周囲から支えられて生きてるんだなぁと、あらためて思うよ。

ちなみに、受けがわりと後ろ向きと言うか、生真面目に色々悩むタイプなんですよね。
要は面倒臭いタイプ。
あと、お話としては、これと言って捻りの無い、超王道なものになります。
そんなワケで、受けのキャラといいストーリーといい、合わない方には合わないと思います。
ご注意下さい。

唯一の身内である兄夫妻を亡くし、忘れ形見である甥っ子・駆を、一人で育てる事になった絢。
駆にとって環境の良い新しい場所に引っ越しますが、そこで下の部屋に住む大学生・亮太と知り合うんですね。
そんな中、仕事と慣れない育児とで、過労で倒れてしまう絢。
すると、亮太は「自分を頼って欲しい」と言い出してー・・・と言うものです。

で、繰り返しになりますが、亮太がなかなかの策士。
いや、人との距離をはかるのがすごく上手と言いますか、テンパりまくってる絢をですね、さりげなくフォローして、いつの間にか家族の一員みたいになってると言うか。
こう、気づいたら隣に居て当たり前みたいな。

う~ん・・・。
これ、主人公となる絢がですね、最初はかなり追い詰められてるんですよね。
子育ての大変さと言うのがしっかり書かれてるんですけど、とにかくやる事だらけで時間が無い。
また、子供と言うのは急に熱を出したりと、お迎え等で仕事にも支障をきたす。
そのせいで、狙っていたプロジェクトリーダーの座も、同期にとられてしまう。

こう、絢と言うのはすっごく真面目で愛情深い、いい叔父さんなんですよ。
駆の事を大事に思ってるからこそ、適当に手を抜くと言う事が出来ない。
そのせいで、ギリギリまで頑張っちゃって、自分が倒れちゃったりするんですよね。

いや、子育てものって、やたらほのぼの可愛いドリーミー系と、子育てのリアルが書かれたしんどい系に分かれると思うんですけど。
今作は、まさにしんどい系。
周囲を上手く頼る事が出来ず、一人でどんどん追い詰められて行く主人公が容赦なく書かれていて、なかなかに読んでて切ない。

まぁそんなワケで、そこに救世主のように攻めが現れるのが、すごくホッとするんですよ。
また、大学生なのにやたら頼りになるし。
こう、一人で頑張っていた絢がですね、「甘えていいんだ」と肩の力を抜くのに、読者も一安心で。

あと、そんな感じでグイグイ距離を縮めてくる亮太。
ここから、親切なご近所さんとしか認識してなくて油断しきってる絢に、今度はストレートにアプローチを開始する。
いやもう、外堀を全部埋めちゃった後で、こうしてアプローチしてくるとは。
ここで、なかなかの策士ですな!となるんですけど。

で、そんな亮太を意識しだして、やがて彼を受け入れる絢。
しかし、ひょんなキッカケから、子持ちで年上である自分が、亮太の負担になる事を不安に思う。
そこで、彼の将来を思い、別れを決意して・・・と続きます。

これ、絢が臆病すぎる気はするけど、気持ちは分からなくは無いんですよね。
大人になれば大人になるほど、人って臆病になっちゃうものなんですよ。
また、ここで亮太の過去が明かされるのが上手い。
いや、人間が出来すぎてて逆に胡散臭い部分もあったんですよね。
彼が、そこまで絢に惹かれる理由もよく分からなかったし。
ただ、ここでなるほどね~と。
胡散臭どころか、めちゃくちゃいいヤツだったわと。

ちなみに、優しいご近所のお爺ちゃん達だったりと、出てくる人が、本当にいい人ばかりなのです。
中でもおネエ様方は、群を抜いて強烈で、登場するたびに笑っちゃいましたよ。

まぁそんな感じで、受けが臆病すぎる所だったり、捻り無しのストーリーだったりで、合わない方もおられる気もしますが。
個人的には、とても優しくて素敵な作品だと思いました。

10

魔の2歳児を育てるリアリティとしては?

兄の忘形見を、未婚のまま男手一つで育てる叔父のお話です。
保育園の事などよく取材されているのでしょうね。
細かい描写に感心してしまいました。
でも、子育てについてはどうでしょう?
主人公の絢が引き取ったのは、2歳児の駆。
2歳児って〝魔の2歳児〟と呼ばれるくらい扱いが大変で、
まさに宇宙人^^;
2歳の割に駆が大人しく、これならあまり大変じゃないかもな……なんて思ってしまいました。
まぁ絢はシングルアンクルだし、そう思うと大変なんだろうけど少しリアリティに欠けるかなと。

そして、駆と暮らすマンションの階下に住む大学生・亮太が何かと二人を気にかけ、協力してくれるようになりーーと展開していきます。

この亮太、とても気が利くいい子!
頭が良く、絢が気にやまないような方法や言葉かけで上手くフォローしていきます。
で、駆に対してもとても優しい(о´∀`о)
亮太は絢が好きなので、下心もあったかもしれませんが、
それにしても心打たれるほど献身的でした。
いくら好きな人の甥っ子だとしても、他人の子を迎えに行ったり預かったりする事ってなかなか出来ないと思います。
どんな下心があったとしても、亮太はとても素晴らしい男だと断言できます!

絢はちょっと気負いすぎかな(^^;;
人に頼るのが苦手なので、亮太に対しても常に遠慮気味。
このへんがちょっとイライラしちゃったんですけど、
最終的には絆されて受け入れていきます。
それを本当に最後の最後まで引っ張ったので、
Hはあってもイチャラブシーンが全然足りなかった!
正直、物足りない‼︎
もう少し早くくっついて、二人のイチャイチャをもっと見たかったです。
しかも、亮太は男とは未経験だけど後でヤった事はあるからーー
と言うのですが、それいらない情報だから( ✧Д✧)

二人のキューピットは、オネエのお二人!
とてもいいキャラなのですが、オネエらしい?下品な会話も多いので、嫌な方もいるかもしれません……
炊飯器を開けるときに、〝お釜オープン オカマだけに〟みたいな( ̄▽ ̄;)
そんなんばっかりでしたが、楽しかったです(笑)
そして、駆の話し方が可愛くてとても癒されました。
本作のオアシス賞!

4

優良物件だった年下彼氏が実は億ションだった件


甥っ子を引き取ることになった会社員を下階に住む大学生が手伝っていく中で育った恋


両親を小学生の時と高校生の時にそれぞれ亡くし、唯一の肉親だった兄夫婦もまた、まだ2歳半の息子を一人置いて揃って事故死してしまった会社員・絢(受け)。
引っ越した先で出会ったのが、大阪から甥っ子の駆を連れて帰る時に偶然隣り合わせた大学生亮太(攻め)でした。
駆に懐かれているとはいえ慣れない育児に疲弊していく絢を亮太はさりげなく手伝ってくれるのでした。


ワンオペ育児は本当に大変で、絢が疲弊してくのが気の毒でした。
つい時間を考えて効率よく動こうとするのを邪魔する幼児という構図ができてしまうとイライラしてしまい、つい怒鳴ってしまったり、すぐに熱を出し呼び出しをくらうため仕事が滞り、大切な仕事が任されなかったりと慣れない育児に加えて仕事面でもメンタル削られる絢。
つい駆がいなかったらと思ってしまうのも無理からぬことだと思います。
それでも、そんなことを考えた自分に自己嫌悪し駆に愛情を注ごうと頑張る絢はすごいと思いました。

そんな絢に対して普通なら夫婦ですることだからと亮太は絢を励まし手伝ったくれます。
この亮太のゆるゆるした話し方が絢の荒んでいく心には染み入るんだろうなと思いました。
亮太はとてもいい人で、地域のボランティアにも積極的に参加する幼児慣れも老人慣れもしているコミュ力の高い人でした。
生い立ちはなかなかハードな人でしたが、そんなことは微塵も感じさせないので、話を聞いたときは驚きました。
亮太はあっという間に駆にも懐かれて家族の中にするっと入ってきます。
ほんわかなし崩しに家族になるのかと思いきや自分に厳しい絢はそれを良しとしません。

進展しづらい2人を助けてくれるのは、キューピッド役の二人のオネエさま・杏里とサトミ。
絢が過労で入院した際、亮太が面倒見切れない日中駆の面倒を見てくれることになった亮太の知り合いのオネエさまでしたが、バーのママをしているだけあって空気を読むのがうまい。そして、子供の面倒を見るのも料理を作るのも。
二人がくっつく時も亮太の将来を気にして絢が身を引こうとした時もにぎやかに、でも引っ掻き回すでもなく絢の話を聞いてくれるすごく頼れるオネエさまでした。
杏里とサトミのインパクトがすごいのでともすれば亮太が霞みそうな勢いでしたが、二人のことを知って応援してくれる先輩がいるのは本当に心強いことでしょう。

このことをきっかけにどんどん距離を詰めていく二人でしたが、亮太が若いことを気にして身を引こうとするんですね。
タイミング悪く亮太が実はすごい人だとわかってしまい、連絡も取りにくくなってしまいます。
この絢にはちょっとイラっとしました。
身を引くといいながら未練ありまくりで亮太のためというより自分が傷つかないためみたいな感じにも取れる態度は、絶対亮太を傷つけたと思うし、亮太が可哀そうだと思いました。杏里もサトミもそんな絢を責めるでもなくの話を聞いてあげていて素晴らしい。私なら胸倉掴みそうになるかも。

亮太が頑張ったおかげでちゃんと元さやになって本当に良かった。


それにしても、亮太の「男とははじめてだけどここはつかったことがある」というセリフが衝撃的でした。
一体いつ?とか考えてしまって行為に集中できなかった(笑)


2

フラット

松幸先生買い。小さいお子様の記述はさすが!なんですが、恋話の方に今一つ盛り上がりを感じられなかったので中立にしました。本編280Pほど+あとがき。ちびっこちゃんは可愛かったんだけどな・・

5歳上の兄とその嫁が交通事故で亡くなり甥の駆(かける)を引き取り、なんとか二人の生活を軌道に乗せるべく少し広いマンションに転居した絢(じゅん)。挨拶回りをした所、真下の部屋に住んでいたのは、以前新幹線内で助けてくれた亮太で・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
駆(2歳半、モンスーンlove)、杏里、サトミ(オネエ、駆の面倒を見てくれる)、受けの会社同僚少々、ジェイク(攻めの元仕事仲間)ぐらいかな。
駆の舌ったらずな口調とオネエsが面白いです。

**攻め受けについて

攻めはいわゆるスパダリなんだろうけど、ゆるやかーな人当りで能ある鷹は爪を隠すってタイプです。そしてゆるやかーーに人を流して誑し込んでいく印象。
そんな攻めさんにすっかり誑し込まれて流されて出来上がってました、受けさんは。

甥っ子と二人生活するのなんで、超絶発狂しそうなぐらい大変なのは間違いないので、それを熱心に助けてくれるなんて、有難すぎて涙でるという状況にシンクロしてしまい、恋話にスコープを持って行けなかった気分です。そのため、きゅーーーーーんという萌をあまり感じずにフラットな気分のまま、あれ?と思ってる間に終わってしまいました・・・

おこちゃまはとても可愛かったんですけどね。ちょっと残念でした。

2

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