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yureru toiki ni sasowarete
「孔雀攻」といっても鳥の孔雀じゃありません(そんなBLあったら驚きます)
フェロモン系で麗しく、なおかつ男らしいというのが作者さま曰く孔雀攻だそうでござます。
そんなわけで攻の海江浹はフェロモンがムンムンに漂う感じです。
織田さんのイラストなのでね、特に1枚目のとか水も滴るイイ男でした。
コンサルタントの吉住志信は親友に密かな恋心を抱いていて。
ある雨の晩、結婚を知らされショックを受ける。
ずぶ濡れでタクシーに相乗りした海江から部屋に誘われ、そのまま淋しさを埋めるように躰を重ねてしまうのだが…。
元々、吉住が失恋したことを慰める意味で親友・正岡が抱いてしまったことで吉住が恋心を抱くようになってしまうのだけれども。
密かに想い続ける恋はあっけなく幕が引かれて。
「ひとり」だということに耐えきれなくなった時、出会ったのが海江。
行きずりのはずの海江は正岡が経営する店のバーテンで嘘かホントか吉住に好意を持っていると言って。
「都合のいい男でいいから」という海江との仲は徐々に縮まっていく。
吉住の心に確かに芽生えるものがあるのだけれど、それがなんなのか自分でもわからなくて。
その正体を知るのは2人の間の「温度差」を感じた時で。
自分の想いと相手の想いが重なっていないことに嘆いてみたり。
けれど、その「温度差」を感じた時だって、いつだって、吉住は言葉になかなかできない性格で。
飲み込んだ言葉を口にすればすんなりとあるいは問題は解決していたかもしれないのに。
その後にもまた不安を煽る材料が重なって。
自分の気持ちを伝えることよりも引くことを選んでしまう吉住。
伝えるのがこわいのはこれ以上嫌われたくないと思うから。
本文読む前にちょっとあとがきを読んじゃったのですが。
1話目を雑誌掲載した時に「正岡ひどい」的な反響が結構あったようで。
それをふまえた上で2話目を書きました、みたいなことを書かれていたので正岡救済になってるのかと思いきや、もうコテンパンな感じである意味驚きました(笑)
正岡が吉住に言った海江の評もそうだけど、海江に言った吉住に関する提案はホント最低だと思いました。
これはもう海江が怒るのもわかるし、それであんな展開になったとしてもある意味納得がいきます。
「あんなヤツなのに俺より大事なのかー!!!!!」てな気分だと思います(苦笑)
あと、ちょっと気になったことと言えば。
織田さんのイラストの吉住なんですけども。
裏表紙にもあるんだけど、かなりあばら骨が浮いてるような感じに見えるのですよ。
肉付きが薄い感じを出すためなのかなーとも思うんですけど、特にそこまで細身だ的な描写もなかったように思うので、個人的には浮いてない方がいいかなーと。
あばら浮いてるとどうも病気とか欠食児童的な風に見えてしまってちょっと萌え度が下がってしまうのですよねー。
フェロモン系の華麗な年下の攻め様が、フェロモン全開で敬語責め。
でも、しょせん年下なので、つい暴走したりして…
この本、和泉さんでリンクスにしては珍しく1段組。
時代設定も現代で、登場するのはコンサルタントとバーテンダー、主な舞台は飲食店。
どのシリーズにも属さない独立した話で、けっこうサックリ纏まっていて、普通に読みやすかった。
登場キャラ達はみんな、人間なら誰しも持つような、ネガティブな部分もポジティブな部分もちゃんとあって、しっかりした存在感があるし、お話の展開も、甘いエロエロと、ちょっとした波乱とで、実にバランスが取れている。
挿絵のタッチや、選ばれているシーンのバランスも申し分ない。
これぞBL。
素直に、良作ですっていうしかない感じ。