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giniro usagi to yakusoku no tsugai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
高峰あいす先生は、妖ものが得意らしいようで、
御伽噺風のファンタジーが読者に人気みたい。この作品もそう。
そして必ずハピエンなのも、安心して読める。
銀砂:白い兎耳の玉兎族の長。美貌。富を招く力を持つ、妖力が強い妖。
那波奏:初恋の少女、ぎんを探す大学生、19才
一度足を踏み入れたら、二度と出られない妖の郷。
祖母のナツの家に居た少女・ギンの正体を知らず、結婚の約束を交わす奏。
奏を妖怪世界に取り込みたくない銀砂は、奏をずっと避けていたけれど
色々有って、二人はハピエン。全て丸く収まる。
複数の昔話と、不思議な国のアリスを土台にした展開。
2020年刊。
ウサ耳受けは度々見かけるが、ウサ耳攻めってのを読むのは今回が初めてだ。
曾祖母の形見分けの目的で、幼い頃の初恋の相手・ギンちゃん逢いたさに裏山の住まいへ訪問しようとする奏。
しかし奏は何の違和感も感じずとある屋敷に入り込んでしまい、そこに住んでいるウサ耳の麗人と二本足で立つ側仕えの子ウサギ達に出迎えられる。
屋敷の主人である銀砂は幾度か奏を帰そうと促すのだが、ギンちゃんに再会したい奏が屋敷に留まる選択を取った辺りから銀砂と結び付いていく流れに乗ってしまったようで…
ウサ耳の彼ら達は実際は”ウサギのあやかし”で、銀砂の身の回りを世話している子ウサギ達が可愛い。
美味しそうに育った贄(奏のこと)を食べるとか日本昔ばなし的なブラックな会話も小耳に挟むが、この辺りは見た目に惑わされたままでも構わないかな(*´ω`*)
ただ、屋敷が贄を認識したとか言霊の縛りとか、そもそも奏が銀の屋敷に迷い込んだ事とか、話のポイントは点々と散らばっているのにどうもピンとこなかった。
銀砂は奏を一族の古いしきたりに巻き込みたくないが、それでも奏を欲する葛藤が曖昧だし、奏がギンちゃん=銀砂と納得してから彼への誤解が解けて、恋愛感情を認めていく気持ちの移り変わりもぽやんとした空気が漂っているような感覚だった。
銀砂自身のあやかしとしての一族内での立場の絶大さや、彼の『冨を司る力』についてが重要だと思うのだが、この肝心な部分をもう少し詳しく読みたかったな。
後半からは脇役の月岡に奏の弟・蒼太が話に絡んでくる事で面白味が増しただけに、前半が消化不足になった気がするのは惜しい。
ちなみに二人のエッチシーンは案外と盛り込まれているのだが、読みたかったのは銀砂と奏の心の結び付きであって、子作りを励む姿とはちょっと違うのだけどね…
この辺りもズレが生じて残念だったりする。
兎の妖と大学生による、初恋再会ものです。
曾祖母の家で幼い頃に共に遊んだ、兎の耳を持つ不思議な少女・ギン。
彼女と結婚の約束をしたのが、主人公となる大学生・奏。
彼が、曾祖母の形見分けでギンの屋敷を訪れると、そこには銀砂と名乗る美しい主が居て、「今ならまだ間に合う、帰りなさい」と意味深な事を告げられるんですね。
実は、屋敷に入ってしまった人間は、当主へ捧げられた供物となる理が働いてー・・・と言った感じのお話になります。
えーと、こちら、設定がかなり複雑なんですけど、ザックリ言っちゃえば「初恋再会もの」になります。
何故か初恋の相手・ギンと面影が重なる、不思議な青年・銀砂。
彼に惹かれてゆく主人公ですが、銀砂は「帰りたい」と言うように仕向けと、冷たい態度なんですね。
高峰先生ですが、こういうちょっと怖いお話が上手いと思のです。
と言うより、現世では無い不思議な場所・・・みたいな世界観を描くのがお上手と言うか。
また、妖と人間と言う異種族間故のスレ違いもお上手。
まぁ、人間同士でも結ばれるのは難しいものですが、そこに種族が違えば当然、ハードルも高くなる。
そのハードルを越える部分で、萌えさせてくれるのがお上手なのです。
今回は特に、攻めである銀砂の健気さにグッとさせられて。
そう、愛する者の幸せを願うからこそ、元の世界に帰そうとするなんて泣かせますよ。
このまま贄にしちゃえば、ずっと共に居られるのに。
ただですね、何だかよく理解出来ない部分も多くて。
そもそも、妖である攻め達の「約束」だったり「しきたり」と言うのが複雑すぎて、読んでてもよく分かんないのです。
えーと、屋敷に入ると「贄」と認識されちゃって、要は当主への供物になるんですよね?
で、食べられちゃう。
ちなみに、食べると言うのはガチの方で。
チビッ子達(銀砂に仕える小兎の妖)が「人間は料理するのに最高の食材」的に言ってて、実はこれに一番ゾッとしたんですけど。
だって、可愛い無邪気な子達で、主人公にもなついてる様子だったから。
話が逸れましたが、それを避ける為に、銀砂は奏を元の世界に帰そうとする。
ただ、ここから贄が、エッチする事になったり、伴侶になったりと、コロコロ変わっていって理解しきれない。
えーと、こう、次々彼等の「約束事」だったり「理」だったりが出てきて、なんか最初の話から矛盾してくると言うか。
銀砂は贄になった人間の肉を食わず、そっと逃がしてるらしいんですよね。
じゃあ、奏もそうすれば良くね?
う~ん・・・。
私の読解力に問題がある気もするんですけど、もう少し読者にも分かりやすく、理解出来る範囲の設定にして欲しい。
あれもこれもとこんがらがって来ちゃって、二人の恋愛を楽しむどころでは無い。
あと単純に、都合の良すぎる「しきたり」とかが多すぎて、冷めちゃうんですよ。
いや、私の頭が悪いだけで、みんな普通に混乱なく楽しめるのかもしれないけど。
それと、ずっと一途に想ってきた銀砂はいいんですけど、奏の方が好きになるのが急ですよ。
犯されて怯えていたのに、「銀砂さんに惹かれているんだ」って。
いつそこまで気持ちが変化したのか、私には読み取れない。
まぁそんな感じで、個人的には引っ掛かる部分があるんですけど、初恋再会ものとして、攻めの健気さに心を打たれる部分もある。
あと、結ばれた二人ですが、めちゃくちゃ甘くて幸せなのです。
初恋が叶って、良かったねって感じで。
そんなワケで、「萌」です。
う~ん・・・。
私がアホなだけの気もするんですけど、読者に分かりやすく書くのも、大事な事だと思う。