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boku no heart wo meshiagare
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
しっとり読ませてくれる作風が好みで、作家買いしています。
今回は、祖父のブーランジェリーを継ごうとする主人公と、そんな彼を自分なりの方法で支えようとする攻め。
しかし、とある誤解から主人公は攻めに反発し・・・。
と、いったお話になります。
これ、私の感覚がズレてる気もしますが、ややシリアス寄りな気がします。
と言うより、主人公が悩み、迷う様が丁寧に綴られる為、どちらかと言うと重い雰囲気に感じるんですよね。
作者さんはシリアス度低めで、わりと穏やかなお話だと書かれてるんですけど。
いや、う~ん・・・。
主人公がわりと思い悩むタイプな為、そう感じちゃうだけなんかなぁ。
穏やかで甘いシーンも、確かに多いんですよね。
とりあえず、グルグル思い悩む主人公が若干鬱陶しく感じる部分もあるんですけど、全体的には好みのお話でした。
内容ですが、年上の幼馴染みで実業家・西城×修行中のパン職人・和海による、主人公の成長がメインの再会ものでスレ違いものになります。
最愛の祖父を亡くし、修行先であるフランスから帰国した和海。
唯一の身内で、パン作りの師匠でもある祖父の残したブーランジェリーを、継ぎたいと望みます。
しかし、店は買収されていて、しかも買収したのは兄のように慕っていた幼馴染みの西城でー・・・と言うものです。
こちら、両視点で進みます。
その為、西城が店を買収した真意も、もう早々に明かされます。
実は和海の祖父で店のオーナーである和仁から頼まれ、まだまだ未熟な和海がちゃんと店をやっていけるよう、経営者として優秀な西城に託されたんですね。
まぁそんなワケで、信頼してたのに裏切られたと反発する主人公に、誤解を解かないまま、彼がオーナーとしてやって行けるように様々な手助けをする攻めー。
って感じになるんですけど。
これね、西城が不器用なんですよ。
和海の為に個人で店を買収し、彼がちゃんと店をやっていけるよう、経営から技術から教え込む。
しかも誤解を解かずと、悪役のまま。
実の所、なぜ誤解を解かないのか(読んでも)よく分からないんですけど、彼の不器用な愛情には心を打たれて。
こういう気の毒な攻めに、やたら肩入れしたくなっちゃうのです。
また、和海が強く反発する理由ですが、西城の事を無自覚に幼馴染み以上として見てるからだと思うんですよね。
だからこそ、より裏切られた思いが強いんだろうなぁと。
ここから西城に導かれ、別の店での研修に、祖父のブーランジェリーの新オープンの準備と奮闘する和海。
少しずつわだかまりが薄れ、西城と以前のような親しい関係に戻って行くんですね。
そんな中、フランスの修行先の師匠から、再びフランスに来ないか誘われ・・・と続きます。
こう、仕事で小麦畑の視察に共に出掛けたり、新商品の開発に没頭する和海に、そばに居て見守る西城みたいな、穏やかで優しいエピソードなんかが萌えるのです。
特に視察旅行では、お酒に酔って眠っちゃった和海に、思わずキスしてしまう西城が可愛いですしね。
ただ、個人的に引っ掛かった部分。
主人公である和海が、グルグル思い悩む事が多いのです。
ちょっと鬱陶しい。
あと、とある誤解から、フランスに来いと言う誘いに乗ろうとする。
う~ん・・・。
これまで懸命に祖父の店を残す為に頑張って来たのに、色恋沙汰で投げ出そうとするのはどうなのよ?と。
祖父の店に対する思いは、そんなに軽いものだったんかーい!と。
いや、辛いのは分かるんですけど、ここでの和海には共感出来ないんですよね。
好みの問題ですけど。
そんな感じで、ちょっぴり引っ掛かる部分はあるのですが、全体的には好みの作品でした。
あと、表紙裏のあらすじと、本編とで、攻めの名前の漢字が間違ってます。
校正さん、頑張って!!
あらすじは他の方が書いてくださっているので割愛。
和海のパン作りに対する姿勢が真摯で、好感が持てました。
また西城と和海が初めて出会った時の話などもあり、西城と和海が相手を意識するまでの描写などとても丁寧で楽しめました。
周りの人物もいい人達ばかりで、特に同僚の紗々也は性格がサバサバしていてプライドを持って仕事をしているところがとても良かったです。
個人的には彼が一番好きなキャラでした。
以下、読んでてもやっとした事。
まず西城は格好良いし良い人なのですが、いくらなんでも誰にでも嫉妬のしすぎで段々読んでいくうちに幼稚に見えてしまいました。
それがなければ過去の話から現在もとても好感のもてる素敵な男性で紗々也と同じくらい好きだったのですが。
そして読んでいて一番もやっとしてしまったのは、西城に対して和海が自ら行動を全く起こさなかった事です。
二人は序盤で仲違い(とは言っても和海が一方的に怒っているのですが)していますが、仲直りをするきっかけを作ったのも、昔と同じように接する事が出来るようにするのも全て西城からの働きかけ。
その後に和海が西城の交際相手などを勘違いして暴走した時も、和海は話も聞かずに逃げ、他の人にお膳立てしてもらいました。
流石にこの後は自分の思いを自ら言う事を期待しましたが、最終的には西城の方から積極的にきてくれたおかげでの解決に見えました。
恋愛面において始終他人のお膳立てで、和海が頑張っていたようには思えなかったのが残念です。
また、このゴタゴタの中で人生に関わる重大な決断を反射的に答えてしまっていたのが残念。特に誘ってくれた人の真摯な気持ちを考えると和海がとても不誠実な人に思えてしまいました。
もやもやの部分が長くなってしまいましたが、話自体は丁寧で楽しく読めました。
コミコミさんの小冊子は紗々也も出ているので、彼が好きな方にもおススメです。
個人的には紗々也さんにはいつかどこかでまたでて欲しいです 笑
麻々原先生おっかけで購入。勝手にあまんあまんを期待していたところ、冒頭で受けが火山噴火のごとくお怒りになられて、あれあれあれと自分の気持ちが脱線。シンクロしきれず終わってしまったので、申し訳ありません、中立です。本編270P弱+後日談11Pほど+あとがき。
フランスのブーランジェリーで修行中の和海のもとに、日本の祖父が倒れたとの連絡。急いで帰国したものの祖父は意識を取り戻すことなく亡くなってしまいます。祖父が職人の腕前を発揮していたブーランジェリーの店で、呆然としていた和海に、葬儀等の差配をしきってくれた幼馴染の嘉兄が「この店は半年前に俺が買い取っている」と告げてきて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
受けのフランス修行先関係者(師匠、同僚)、日本の店で受けと働くパン職人ぐらいかな。
**ずれちゃったところ
受けさんがめっちゃ冒頭で、じいちゃんの愛していた店を、自分が知らないうちに攻めが買い取った!とぷんすか怒ってしまって、そっからこじれるこじれる・・・というお話なんです。じいちゃんが倒れた時に連絡をくれた頼りになる、慕っていた幼馴染だったはずなのに、じいちゃんの店の話になると態度が激変!!!というように感じられて、「いやそんな怒らなくても」とつい宥めたくなってしまいました。
攻めさんも攻めさんだよ、もうちょっと穏便に伝えられないんかい・・・と思ったり。
そのこじれ話がなければ「幼い頃から見守ってきた可愛らしい幼馴染を、日本に呼び戻して店を二人で守っていく」というあまあま話になるかと思うのですがー。
パン話は小麦粉のお話やら、シンプルなロールパン、バゲットなどの方が記載多めで、楽しいところもありましたが、「おおおおおおおおおおお食べたい!!!」といった感じまでは至らず、ちょっと残念。バター、イースト菌の香りが伝わってくるようなパン話だととっても嬉しかったんだけどな・・
好きな素材はありつつも、少しずつポイントがずれていて萌えきれなかった印象のお話でした。ダメだなあ予想から外れた時の修復が出来ない頑固ものになりつつあるのか私。