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dekiai shacho to kosodate sketch
今回は今や大企業の社長となった音信不通だった幼馴染と
幼い頃の事故がきっかけで妖怪が見える漫画家のお話です。
再会した2人が拾った赤ん坊を鎹に家族になるまでと後日談短編を収録。
受様は小学1年の時に池でおぼれて以来、今までは全く存在も判らなか
った妖怪が見えるようになります。見えた妖怪の話をしても家族には
心の病だとか、それまで親しかった友達から嘘つきだとか言われて信じ
てもらえません。
そんな中で唯一、受様の話を疑わなかったのが、転校してきた攻様でし
た。田舎町には不似合いな品よく大人びた雰囲気の攻様はよそ者として
遠巻きにされていたのですが、鈍い所のある受様はボール遊びの相手を
探していて偶々見かけて声を掛けて友達になった男の子でした。
攻様は男の子の好きな運動や戦隊ごっこなどにあまり関心がなく、本を
読んだり、綺麗な花や蝶を探す事を好み、荒っぽい事の嫌いで運動も
勉強も苦手な受様を馬鹿にしたりもせず、笑顔でのんびりと待ってくれ
る攻様の傍はとても居心地が良かったのですが、
受様が妖怪が見えるようになっても「受様がいるというならいる」と言
ってくれ、口下手で拙い受様の話を辛抱強くきいてくれ、図書館や本屋
を巡って妖怪についていろいろ調べて回ってくれたのです。
受様はそんな攻様に妖怪の話をしながら絵に描いて見せる時がたまらな
く好きで、攻様に上手く伝えたくて一生懸命絵の練習もしました。攻様
が分ってくれればそれでいいと思っていた受様でしたが、6年生の時に
攻様が両親の都合で遠くの街に引っ越す事になってしまい、2人は離れ離
れになってしまいます。
しかも引っ越した後、攻様の携帯電話に電話もメールも繋がらなくなり、
音信不通になります。その後、受様の家も引っ越す事になり、さらに繋が
りが亡くなっる事に打ちひしがれた受様を救ったのはSNSの存在でした。
家族に内緒で自分の絵をネットにアップし続けたのです。攻様が見つけて
くれるかもしれないと絵を描く事は楽しく、美大に通うために引っ越した
格安マンションへの帰り道で出会った狛犬たちの話を漫画にすると反響が
続き、フォロワーが増え、出版社の声掛けで書籍化され、今では専業とし
て食べていける程の漫画家になったのです。
今では一つ屋根の下で狛犬兄弟と猫又と暮らし、実家の家族達とは味わえ
なかった同じ世界を見て好きなことを思うままに語らえ、笑いあって助け
合える暮らしができてとても幸せですが、受様は自分を深く受け入れてく
れた唯一の友人を12年経っても忘れられずにいたのです。
そんなある日、受様のイラストを見たという攻様と同じ名前の人物からの
メールが届くのです。ひどく他人行儀な堅苦しい文章でしたが、そのメー
ルをきっかけに受様は12年ぶりに攻様との再会を果すのです。
攻様は上質なスーツの似合う上品で高貴な風情を醸す男になっていました
が、黒眼鏡を差し引いても柔らかて穏やかだった昔の面影はなく、北極の
吹雪並みに冷たく淡々とした声音で、受様はびっくりしてしまいます。
その上、攻様の実家は日本有数の資産家で、今の攻様は次期総帥有力候補
で東京にある支社の社長を任されていたのですが、受様に会う緊張で無表
情になっていたようです。
以降、2人は度々会うようになりますが、受様が拾った背中に羽の生えた
赤ん坊の妖怪の面倒をみるために、受様は同居する妖怪ともども攻様宅に
同居させてもらう事になります。
果たして受様が拾った赤ん坊に何者なのか!?
そして攻様との同居生活が受様にもたらす変化とは!?
妖怪が見える受様と見えないながらも受様を信じてその存在を疑わない
攻様が、受様の見つけた赤ちゃん妖怪を育てるほのぼのラブコメディに
なります♪
攻様が音信不通になってしまった事や、柔らかく温かだった笑顔を失って
しまった事には複雑な生い立ちと家族からの陰湿な嫌がらせなどがあるの
ですが、家族に理解されなかった受様が攻様を忘れられなかったように
攻様にとっても受様との思い出こそが生きる希望だったのです。
それぞれ事情は違っても家族に恵まれず、初めて出会った信頼できる相手
だった2人の繋がりはとても強いです。12年の年月を超えて再会し、その
後に2人が協力し合って慣れない子育てをするあたりが、リアリティがあ
りつつほのぼのとしてて楽しいです。
攻様は早い段階で受様への恋を自覚していて、ぽややんな受様は攻様を
微妙にひりまわしている感じも多々ありますが、両視点で進むのでそれ
ぞれの思いが見える分、キュンキュンさせてくれした♪
受様が攻様への恋を自覚し一緒に子育てを頑張っていくまでのパートと
赤ん坊の正体がわかって一悶着するパートの2部構成それぞれでワクワク、
ハラハラさせて頂きました。
最後は赤ん坊の実父達と攻様の異母兄達まで絡まり合っての怒涛の展開
で大団円までとても楽しく読ませて頂きました (^O^)/
明神先生のイラストがすごく可愛くてお話にベストマッチです♡
大企業の社長であるスパダリと、妖怪が見える漫画家である受けとで、人外の赤ちゃんを育てると言う子育てものです。
雨月先生と言うと、可愛い表紙で油断させておいて、めちゃくちゃ痛いエピソードをブッ込んで来たりする油断ならない作家さんー。
と言うイメージだったりしますが、今回はほのぼの甘々です。
攻めの境遇だったり、子育ての行方で少し切ない部分はあれど、二人の間に痛いスレ違いは無し、辛い試練も無しと、安心して読んでいただけるのではないでしょうか。
ただその分、心にグッと響く「何か」が弱くもあるんですよね。
二人がくっつくのが急に感じられるし、ラブより「子育て」がメインになっちゃってると言うか。
う~ん・・・。
その子育ての部分はすごく感動的ではあるんですけど、個人的な好みとして、ラブをメインで読みたいので。
あと、何か重要な意味があると思っていた部分に、特にオチが無かったのも残念。
えっと、攻めと件の人物が瓜二つなのって、ただの他人の空似なだけ?
ただ、甘くて優しくて可愛いお話なので、癒しを求めて読むには最高だと思います。
ザックリした内容です。
妖怪が見える漫画家・莞介。
弱ったり困ったりしてる所を莞介が助けた妖怪達と暮らし、彼等の事を漫画にしてるんですね。
そんなある日、空き地で拾ったのは羽の生えた赤ちゃん。
子育て経験も無く途方に暮れていた所、再会したばかりの幼馴染みで大企業の社長である久瀬から、同居して共に子育てする事を提案されー・・・と言うものです。
こちら、一番の萌え処ですが、二人+αのほのぼの甘々同居生活だと思うんですけど。
実は幼い頃の莞介ですが、人には見えないものが見える事で嘘つき呼わばりされてたんですよね。
家族すら信じてくれず。
そんな中、一人だけは信じてくれた久瀬。
彼の為に妖怪達をスケッチして見せるようになり、それが現在の漫画家と言う仕事に繋がった。
また、小学六年で久瀬が転校してから、離ればなれになった二人。
このほど再会するものの、久瀬は無表情と、自身の感情を表に出せなくなっていたんですね。
これには、彼の悲惨な境遇に理由があって。
で、そんな二人が同居して慣れない育児を共にする事で、心の傷を癒して笑顔を取り戻したり、家族愛まで含めたかけがえのない絆を得る。
いや、本当、この子育てと言うのがにぎやかなんですよ。
なんと、赤ちゃん自体が久瀬には見えないんですよね。
莞介には見えるものの。
そこで、様々な工夫をして「見えない子供」を育てるスパダリ攻・久瀬。
えーと、見えないけど感覚は分かる為、「今、膝に乗ってきたぞ。ヨシヨシ」的な。
ついでに、莞介は恋愛感情を自覚してない状態で、久瀬の方は最初からベタ惚れ状態。
莞介の無自覚故のモヤモヤに萌え、久瀬のベタ惚れ故の「押し倒して抱き締めたい!」にニヤニヤすると言うか。
両視点で進む為、二人の内心が丸分かりな所も美味しいのです。
あと、この後ですが、楓(赤ちゃん)の本当の親が現れます。
それがなんと、久瀬ソックリな烏天狗。
子供を浚われたと怒り心頭の彼等により、久瀬は大怪我を負い、更に楓は連れ去られ・・・と言った流れ。
このオチがですね、久瀬の心の傷の昇華とも絡めて、とても感動的なものとなっています。
子育てもの好きにとっては、すごくグッとくるオチだと思う。
ただこれ、二人がくっつくのが急な気がするんですよね。
そもそも、なんで攻めのこの言動を、受けがそう解釈するか?
エスパーか?てな感じの段飛ばしの解釈に、疑問符でいっぱいなんですよ。
えーと、久瀬の見合い話を知り、突然「マンションを出る」「逢うのもやめるっ」と言い出す莞介。
すると、「結婚はしない」と抱き締めキスしようとする久瀬。
で、「今までどれだけ我慢して来たんだろう、どれだけ苦しんで来たんだろう」と久瀬の気持ちを思う莞介・・・。
ん? 「結婚はしない」で自分を好きだと気づいたんかなと。
でも、莞介って自身の気持ちにすらなかなか気付かない鈍いキャラなのに、何で急にそこだけ超解釈なん?的に。
ここにもう一段階、久瀬の「好きなんだ」があればすんなり納得が行くんですけど。
なんか今回、こういう感じの一段階飛んでんじゃ!?って部分がちょこちょこあって、混乱しちゃうんですよ。
また、こういう部分が急に感じちゃうから、ラブが弱くて子育てメインと言う印象を受けちゃう気もするし。
あと結局、久瀬と天狗パパがソックリなのに、特にオチは無くて。
赤ちゃんが久瀬によくなついたのは、父親にソックリだったからと言う点は納得が行くんですけど。
せめて「不思議だけど他人の空似はあるよね?」くらいのフォローは欲しい。
まぁそんな感じで、個人的には萌えが弱かったんですけど、甘くて可愛くてあたたかい話なのは間違いないので「萌」です。
実はいつ購入したのか、何をきっかけにどう思って購入したのかを全く覚えていなかった本書。電子書籍リーダーの順番が来たので読み始め、読み終わってから「あら、作者が雨月さんだったのね」と気づく体たらく。
イラストがきらきらと可愛らしく、文章は読みやすい。
んで、言いたいことも良く解る。
だけど「なんか思ったのとちょっと違う」感がありまして、残念ながら私は浸れなかったのでありました。
幼少の頃から妖怪が見えるために家族にも理解されて来なかった莞介と、複雑な家庭環境故に親族からの愛を受けずに来た久瀬は、互いに『唯一無二の相手』だと感じている、というのは解るんです。
自分の目に見えない妖怪の存在を『莞介がいると言うならいるにきまってる』と全肯定してくれる久瀬……そりゃあ、孤独な莞介は大好きになっちゃうよね。
ただですね、ちょっと嫌だったのはその『唯一無二感』を力説する度に「家族ですら理解してくれなかったのに」という話が繰り返されるところなんですよ。
「わからなくてあたり前じゃん?」って思っちゃったのね。
だって、もしも私が10代の頃、弟妹に同じようなことを言われたら「はぁ?あんた何言ってんの?」って言ったと思うんですね。最大限譲歩しても「あなたが見えると主張していることは解った」とまでしか言えない。
私がこういう人間なものだから、ノリが悪かったんじゃなかろうかと思うのです。
羽が生えた赤ちゃん、楓ちゃんはとても愛くるしいですし、2人が子育てに奮闘するエピソードは微笑ましい。
猫(猫又だけど)とか犬(狛犬だけど)とか赤ちゃん(羽が生えているけど)とか、小さくて可愛らしいものが登場するBLがお好きな姐さまなら癒されるお話なのではなかろうか、と思うのであります。