お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
mitsu to tsumi
これは依頼人から金のみならず、肉体関係をも要求する外道弁護士が、
ひとりの男の弁護のために立ち上がるお話です…一見。
ええ、一見なんです…一見ね。
なにしろ、依頼人のほうが実にいわくありげな…清華で静謐、天使のような男・人見!
それでいて、高齢の男性を悉く惑わせてきたという…
妖しいまでに賢しく美しい、いわゆる年配キラー(笑)
誰がどう見てもクロと疑う状況と、誰がどう見てもシロとしか見えない容貌の被告人!
人見は罪を犯したのか否か? 遺産狙いの魔性か…それとも従順な白衣の天使なのか?
このお話、最後まで真実が明かされません。
それにしても弁護士・神流の雄弁なこと!
否、雄弁になったのは、人見と関わり始めてから…。
(↑大体ねぇ…弁護士ってのは、白を黒と言い含めるのが仕事でして…
雄弁なのは当たり前..だから弁が立つこと自体は、
しごく平凡なことだったりするんです。)
ところが人見と関わるごとに、どんどん情けある雄弁さに変わってゆきます。
限りなくクロに近い人見の過去を知るごとに、彼を弁護する言葉が溢れてくる。
いいえ…シロに近づけるために、言葉を駆使し、抱いて慰めているはずなのですが…。
そして法廷の日、見事な弁舌で人見を守るのも、彼への愛ゆえ☆
心底から愛を訴えたいときに、人間は神がかって雄弁にもなれるという、これは良い例です。
そしてもうひとり…雄弁なのは人見ですが、こちらは弁舌ではなく、存在自体が既に雄弁!
唇を震わせて儚げに俯く、従順な美貌と佇まいは…
見る者の心を、理屈抜きに動かしてしまうような、
他人の「なんとかしてあげたい心」を呼び覚ますことにおいて、実に天才的☆
甘い蜜の滴るような男の説得力には、彼の複雑な過去と…愛されたい心のなせるワザ!
人間…心底・愛を失いたくときには、神がかった説得力を身に帯びるという、これも良い例です(笑)
さて…読者をも説得しかねない二人ですが、日常の会話は少々いただけません。
だってねぇ、オヤジギャグまがいの回文連発ですから…いい男も形無しでしょ?
(↑タイトルの「蜜と罪」だって一応、回文。そしてキーワードでもあります。)
最後に、お楽しみのエロですが..人間がエキセントリックな割に、ベッドでは案外普通です(笑)
代わりと言ってはナンですが、この本…トビラ絵の2ページめが、かなりセンシュアル☆
しいら先生の、シリアスなサスペンス調作品の予感に、少し期待をしながら読み始めたんですけど…すぐに違う意味で驚かされてしまいました!
まず、敏腕弁護士の攻様が回文好きだという設定!
これがしつこいくらいの回文好きで、所構わず回文を口ずさみます(笑)
そこでふと気づいて、タイトルを見てみると…タイトルも回文!
物語を読み進めていけば、内容も回文のような作りになっている訳で…回文に拘った凝った作りには、さすがしいら先生だなあと驚かされる作品でした。
受様がシロかクロか?
疑心暗鬼させられながら、最後まで二転三転していく展開にはハラハラしながら読まされ!
まだ引っ掛かりを感じさせながらの終止符に、疑惑を残されながらも、一応は終わったんだとホッとしたのも束の間…映画のエンドロール後に流れるようなラストにゾクゾクっとさせられました。
いってしまうと面白くないし、その人の読み方によってラストをどう解釈して、その後を想像するかがこの作品の楽しみでもあると思うので詳しくは言えませんけど、
言えることは、最後まで作りが回文ということと、同じ内容なのに、最後まで読んでもう一回再読していくと、また意味が違って見える…読み手にとっても回文だった、奇妙な魅力にハマるような作品でした。
敏腕弁護士の神流(34歳)×魅惑の依頼人の人見(28歳)年の差&年上攻もの。
神流は回文好きな敏腕弁護士。
趣味は回文で、男女に構わず、依頼人に手を出す節操のなさ…と、せっかくいい男前な大人の設定なのに、口を開けば開くほど、笑えてしまうくらい残念になってくるような攻様(笑)
そんな神流に依頼してきた、美しい容貌の人見。
養父の死で50億の遺産を引き継いだけど、それに反対する親族が養父殺害の疑いをかけられ…
神流は相続問題の弁護を引き受けることに!
どんどん人見の魅惑に魅了され、惹かれていく神流。
でも、人見の過去に同じようなことが何度もあることが発覚!
さあ、人見から放たれる蜜は、罪か?そうではないのか?
人見が人のために尽くすのは、純真さからか?財産狙いの魔性の男なのか?
私の見解の中には、ただの天性のオヤジキラーか?…も含まれるんですけどね(笑)
一筋縄ではいかない人見に、神流だけでなく、読み手も振り回されてしまいます。
裁判は上手くいきすぎ感もあるんですけど、神流が愉快な攻様なので、軽快に進んでいく様は逆に楽しく、お話に花を持たせているかと⁉︎
ただ、神流の人見との将来を考えると、この先2人の関係は長くなるのか?短くなるのか?
人見の人生設計のコマだけになってしまわないか、いろいろ懸念してしまいました。
人見を愛し続け側に居続けることで、将来、神流が人見好みのいい男に変貌していくのかも気になる所でした。
この作品は『神』か『しゅみじゃない』か真っ二つに別れそうな作品です。
人見のような魔性受の評価によっても大きく変わってくると思うし、神流のような攻様も好みが分かれそう!
私のように『神』評価に近いにも関わらず、キーワードの『回文』で評価を下げてしまう方もいるかもしれません。
回文に凄いと圧倒されながらも、回文が気になり過ぎて、物語への集中を妨げられてしまったのが残念な所でした。
うまく回文を使ってはいるんですけど、どの文章も回文に思えてきてしまったんですよね(笑)
だから、そういう意味では読後感は疲れてしまったかも⁉︎
しいらワールド全開な、一味違った作品に毒されて見たい方にはオススメします。
剛作品は好きで数多く読んできましたが、こちらは「合わない」の一言です。
・・・何が?言葉のやりとりが。安直さが。
自分が回文に興味が無いからか、主人公の会話に何の楽しさか?と疑問なんです。
まだ川柳だったら風刺やうん蓄が楽しめて食いついたのに。
回文好きな女子アナさんも思い浮かべたけど、あちらは長文なんですよね。
それに、裁判でのすんなりな成り行きに、受けがシロだとする立証も(警察の人海戦術を甘く見ておられる)ご都合主義で軽く流された感が否めません。
殺人事件や裁判より、閃いたと回文に重点を置く男ってどうなの~?
回文は事件の真相にもあったりするのですが、取ってつけた様なの。
それと、上にH度“エロエロ”とあるけど、自分には「記憶にございません」位でした。
ましてや、最中にも考えていらっしゃる?相手に失礼じゃない?
タイトルも回文で、読後に回文だけが残った・・・・って感じ。
美貌でやり手弁護士、美人依頼者には体の報酬を・・・あらすじで期待しただけに残念。
殺人事件の被害者の老人を世話していた囲われ美人が犯人か?って、愁堂先生の作品を読んだばかりでした。
コレを読んで気分を害された方がいらっしゃたら、申し訳ございませんです。