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senzoku keiyaku
橘さんは作家買いをするのですが、タイトルが何やら購入を躊躇わされますね(苦笑
でも中身はひじょうに良かったです。
しまい込んでありましたが、もっとはやくに読めば良かったです。
受けの彗は、その特殊な育ちが一因で渋々女装でモデルを引き受けさせられた16歳。
攻めは有名なカメラマン、静。
傲慢でいわゆる俺様的ですが、アーティストといった点ではありかなと。
彗は女性モデルのピンチヒッターで、初めてモデルをした際のカメラマンが静でした。
目線が慧なので静の気持ちは語られないのですが、彗をさりげなく汚い業界から守る為に専属契約したりする辺りは、わかりやすく彼の内心を表しています。
最初の傲慢な感じはあまり好きではなかったのですが、それを含めての静なのだと読み終えると感じます。
ふたりのその後を感じさせるラストも、素敵でした。
ただ彗は16歳ですし特殊な事情でモデルを引き受けたのですから、マネージャーが女装を知らせられないような相手というのはあまり説得力ないかな。
ノベルズでも一段ですから、あっという間に読み終えてしまいます。
時間があまりとれないような方でも大丈夫です。
橘さんは、一作読んですっかり魅せられた作者さん。
ただし文章に癖があるので、好みは分かれるかも?だが
この作品は、あまり込み入った伏線もなく読み易いのでは?と思う。
独特の繊細な雰囲気や透明感、ひそやかに含みのある表現は、健在。
生い立ちの為にひっそりと静かに生きている16歳の少年彗は、
ある日唐突にモデルーしかも女装してーとして引っ張り出され
若きカリスマ写真家の静と出会う。
(余談だが、BLで静という名字に出会うのは二度目。
静ってそんなに多い名字なんだろうか?と調べてみたら
全国で1600人もいるらしい……なるほどw)
まだ恋もしらない固くて青い少年が、出会った男に揺さぶられながら
自分の気持ちも相手の気持ちも掴めず、
どうしていいのか分からずにいる不安定な様子がいい。
全てがその彗の視線で描かれているのに、
読者には静がどれだけ彼に惹かれているかが分かる。
でも、当の彗には分からない……
そんな微妙にすれ違っていく二人の様は、微笑ましくも甘くやるせなく
キュンとしながら読んだ。
派手でスタイリッシュな業界を舞台にしているが、淡々としたストーリーで
彼の身の上に関する事情も、最初から見当がつく。
トリッキーな伏線はあまりなかったけれど
最後に、霧が晴れるように世界が広がる感じは
いつもの橘作品の味わい。
ドラマチックさはないけれど、好きな作品でした。
「女装モデル」といういかにもBLファンタジーな設定に、
いくら華奢な少年とはいっても、無理があるんじゃないのか?
と当初は思ったのですが。
それを不思議と違和感なく、すんなり読ませてくれます。
人物の心情や状況について詳細な説明がないので、
書き込み不足と言われてしまう場合もありますが。
私は想像をかき立てられ、グイグイと惹きこまれました。
面白かったのは、彗の目線で語られているのに、
静の心情の方が分かりやすかったことです。
ここまであからさまにアピールしているのに、気付いてもらえない静が不憫で(笑)
彗はどこか曖昧でぼんやりとした雰囲気で、彼の真意がどこにあるのか分かりにくく、
またそこがとても魅力的で!静がハマるのも納得です。
多分、彗は静に翻弄されていると思っているでしょうが、
実際に振り回されてオロオロしていたのは、俺様な静の方だったと思います。
一気読みの後、何となく気になる部分があり、再読。
すると初めに見逃していた小さな伏線や表現に出会い、
さらに作品が面白くなりました。
再読すればするほど、味が出てくる作品だと思います。
攻め・静は超俺様男なんですが、その態度は類稀なき才能に裏打ちされたもので、
受けの彗はそんな静の態度にツンツンと反発しながらもカメラマンとしての静の才能に強く魅了されていくようになります。
また、静はそんな彗の被写体としての天性の魅力を大きく買い、彗に自分と専属契約を結ばせます。
最初は2人の才能同士がお互いを引き合わせたという感じなのですが、一緒に時を過ごしていくうちに、徐々にお互いの人間性に惹かれあっていくようになり…
具体的に「お互いのここが好き!」というのは明言されていませんが、読んでいて
「ああこういうところに惹かれたんだろうな」というキャラの魅力が作中から伝わってきます。
ただ、彗の抱える家庭の事情など、難関の問題が山積みだったわりにあっさりと解決したので「あっ、もういいの??(汗)」とちょっと拍子抜けしてしまいました…
でも、あんまり波乱万丈だと読んでいてつらいので私にはこれぐらいがちょうど良いのかもしれません…(^_^;)
カメラマンとモデル、俺様とツンデレ、といった関係の二人。
特別に大きなインパクトがあった訳ではないですが、読んでいるうちにじわじわと引き込まれて行く感じがしました。
男なのに華奢な体格ときれいな顔を活かし、モデルとしてカメラの前に出た彗を写していく静。
傲慢な態度の静に腹立たしく感じながら、その実力は認めざるを得ない。
仕事を通しての付き合いのはずが、静と専属契約してしまうことで、ON OFFどちらも専属とされてしまいます。
俺様だけどじつは優しくてヤキモチ焼きな静と、ちょっぴり生意気なんだけど、本当はナイーブで寂しがりやの彗。
二人の外側と中身のギャップも話を盛り上げる要素の1つとなっていました。
でも結局は甘々なんですよね~。
初読みの作家さんでした。
なんか不思議な文体でした。詩的というか純文学チックな文体。するする読めるのに頭に残りにくくて、最初はちょっと慣れるまで苦労しました。リズムを覚えたらサクサク読めましたが。
女装モノというんでしょうか。モデルとして働いてる主人公なため、物語の大半で女装してます。
この主人公が、とにかく鈍かった!
最初は代打としてしぶしぶ引き受けたモデルの仕事なんですが、カメラマンをしてる攻めと出会い、彼に男であるという弱味を握られて、専属契約を結びます。
身体を重ね、モデルの仕事をし、どんどんそのカメラマンに惹かれていく主人公。
生来の無口さにくわえて、鈍感すぎる性格のため、カメラマンがあからさまに見せている愛情を、まったく理解できてません。もどかしいというか焦れったいというか、いい加減にしろというかw
途中から『誤解さえ解ければ大円団』というのが分かるので、予定調和的な結末になってしまいましたが、それでも面白かったです。
不思議な魅力のある作品でした。
女装モノ切ない系。
イラスト綺麗です。
彗は有名女優の隠し子であるため、普段からあまり目立たないように生活していたところ、母親たってのお願いでモデルの代役をすることに。
しかもモデルは女性限定。気乗りしないまま母親に逆らえず女装をする羽目になってしまいます。
落ち着いた文体なのでノリ系とは違う雰囲気のある話です。
そして出会った傲岸不遜な若手実力派のカメラマンと運命の出会いを果たすのですが・・・。
彗は、16歳。世慣れしないナイーブな少年という感じです。そんな彗に手を出して本気にさせた竜之介は、はっきり言って悪い大人ですw
手出したからにはしっかり責任取りなさいよっと思う私もすっかり汚れた大人ですので、彗のナイーブさが多少なりと欲しいかも?
う~学生の頃読んでいたら違った感想を持ったかもですが、彗のナイーブさはネガティブ系でジレンマも。
性格ですかね。切ない系のストーリー仕立てですが、彗自身の思考によるものが大きいです。もっと明るい子だったら全く別の話になっていたことでしょう。
しっとりした綺麗な印象のあるお話です。
有名カメラマンx素性を隠している美少女モデル、のカップリング。
美少女?
いやいやBLだから。つまりは女装した少年なわけで。
あらすじでバレてるんだけど、この少年・彗(すい)は有名女優・小夜子の隠し子。
業界の有名カメラマン・静竜之介と小夜子と同じ事務所所属のモデルとの撮影があったのだが、モデルが怪我をしてしまい。
小夜子が彗を呼び出して美少女として代役をさせる…というところから物語は始まります。
尊大な静に反発しながらも気になって仕方ない彗。
また女装してでも、と静との仕事を受けるのだが、その打ち上げの後、枕営業と勘違いした静に半ば無理やり…
男とバラされたくなかったら、と脅しのように「専属モデル契約」を結ぶ彗。
読んでいると、静は俺様ではあるけれど十分彗を大事にしてる。一方彗の方はどんどん静を本当に好きになっていって、しかし静は自分を被写体としての興味で抱いているだけだ、なんて勝手に誤解してグルグル。
このすれ違いloveがテーマの作品なのかな?と思いつつ、どうもピンとこない。
他にも色々乗り切れない部分がありました。
例えば、本文内では彗は必死に小夜子の息子である事を隠しているのに、あらすじでサクッと書かれてしまっていること。
彗のマネージャー・新庄が彗が男と知らない事、それより彗に枕営業させようとしている所。小夜子と同じ事務所なんじゃないの?彗は16才なんだよ⁉︎
16才って事を考えると静が彗を抱くのもどうも…
あとは、ラストがどうも分かりづらい。
雨の中を走る撮影の後、喉に違和感があって…という前振りがあって、何よりも写真第一の静に対して、被写体として役に立たなくなったら終わりと落ち込む彗。
翌日から誰とも口を利かない彗が静の家から荷物をまとめて出て行こうとする…
なぜって結局「声変わり」が起き始めたため、というオチ。
ここがなんかよくわかんなくて、え?なんで風邪引いて別れるわけ?なんて思ってしまった。
年の差BLとしてもすれ違いBLとしてもイマイチ…だったんだけど、その後はちゃんと恋人として収まったようなので…「萌」で。