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kenakudatta bokutachi no honeymoon no subete
著者のペンネームが、個性的。
アイオーンとは、 αἰών, aiōn で、古代ギリシア語で「・・の時代や世紀」といった意味。
先に読んだ「・・伯爵はこの結婚をあきらめない」が、
ほどほどに面白かったので、著者の前作も購読。
この作品のほうが、起伏の山が在って面白い。
文章の歯切れが良くて、進捗テンポも良い。
冒頭は、見合い結婚に至るまで。
伯父が持つ不動産の一つが、莫大な課税対象物件になる。
税金対策として政略結婚の見合いを秋人に親代わりの伯父から命じられる。
そして見合い、転居、結婚、ハネムーン・・樹は勝手に進めていた。
勝手に入籍手続きをした樹は、
「ハネムーンが終われば別れてやる」と秋人に言う
新婚旅行に行く二人。
BLというより、旅行記、読みながら、行った気分になってしまう。
日本➡ジブラルタル➡乱気流のため予定変更。モロッコ➡スペイン・・と、観光地を巡る二人。
秋人は国内旅行も経験がないので、未知の海外旅行先で、スリに逢ったり、暴行未遂に遭ったり災難続き。
色々あって、見合いに応じた理由を知って、理解が深まる。
帰路の機内では手を綱いで・・別れる訳がない。
無理矢理新婚旅行とか、暴走溺愛攻めに惹かれて購入です。
で、こちら、デビュー作との事ですが、とてもそうは思えない完成度の高さでした。
こう、しっかりしたストーリーに、瑞々しい情景描写、そして王道の萌え!
いや、インタビューからドタバタ系のラブコメを想像してたんですよね。
それが、じっくり丁寧に読ませてくれる、あたたかい感動作でもあって。
終始、主人公である受け視点で進むのですが、他人だった攻めと恋人では無く、家族になると言うのにグッと来ちゃうんですよ。
彼の背景とかを知ると。
まぁそうじゃ無くとも、旅を通して変化して行く二人の関係に、単純に萌えちゃって仕方ないですけどね。
これは確かに暴走溺愛攻めだわ。
そして、何だかいじらしいわ。
ザックリした内容です。
親代わりの伯父の命令で、強制的にお見合いさせられた秋人。
どうも相手も結婚する気は無いようで、破談にして貰えそうととりあえず話を合わせたんですね。
ところが、二週間後ー。
何故か勝手に籍を入れられ、更に無理矢理新婚旅行に連れて行かれー・・・と言うものです。
まずこちら、主人公になる秋人ですが、ちょい鈍感な美人。
えーと、何だろう。
ごくごく普通の等身大の青年なんですけど、育ちの良さからどこか無防備と言うか。
で、そんな彼と強引に結婚するのが、暴走溺愛攻めの樹。
彼はですね、実は最初のうち、結構イヤなヤツだったりするんですね。
そもそも見合い当日、したり顔で「話を合わせろ」とこっそり言って来た為、秋人は破談にしてくれるんだと思い込み、「(結婚相手は樹で)問題ありません」的に言ってしまった。(法律で同性婚が認められていると言う設定です)
それが、気がつけば籍を入れられ、自宅アパートは解約されと、樹の元に行くしかない状況にされてしまう。
当然、秋人は混乱して怒るワケですが、逆に「合わせすぎだ! 勘違いしただろ!」とキレられる。
更に、終われば別れてくれるという条件で、ハネムーンに無理矢理連れて行かれるー。
いやもう、主人公と共に、何だこいつ!?ですよ。
えっ!? どのあたりが溺愛?ですよ。
まぁそんなワケで、最初こそ攻めにイラっとくるんですよね。
そして、設定が強引すぎるんじゃないかと違和感を覚えるんですよね。
が、上手いのがここから!
ハネムーンに出た二人ですが、ジブラルタルに着くはずが、悪天候からモロッコに降ろされてしまう。
で、目的地を目指して陸路を移動して行けば、荷物を盗まれたり、ストで足止めをくったり、迷子なったりと、もう次々アクシデントに巻き込まれるんですね。
これな!
秋人は海外旅行自体が初めてで、ハッキリ言って平和慣れした甘っちょろい日本人なワケです。
格好のターゲットです。
で、アクシデントが起こる度に、そんな彼をフォローしてテキパキ解決に向け動いてくれる、樹が格好いいのです。
いや、ありがちではあるのですが、近い距離で一緒に過ごし、共にアクシデント乗り越えて行く事で、二人の絆が育って行くと言う、この部分が萌える。
また、アクシデントばかりではなく、あたたかい地元の人との出会いや、美しい景色に感動するー。
そんな素敵なエピソードも盛り込まれていて、いや、何だろう・・・。
こう、読みながらどんどん引き込まれていっちゃうんですよ。
あと、個人的ツボだった部分。
秋人ですが、しつこいですが鈍感です。そして無防備です。
これ、秋人視点で進みますが、樹が秋人に惚れ込んでる事は、早い段階で読者に丸分かりなのです。
こう、予期せず秋人と間近で顔をあわせれば「おまえの目は宝石か?」みたいな。
これ、口説こうとして言ってるのでは無く、思わず漏れちゃった本音って所にニヤニヤしちゃうんですよ。
この後も、目の前で着替えを始められては慌てまくり、服が無いから裸で寝ると言い出されては、強引に自分のTシャツを着させる。
好きな相手が自分を全く意識してないって、地獄だね。
振り回されてて、気の毒ながら笑いが止まらんがな!と。
と、こんな調子で距離を縮め、樹に次第に惹かれてゆく秋人。
しかし、この旅の終わりが、二人の別れなんですね。
更に、樹が列車事故に巻き込まれ、生死不明の事態に・・・と続きます。
これ、繰り返しになりますが、最初の結婚自体が、やや強引に感じたんですよね。
何故、樹がここまでグイグイ来るのか的に。
が、ここに来て明かされる、秋人が忘れていた過去ー。
いや、これにより、全てに合点が行くんですよ。
なるほどね!と、ニヤリとしちゃうと言うか。
また、これを踏まえて、これまでの樹の行動を鑑みると、もうすっごい健気で一途でグッと来てしまう。
あのお見合い時、樹は秋人も同じ気持ちだったんだと、とても嬉しかっただろうなぁと。
確かに暴走気味だけど、それも一途な愛のなせるワザだったのねぇと。
いそいそと結婚する為の手続きを済ませる樹を想像すると、微笑ましくなるし、迎えた秋人から拒否られた彼の気持ちを考えると、何だか切なくなってくる。
秋人、実は酷い男じゃないかよ!
ちゃんと覚えててあげてー!!
まぁそんな感じの、笑いあり、切ないあり、感動ありと言った、とても素敵な作品でした。
ちなみに、二人の初エッチですが。
暴走溺愛攻めと言う冠に負けぬ、樹の暴走ぶりに笑いました。
「乱暴にしないって言った!」だの「ゆっくりって言ったのに!」だの、泣きを入れてる秋人が可愛すぎて悶絶しましたよ。
まぁ、念願叶ってだもんね。
押さえが利かなくても、仕方ないよね。
親代わりの伯父の命令で見合いをしなければならくなり、出向いた先にいたのは男。相手も乗り気ではないと勘違いして、話を合わせて過ごしたら、数日後婚姻届が出されており、強引に引っ越しまで。。。
挙句の果てに、新婚旅行から帰ったら離婚届を出すからと言われ、渋々ハネムーンに。
両親を早くに亡くし、伯父に引き取られた秋人にとって頼れる誰かを欲する気持ち、幼き頃に約束した結婚をずっと夢見ていた樹。
最初は強引過ぎて、少し引いてしまいましたが、早いうちから樹の優しさが描かれており、喧嘩もありましたが、その度に秋人が樹の強さや優しさに触れ、心を許していくストーリーが、とても心地よかったです。災難も何のそのという樹が心強い!
また、危なっかしい秋人ですが、小さい頃から習っていた居合いや茶道により、いざという時に、自分を守ることができるのも、ナヨナヨし過ぎないで、好感が持てました。
海外の知らない土地を舞台にしているので、話の流れは予想できても、どんな出来事があるかは想像できず、ドキドキしながら読めました。美しい情景や、旅でののんびり過ごす1日など、読んでいて羨ましくなります。
この時期だからより楽しめる一冊なのかなぁと思います。
ものすごく最悪な旅行かと思いましたが、タイトルほど険悪というわけでもなく、険悪な関係で始まった新婚旅行がトラブル続きのなか少しづつ距離を縮めていくという感じでした。
<あらすじ>
不動産会社に勤める鷹束秋人(受け)は早くに事故で亡くした両親の代わりに自分を育ててくれた伯父から突然見合いを強要されます。
しかし、当日現れたのは伯父の大学時代の友人の息子であるという深山樹(攻め)という男。
相手が男だと知らなかった伯父は当然激怒。
その場は適当に話を合わせて帰り、そのまま話は流れてしまうものだと思っていたら、2週間後には勝手に引っ越し手続きが取られ婚姻届まで提出されていました。話の展開が読めないうち、そのまま脅されるように新婚旅行に行くことになってしまったのです。
見合いの時の好青年ぶりは何処へやら、常に不機嫌な様子で説明もしない樹の態度に腹を立てた秋人はうんざりするのでした。
と、険悪な様子で始まるのですが、トラブル続きでそれどころではなくなります。
悪天候のため到着する空港が変わったことからはじまり、海外旅行が初めての秋人はことごとくトラブルに巻き込まれてしまうのです。
そのたび、旅行慣れしている樹に助けられます。
初めは樹の態度に腹を立てていた秋人も、思っていることを樹にぶつけ歩み寄るようになってからは、比較的穏やかに(トラブルに巻き込まれながらも)旅を続けます。
秋人視点ですが樹が秋人のことが好きなのは最初のほうから丸わかりです。
でも、秋人はすごく鈍感なのです。
作中何度も樹が「好きだ」と言いますが、家のために我慢してるのかなとか、人間として好きだってことかなとか、優しいなというようにことごとくスルーしてしまいます。
さすがにちょっと樹が不憫になりました。
それと同じようなことが秋人の伯父さんにも言えると思いました。
ちょっと不器用な伯父さんのようだったので、秋人のことを大事に思っていただろうに、秋人はそれに気が付かず好かれていないと勘違いしていたようです。
秋人が押し黙ったり考え込んだりするとお腹減ってるといろんな人から勘違いされるのが面白かった。
旅慣れない秋人を引っ張っていってくれる樹をいつしか好きになるのですが、秋人が樹を好きだと気付くのはちょっと唐突な感じがしたし、吊り橋効果のような気がしないでもないし、家族が欲しかっただけなのではと思わないでもないですが、すごく一途でストーカー一歩手前な樹の愛情を一身に浴びるのは愛情不足だった(受け取るのが下手だっただけでそこそこ愛情込めて育てられていたと思う)秋人にはちょうど良いのではないかと思います。
ただ、最後の列車事故に関してはちょっとわざとらしかったように思いました。
ストライキでいつ次の列車が出るかわからないからといって、とりあえず今買えるチケットを一枚だけ買ってあとから追いかけるって、後で合流するのに先に向かわせる意味がわからない。
領事館でのエピソードを入れるためにわざといれた感じがしました。
一緒に事故にあって片方の行方が分からないとかの方が説得力があったんじゃないかな。
秋人がかなり天然な箱入り息子だったので、秋人視点しかなかったのはちょっと残念だったかも。
樹からみた秋人はすごくあぶなっかしくて一緒に旅をするのは大変だったんじゃないかと思うのです。ちょっと目を離すと怪しいカフェに誘われるは、スリにあうは、襲われるは、ナンパされるは、自分の恋心ちっとも気づかず裸で寝ようとするは・・・
一生懸命面倒見る樹視点、絶対面白いと思うのですが・・・
昨日作者さんの最新作を読んでハマりこちらも読んでみました。
ハネムーン日記ですかね?
それにしても樹の一途さや暴走にびっくり!
こんなに長年計画立ててたのに一気にたたみかけるように押し切って、まず話し合いなよ!
誤解の同意?であっという間に入籍新居へ引っ越し明日の朝からハネムーン!え?パスポートは?仕事は?とついていけない秋人。
樹もびっくりで。ええ?秋人が同じ気持ちって言ったのは…?
険悪なままハネムーンへ出発ですが、樹は態度悪いし旅行の説明すらしないし横暴だし怒ってばかりですが、理由がわかると…(泣)
なぜ確認しない?なぜ話し合わない?
いやいや、マイナスから秋人は樹を知って好きになって。
樹には好きな人がいるのに…なぜ僕と?は最新作と似てますね。
秋人が旅行にほとんど行ったことがないからか、油断しすぎ!でもいきなりの海外旅行、しかもハネムーンでバックパッカー旅はハードル高いですよね。
でも年齢、旅行ルート、ハイライトと樹が全部約束守ってる〜!
旅行記としてもBLとしても楽しめました。
樹の苦労に萌2で。
Aion先生の最新作が好みだったので、こちらも手に取りました。
受様の秋人は、両親を亡くして引き取ってくれた伯父に頼まれてお見合いをする事に。
そこに現れたのが、攻様である樹。
樹もお見合いを断れないだけなのでは、と樹の話に合わせていたらば、知らぬ間に婚姻と引越しが終わっていて、翌日には新婚旅行のスペインへと旅立つことに( 'ω')
のっけからジェットコースターのように、怒涛の勢いで進む展開。
秋人視点で進むので混乱しかないし、なんというゴーイングマイウェイな攻様かよ、ちゃんと意思疎通しなきゃ。
スペイン着のハズがモロッコに着陸したり、迷子になったり、襲われそうになったり、ナンパされたり。
と、旅行あるあるなトラブルを全て経験することになる秋人。
その度にハラハラするけど、樹が助けてくれて、2人の距離が縮まって。
どうやら、最初から樹は秋人の事が好きだよな、とは感じてましたけど、そんな子供の頃の約束が始まりだったとは。
思い込みは激しいし、執着心は強いし。
でも、秋人の事が大好きで、愛したいし優しくしたい(≧▽≦)
樹が健全なので、健気と言えるのかな。
1歩間違えたらストーカーだけど。
それにしても、先生インドア派だと書かれてましたけど、スペイン旅行の経験はあるのでしょうか。
とってもスペインの魅力が溢れた新婚旅行でした(*^^*)
初めましての先生でしたが旅行気分満点で面白かったです。最後は王道っぽかったけど、ところどころに挟まる「狂ったスパダリ(担当さん命名)」話が面白かったので萌にしました。本編270pほど+あとがき。
幼い頃に両親を亡くし、伯父一家の下で育った秋人。反りが合わず距離を置いていたのですが、ある日呼び出されたと思ったら「見合いしろ」といきなり言い出し・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
受けの伯父(厳格なタイプ)、攻めの父(陽気)、旅行先の関係者複数です。受けの伯父めっちゃ好き。
**面白かったところ
モロッコ~マラガ~グラナダ~バレンシア~バルセロナとバックパッカー旅行する気分満点です!フェリーに乗りバスに乗り列車に乗り、行った先で交渉して宿を見つけて。攻めが何年か前に旅したルートであり旅慣れているから出来るようなもので、到底ラクチン旅行じゃないです。体力勝負で、ちょっとひょろっちい受けはひーひーですよね、途中休憩しつつ頑張ってました。荷物は全部盗られちゃうわ、変な輩に襲われるわ、ナンパされるわ、本当にありとあらゆる事が起こるので、「ああ、海外旅行!」という感じで楽しかったです。
受けはどうやら「白魚の妖精(攻めの妄言・笑)」と見紛う美貌のようですが、本人自覚なしのやや天然。それより攻めの方が面白かったかな。最初は全く分からなかったのですが、「ああ、なんか分からんがこいつ最初からベタぼれやな」と感じられる言動がちょこちょこ出てきて楽しいです。一途すぎてちょっとおかしくなってるスパダリさんですので、担当さんが「狂ったスパダリ」と命名したのは座布団一枚差し上げたい気分です。
お話読んで旅行気分を味わえるのと、ちとおかしいスパダリさんのお話がお好きな方でしたら、おススメしたいです。叶うなら、どう考えても溺愛しているであろう伯父さん視点のお話なんかを読みたかったですが、とにかく楽しいお話、有難うございました!
今回は地元で有名な建築会社社員と大手不動産会社社員のお話です。
攻様の勘違いから籍を入れられた受様が攻様の伴侶となるまで
受様は幼い頃に両親を亡くし伯父に引き取られます。母の実家は名家で
受様は不自由なく暮らしますが、元々妹の結婚に反対していた伯父は
妹夫婦の生き方を認めず、受様に厳しく接して育てます。
受様は大学を出て大手不動産会社に就職、伯父に感謝しつつも家を出た
事で伯父と程よい距離を保っていましたが、とある休日に突然「見合い
をしてもらう」と呼び出されるのです。
なんと実家の所有地に隣接する自然公園が世界遺産に認定されて諸税が
跳ね上がり、このままなら遠からず破産するまでの問題になっていた
のです。その対抗策として土地の有効活用を試みたところ地元の建設会
社が好条件を示してきます。
その会社は幅広く面白い仕事を引受ける新進気鋭の企業として有名です
が、その会社社長と伯父には何やら因縁があるようです。しかも相手側
が唯一出した条件が身内同士の婚姻で、伯父の子供達は結婚が決まって
いる事から受様に白羽の矢が立てられたのです。
伯父は政略結婚には不本意でも甥を身元の確かな人物と結婚させる事に
は乗り気な様で、受様には相手も乗り気でない事を願う事しかできませ
んでした。
ところが見合いの日に現れたのは、意志の強そうな瞳のスーツを纏った
美丈夫だったのです!! この見合い相手が今回の攻様になります♪
攻様は受様に「ひとまず話を合わせろ」と囁いてきて、受様は攻様も
断れない事情が有って結婚する気はなのだと確信するのです。
伯父は大激怒しますが、攻様の父親は法律改正によって同性婚も認め
られるようになったのだから問題はないし、攻様は一押しの次男だと
太鼓判を押してきます。
受様は攻様も自分と同じく断れない事情が有るのだろうと攻様に合わ
せて見合いを進めます。最後には攻様が協力してくれた事に感謝して
別れます。
しかし見合いから2週間、受様は元の平穏な日々を過ごしていました。
ところがそんな受様の穏やかな休日は引越し業者の来訪で激変します。
なぜか攻様が受様の引っ越しを依頼していて、物件オーナーからも
成婚で退去の手続きをされている事と告げられた受様は渋々ながらも
作業を進める支持をするしかありませんでした。
そうして怒りをたぎらせつつ業者に連れられて向かった一軒家では、
攻様が晴れやかな顔で待ち構えていた上に「少し強引に進めたけれど
今日からよろしく」と薬指に指輪をはめられてしまうのですよ(笑)
受様は攻様に引っ越しと指輪の意味を訪ねます。攻様は受様の伯父が
先週縁談は取消すと脅してきたので、邪魔される前にと早急に籍を
入れて引越しを手配した上に、新婚旅行の手配までしていたのです!!
攻様は受様が攻様の話に合わせた言動をした事を、受様もこの結婚話
に乗り気だと勘違いしての事でした。しかも身内だからと受様の有給
申請もパスポート申請も押し通していた攻様は、逃げ腰な受様に籍を
抜く条件として旅行の同行を迫るのです。
キャンセル代は受様のボーナスが吹き飛ぶ額で、不本意ながら受様は
攻様と旅立つことを決意します。
果たしてこんな2人の新婚旅行の顛末とは!?
意に染まない見合で出会った攻様に強引な入籍をされて、新婚旅行に
連れ出された受様の新婚旅行中の出来事がつづられたドタバタラブ
コメデイになります♪
ショコラ文庫は新人さんも積極的にデビューされていますので、私も
面白そうな設定やツボそうなカップリングの時は買ってみています。
本作もAionさんのデビュー作になりますが、ショコラHPのあらすじ
紹介の「勘違いで右往左往するラブコメディ」設定が面白そうでした
し、受様にゾッコンな攻×天然の受の組み合わせもツボだし、特典
ペーパーがつくアマゾンでポチッ♪
攻様の真意も知らずにハネムーンに連れ出されて振り回される受様と
一緒にハラハラ&ドキドキさせて頂きました。
受様は自分が嫌がっているから相手もそうに違てない的な思い込みか
ら、攻様の真意は判らないながらも見合いの席では話を合わせます。
しかし実は攻様は受様に惚れていて、受様との結婚に向けて見合を
お膳立てしたのも攻様でした。そこで受様が攻様に協力的な言動をし
た事から、受様も結婚を喜んでいると勘違いしてしまうのですよ(笑)
2人とも思い込みが激しすぎると思う (ӦvӦ。)
旅の目的地はスペインなのですが、悪天候からモロッコに降ろされ
た事から2人の旅は、当初の予定の正規ルートから外れてしまい、
トラブル三昧の旅と化してしまいます。
トラブルの犠牲になるのは旅の目的地すら知らされない受様でそれ
を臨機応変に助けてくれる攻様という感じでお話は進むので、受様
の恋はちょっと吊り橋効果的な感じがしましたが、それもまた王道
ですし、旅程で起こる悲喜交々はとても面白かったです。
但し、個人的には攻様は受様に対する余裕とか甘さとか優しさが
足りないので"スーパーなダーリン"にはもう少し修業が必要かなと
思いました。
今回は本作同様、旅の過程で恋を育むお話でくもはばきさん
『ガンダーラにはまだ遠く』をおススメとしてみますね。
デビュー作とのこと。
あとがきによれば『当初、ページ数を大幅に超える量を書いてしまい(後略)』との事でしたが「ひょっとしたらそっちも面白いんじゃないか」なんて思ったり。
だって、すごく読みやすい文章なのですもの。多分、長くても無理なく読めたと思うのです。
そして、もう少し2人の関係がゆっくり動いて行った方がもっともっと共感できたんじゃないかとも思うのです。2人の旅を覗き見るのはとても楽しかったものですから。
政略結婚だと信じてお見合いをした秋人は(あ、同性婚が認められている設定です)お見合い相手の樹も、親の都合で仕方なくお見合いをしていると思い話を合わせていたら、自分が知らないうちに入籍されスペインへのハネムーンに行く羽目になります。
何でこんなことになってしまったのか、樹は全く説明してくれずに常に不機嫌。秋人には何が何だかまったく解らないまま、帰ったら籍を抜く約束だけをして2人は旅立ちます。
で、面白いのはこの道中に『いかにも起きそうな旅のハプニング』が次々と起きること。
そして、樹は学生時代バックパッカーとして豊富な旅行系経験があるのに対して、秋人は習い事として居合とお茶をしているという、どちらかといえばインドア系の人であること。
旅に不慣れな秋人は、パスポートも含めた荷物を盗まれるわ、路上で物売りに取り囲まれるわ(これ、私も経験があるので寂しい苦笑いを浮かべてしまいました)、次々とナンパされるわ、乱暴されそうになるわで大変な目に合うのですが、その都度、樹に助けられたり落ち込んでいる気分を上げてもらったりするのですよ。
「あー、樹みたいな人と旅行してみたいわぁ」と思わせてくれるんですね。
これがとっても楽しいのよ。
秋人が幼い頃に両親を失っていることや、ガウディに憧れていて本当は都市開発の仕事に就きたいと思っていること、誰かが教えてくれた『動揺した時に気分を落ち着かせるためのおまじない』を今も行っていること等々、あちらこちらに何気なく出て来るエピソードも綺麗に回収されて、気分よく読み終われました。
でも、あまりにも綺麗に終わってしまったので、逆に損をしているかもしれないとも思ったんですね。デビュー作によくある『熱さ』とか『青さ』とか『暴走するもの』がないと言いますか。
大層楽しく読めますし、繰り返しになりますが、何よりストレスフリーな読みやすい文章を書かれる作家さんだと思いますので、またこの方のお話を読みたいと思うのです。
ショコラさん、次作を、是非!
親(片方は伯父)同士の政略結婚のお見合い。
受けの秋人は反対でしたが話を合わせることに…。
そして攻めの樹の勘違いから(偽造加工して)籍を勝手に入れられます。
更には引っ越し、新婚旅行も勝手にされます。
受けは1mmも悪くありません…。
(樹が強行突破した理由は過去の出来事に関わってますが…。)
また樹は最初、態度がすごく素っ気ないですが、半裸の受けを見たときにボソッと「白魚の妖精か?」と言ってしまうところが面白い。
だんだん優しくなっていき、愛着の湧くいいキャラしてます。
受けは普通の美人系?で、どちらかというと攻めのキャラが印象強いです。
新婚旅行はスペインだけのはずが、トラブル続きで二人は何か国にも行きます。
日本滞在は冒頭と最後の数ページだけなので、珍しい本だなぁという感じです。
全体的にハプニングが多く、国の描写が大半で甘さに浸ってる余韻はなかったです。
ちなみに本番エッチは最後に結ばれた時のみ。
最後に、伯父は秋人を大切にしているのに頑なに「違う」というのが少しモヤモヤが残りました。