お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
aijin keigo
ドタバタ、コメディタッチの刑事モノです☆
ストーリーはあらすじそのもの。
おいしそうな羊を巡ってお腹を空かせた獅子が苦悩する内容となっています。
未来を溺愛する保護者や兎の皮を被った狼、探せば動物を表す名前の登場人物がたくさんでてきてまるで「動物園」の様。
しっかり筋の通ったお話に個性的なキャラ達が花をそえて、とても楽しく面白く読めました!!
身勝手な大人たちの思惑に振り回される未来の素直で健気なかわいさにエールを送りたいっ。
ストーリーをよそに未来の4人の義兄たち、上巳(あがみ)兄弟に個人的に萌えw
タイトルと表紙イラストから、完全にシリアスだとばかり思っていました。それも『エロエロ・重苦しい』系統の。
これ元は雑誌連載で、その時のタイトルは『ダイナマイト♂団(だんだん)』だったそうですが、いっそそのままならイラストがなんだろうとコメディでしかないってすぐわかるんだけど。タイトルの印象って大きいね・・・←さらに、水名瀬さんのシリアスタッチの綺麗なイラストでダメ押しって感じ。
というわけで、日向さんのシリアス色の強い作品は苦手なことが多いので、これはもういいかなと思ったんですが・・・
それが、読んでみたらもう最初っから深く考えるのがアホらしくなっちゃうような、いっそギャグなのかというくらいのコメディだったんですね。悪い意味ではなく。
しかし・・・もともと日向さんの文体は合わないな~と感じることが多いんですが、こちらはその度合いがかなり大きいです。ホントに読み難い!
『モノローグの入れ方・多さ』も『作者自らのツッコミ』も、他の作品以上に気になってイライラしました。『開き直ったコメディ』だからか!?
さらに、他の作品にはない妙な『平仮名置き換え(分かち書き)』とでも言うような書き方も(例えば『強かん(強姦)』『不らち(不埒)』等)。
日向さん作品もプリズム文庫もそれなりの数を読んで来ましたが、こういうのは初めてです。
それはともかくストーリー。
未来(受)が、もうお約束のごとく男にモテモテです。
う~ん、コメディとしては確かに面白かったんですよ。ただ、ちょっとラストが呆気なくて惜しかったです。『え、こんな終わり・・・!?』って感じでした。
なんというか、一生(未来の亡くなった姉の夫)はホントに未来をそういう意味で好きだったのか?ただ周りが勝手に思い込んでたけど本人はあくまでも『義兄・家族』として・・・ならあのラストの対応もわかるんですけどね。
まあ『お笑いラブコメディ』としては、ストーリーは気にしちゃいけないのかもしれませんが。
それにしても、最初に(それこそ新部署を作って未来を獅子王に警護させる原因になった)『香港マフィアと日本ヤクザ家系の未来の幼馴染み』が、いったいどこで絡んでくるのかと読みながらず~っと気になってたんですが、これがなっかなか出てこないんですよ。
結局、最後のページでようやく登場したんですが、なんとこれが・・・
『ネタ』というか『オチ』というか、他に言いようがない。ある意味、これがいちばんのビックリだったかもしれん。
それにしても、私は(上手下手とはまったく別次元で)文体にしろ作風にしろ『合わない』作家さんには拒絶反応が出て二度と読まないのが普通なんですが、日向さんは『合わない』と文句タラタラ言いつつ読むんですね~。
だって、面白い作品はホントに面白いから!特にコメディ。←まあ、ダメなのはダメなんだけど、それはどんな作家さんでもあり得るし。
個人的にはちょっと物足りなさを感じた作品でした。
まず、一生義兄さんが、あっさり引き過ぎな感じがしたのと。
なんだか、評判の割に絶対に抜けてるような気がします。
未来が獅子王に見惚れてただけで、自分だったら絶対に、その二人を近づけるようなまねはしないよなー……と。
だって、ちょっとでも好意を持った人(見た目であれ、何であれ)が傍にいたら、仲良くなりたい、と思うのが自然な流れですよね。
いくら獅子王の側に釘を刺しても、未来が好きになっちゃったんだったら、同じなんだから、自分だったら絶対に近づけません!
まぁ、それを言ったら、この物語自体が成立しなくなっちゃうんですけど。
それと! それと!
もうちょっと獅子王と一生の直接対決、とか見たかったです。
いくら電話ではっきり宣言されちゃったからって、その後すぐに獅子王に「恋人として守れ」ってあっさり手のひら返し過ぎです……。
これじゃあ、何のためにあんなに未来につく虫から遠ざけていたのか、本当にわからないと思うんですが……
そんな感じで、設定の割には、物語がさくさく進み過ぎちゃって、個人的には大分物足りない小説だったように思います。
本当、もったいない!