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ai wa reizouko no naka de
22歳の意地っ張りな新米教師と、25歳の口は軽いけど男前な天文学の研究者の恋のお話。
自然であたたかくてきゅんとなる、素直にいいなあって思えるお話でした。
内容はスタンダードなんですが、出会いから恋人になるまでの葛藤をじっくり堪能できます。本編1作に番外編2作が入っていて、1作のボリュームは多くないはずなのに、すごく充実したお話でした。
主人公で小学校の新米教師の葉月は、学校の高等部の寮に入っています。
舞台はほとんど寮なんですが、お相手の飛島は臨時職員として寮にやってきた天文学の研究者。
学校では小学生に囲まれて、寮では新米だからと高校生に可愛がられて、なかなか賑やかなお話でした。
葉月は流されやすく、人に合わせる生き方をしてきたせいで何がしたいかわからない人間です。前の彼氏に影響されて教師になったのに、別れてしまうと教師になってよかったのだろうかと悩み、ちょっとうだうだしてるんですが、意地っ張りで騙されやすくて、寮でも教師なのに皆から愛され、可愛がられてるのが納得できます。
飛島は最初の出会いはナンパで、口も軽くて調子がよくてスケベって感じなんですが、これがなかなか男前でした。
失敗つづきの恋愛で恋に臆病になっている葉月を強引に捕まえるでなく、引っ張っては離れ、引っ張っては離れを繰り返し、葉月が恋に到達するまで待っていてくれます。
でも最後に背中を押してくれるのはやはり生徒たちなのですが^^;
最後、飛島が寮の皆に「葉月をよろしく」と言ってでていくのもよかった。みんなが家族みたいな作品でした。
「自分にぴったりの相手を見つけるのは朝飯前。本当の自分でない自分を演じてさえいなければ」というセリフがあるのですが、とてもぐっとくるセリフでした。
いい子にしようと人に合わせることで生きてきた葉月は、お陰で今まで何も得られてこなかったのではないかと悩むのですが、そうでないと前を向かせるセリフでなんです。
それと、個人的にプラネタリウムや星座が好きなので、それをテーマにしているのも楽しかったです。
この作品、スピンオフだったのですがそうとは知らず…。けれど単独でも楽しめると思います。
ですが前作のキャラも出てますので、両方読もうと思っている方は時系列的に前作を先に読むほうがよいかもしれません。
『階段の途中で彼が待ってる』で、詳細はともかく当て馬だった飛島(攻)をメインにしたスピンオフです。
前作のレビューにも書きましたが、私は飛島が好きではないんですよ。ダイキライ!イヤなヤツ!ではまったくないんですが、少なくとも好みのタイプとは違います。
ただ、そのわりにすんなり読めましたね。
飛島と葉月(受)の組み合わせがよかったのかな?飛島はあちらではただ鬱陶しかったのに(当て馬だからじゃなくて、キャラクター・存在自体が)、こちらではそうでもなかったかな。それでも好きとまでは行ってませんが。
葉月は・・・松前さんの好きそうな受キャラクターだなあ、という感じでした。私はわりと好きです。
トータルでは、前作よりずっとよかったですね。ストーリーや雰囲気は結構好きです。
そして、やっぱり山田さんのイラストが可愛くて素敵です。