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mouichido dake kimi ni
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
あとがきによるとオカルトではなく、ちょっと不思議な純愛もの、ということらしい。が、う~ん、私の好みからすると糖分が足りなかった、かな。ちなみにスピンオフのスピンオフ作ですが、それぞれが独立した作品になってます。
蒼は高校を卒業し、新しい保護者兼世話役の成海と同居することになる。この蒼くんが、不憫な生い立ちで、霊感体質のせいで実のお父さんから疎まれ、六歳の時、亡くなったお母さんの兄に親権が移される。その時、わずかな期間、成海によく似た青年に世話をしてもらい、親切な彼に蒼はなつくのだけど、全寮制のエスカレーター式の学園に入れられることになって、そのまま離ればなれに。
そして十二年の月日が経った今、不思議なことに成海は、あの頃と全く変わらない姿のままで…。
序盤から、この成海が怪しさ満載なんだけど、物語の核心に触れる部分について説明はしてもらえず、蒼も深く追求しないので、なんだかずっとモヤモヤが続いて読みにくかった。
大学生活が始まって登場人物も増えると、みんなが怪しく思えてきて気になっちゃうし、思わせ振りな蒼の夢の話も出てくるしで、なかなか成海とのBでLな路線に話が向かっていかず…。
核心に触れるネタバレは避けますが、最終的に成海に詰め寄るのも、蒼ではなく第三者だったのも、なんとなくスッキリしない原因のひとつ、かなあ…。
蒼は生い立ちのせいで、なんでも遠慮がちな子なんだけど、好きになった人にまで、ちょっと引き過ぎかと思う部分があり、読んでいてやきもきしてしまう。
ついでに、成海も同じような感じで。彼の立場や心情を考えるとそこはわからなくはないんだけど、奥手で遠慮がちな受けと、自分を抑えがちな攻め、という組み合わせって、そりゃ進展しないよなあ、と…。
脇役が結構多いんだけど、バイト先の井上くん、サークルの部長さん以外、あまりいい人が出てこない…。で、扱いも、やや雑。特に高校時代からの友達、榛原くんはその後どうなった?
攻めとの将来的な問題など、解決されない部分もあり、読後はスッキリとはいかない。
濡れ場は終盤に一回。とは言え、受けと攻めの関係性はロマンがあって萌えたし、「しょしんしゃ」連呼していっぱいいっぱいの受けも可愛かった!
電子限定おまけは、受けが熱を出してしまったエピソード。本編で足りなかった糖分を補充できる内容でした。
『あしたになってもそばにいる』のスピンオフである、
『愛とか恋とかどうでもいい』のスピンオフ作品です。
両作未読でも問題ありません。
とにかく長い!
電子で読んだので厚みが分からず読み始めましたが、
読むのが遅いこともあり2日に渡って読みました^^;
読み始めるのにはなかなか覚悟がいる作品だと思います。
ーーネタバレしますので嫌な方はスルーして下さい。
主人公は、幼い頃から〝みえてしまう〟体質の蒼と、
人ならざる不思議な存在・成海です。
蒼は霊が見えてしまう体質のため、
周囲の人々からは嘘つき呼ばわりされてきました。
恵まれない環境で育った蒼を引き取ったのは、
亡くなった母方の兄でした。
大学への入学を機に世話役の成海と同居することになり、
世間知らずな成海に初めはイラついていたものの、
次第に成海といると安心感を覚えるようになりーー…
〝見える力〟は早々に[守り石]と呼ばれるブレスレットで封印されます。
なので霊が絡んでくるような事件は起こらないのですが、
周囲の人間が自分勝手な人たちばかりで怖かったです。
何よりも怖いのは人の心ーーと思わせるほど。
大学の友人・宮地には特にイライラさせられ、
得体の知れない恐怖さえ感じました。
実は、宮地は蒼の従兄弟なのです。
成海に執着するあまり蒼を疎ましく思っており、
成海の秘密を勝手に蒼にバラす……という役回りです。
成海の存在が最後まではっきりしないのですが、
霊退治を稼業にしている一族(宮地は本家)のために、
[守り石]を作るのが成海の仕事のようです。
そして、何百年も前から姿を変えず生き続けており、
蒼とは前世で何度も関わっています。
輪廻転生ーーこれがこの作品の軸です。
何度も生まれ変わり成海と出会うも、
不遇な死を遂げてきた前世の蒼。
前世の蒼たちの死がとても切なくて、
皆最後に思うのは成海のことなんですよね。
タイトルに起因していますが、もう一度だけ、きみに……
に続く言葉は「会いたい」だと思います。
そして今度こそ蒼を助けたいと願う成海でしたが、
秘密を知られてしまいあっさり蒼の前から去ろうとします。
成海も勝手なんですよね。
甘やかして大切にしてきた蒼をあっさり手放そうとする。
そして、蒼も人の気持ちを知ろうとしない。
勝手に思い込む二人にハラハラを通り越してイライラでした。
何度生まれ変わっても必ず好きになるーーという純愛を描いているのかもしれません。
実際、ホラーファンタジーではなくラブストーリーが主体です。
死ぬことがない?成海と蒼はいつか別れが来ると思いますが、
また生まれ変わって何度でも会いにいくということなのかな?
肝心なところが伝わってこなかったです。
そして、伏線が全て回収し切れていません。
喧嘩した榛原とのその後に至っては、
少しも触れられていませんでした。
書き下ろしは恋人同士になった二人のその後で、
終始甘々二人の世界でした。
やっとホッとできる展開だったので少し安心しました。
Hは、とにかく描写が長い!
前戯がほとんどですが、ゆっくり丁寧に描かれています。
文章からでも綺麗な印象を受け、エロさは感じませんでした。
先生買い。先生テイストだと思うぐるぐるが今回はより一層長く感じられましたが、ある一場面が好きだったので中立より萌にしました。ヒトならざるものが好きな方だったらよいかも。本編370P弱+攻め視点の後日談8Pほど+あとがき。
小学部から高等部まで12年間全寮制の学校に在籍した蒼(そう)。式が終わった後に寮の自室に戻るとそこには12年近く会えずにいた人とそっくりな人が立っていて、「大学在学中の世話人として同居する成海」と自己紹介してきて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
榛原(高校までの友人)、井上(バイト先図書館の司書)、宮地(大学の知人、やたら押しが強い)、松浦(大学の超常現象研究会部長)、中野(サークル部員♀)、義理の姉ぐらいかな・・こまこま多めに感じました。
++以下内容に触れる感想
椎崎先生のファンタジーって初めてじゃないでしょうか・・・?びっくりしました。攻め受けとも異能持ちです。それ以外は、ぐるぐるゆっくり進み、攻めはじっくりごり押し絡めとり系攻めさんなので、通常運転かなと思いました。
お話としては。
受けさんが前世を夢見るので、時系列が切り替わるタイミングが何回かあるお話ですし、その前世の方も何人かおられるので、読んでいる時に「お?」と前方のページに確認に戻るときが何回かありました。
あと細かい関係者がちょっと多いなー、もうちょっと絞ってしっかり当て馬、超ヒール役にして背景を読ませてくれると嬉しいんだけどなーと思いました。
また不思議なポイントの謎解きが全部ある訳ではないので、うーん、そこも個人的には残念!と思った次第です。(それで中立よりになった)
ただ。以下はめっちゃ好きでした。涙ぐむ。
最後の最後で想いが通じてのシーン。不幸にして亡くなっている前世の方々の思いが、今生きている蒼の中にぽこぽこ湧いてくるんです。「もう一度あなたに会いたかった」って。心の中がきらきらしていて、とても温かそうで、幸せそうで、「ほわー・・・・良かったなあ・・・・」と。
こういう所を読めただけで、読んで良かったなあと思います(ちょっと話が長くて苦戦はしましたが)。
BL的にはNGかもだし、個人的好みですが、受けさんの寿命尽きて、攻めさんがもう一度新しく生まれた蒼の魂を見つけるところまで書いてくださっても嬉しかったんだけどな・・・と思ったお話でした。
喫茶店「沙耶」シリーズ。リレー形式でメインカプは変わるけれども、登場人物は繋がっています。タイトルの意味するところにちょっと泣けたけれど、中立寄りかもしれないです。
『明日になっても傍にいる』『愛とか恋とかどうでもいい』に続く第三作目の本作は、個人的にずっと爪痕を残してくれていた脇キャラのナルミさんがメインということで、いまかいまかと心待ちにしていたのですが、既刊だったことに気付かなかったというヘマをやらかすという。
期待感が大きすぎたのか、ストーリー構成のせいなのか、なかなか読んでいても進まず、消化しながら読むのに時間が掛かってしまいました。おさらいとして読み直した『明日になっても』に再度キュンキュンしてしまったのもあるけれど、ナルミさんてばさー、ちょっとその、衝撃的すぎるんですけども……
真相が明らかにされるまでかなりまどろっこしく、メチャクチャ焦らされた挙句にそうくるとはツユも思わなかったな。ウーン、すんなりとのみこめなかったんだと思います、物語設定やシリーズの全体像が。
沙耶シリーズはオカルト的要素が潜んでいて、ずっと伏線が張られていますよ〜ということだけ記しておくべきでしょうか。個人的にはナルミさんの意外性にうちのめされてしまった展開でしかなく残念で。でも、このシリーズの受けがみんないじけたところがあって(気が強いっていうか、意地っ張りというか)、攻めの大きな愛情にその頑なさが氷解されていくっていう恋愛パターンだったのは性癖にキました。
はぁ〜、ナルミさん、無双なのがよくわかりましたよ。ただのスパダリ&スーパー攻様じゃなかったんだ…。
沙耶シリーズはこれで完結になるのでしょうか?なんだかスッキリしない感じが残っちゃって。