T-POINT 貯まる!使える!TSUTAYAオンラインショッピング
tukuru shounen kuu otoko
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
椹野さん本はライトノベルしか読んだことがなく、BLは初めてですが、暖かく安心感のある作品でした。
最初は痛々しいんですがそこを越えればテイストはほのぼの。加えてサスペンスドラマという、表紙からはちょっと想像できなかった内容でした。
舞台は架空の港町で、雰囲気は近世ヨーロッパのイギリスやドイツをイメージしたらしいのですが、シャーロックホームズが好きというだけあってまさにそんな感じの作品です。
ハルが料理人を目指して独り立ちするという出だしで、タイトルもこれなのでてっきり料理ものだと思っていました。
なのでミステリー風だったのは意外。
主人公ハルは孤児院育ち。黒髪に黒目という自分の出生を知りたくて、また料理人になるという夢を追いたくて16歳で孤児院を出ます。
けれど騙されて売られ、売春させられていたところ、検死官のウィルフレッドと出会い、互いに大切な存在になっていきます。
出会いがスラム街の売春宿だし、ハルが孤児だったりで最初は重たいお話なのかと思うんですがそんなことはなく、読み終わってみれば暖かくてわりとライトなお話でした。
せっかくの、ハルが料理好きという設定はも少し活かしてもよかったのではと思います。ウィルフレッドのお仕事が検死官なので、それに関連した連続殺人の謎を追うというミステリー冒険ものが主軸のお話になっています。
ハルの出生が厳しいものなのに、ハルの性格が明るく前向きな下町気質にあふれているのがよかったです。
ウィルフレッドも堅物で結構な変わり者。この歳になるまで他人を本当に愛したことがないというウィルフレッドとハルは、歳は離れていても互いに初恋。
初めてベッドをともにするシーンがすごく初々しくて、服を脱ぐのを恥ずかしがるウィルフレッドにハルが「ここまで来たら恥ずかしがっても仕方ないじゃん」というのがどっちが大人なの?という感じで面白かったです。
歳の差カップルのいいところがふんだんに出ている二人だと思いました。
椹野さんは、このシリーズが初読みだったんですが、最初に読んだ時『翻訳ものの推理小説読んでるみたいだ』と感じました。
あ、悪い意味ではないです。私は一時期、翻訳ものの女性作家の推理小説(有名なシリーズもそれほどでもないのも)を読み漁ってたことがあるので、なんか懐かしいような気がしたんですよね。なんでだろう、文体?でも別に癖もないし・・・
あるいは、英国風(作中は架空の国)の時代ものなのと、何より攻が検死官なので、なんとなく雰囲気からそう感じるのかもしれませんね。
とにかくキャラクターがよかったです。ヘタレ攻大好きな私でも、この旦那様・ウィルフレッド(攻)以上のヘタレはなかなかいないんじゃないかと思ったくらいですから。でも紛うことなくヘタレだと思うのに、情けなくも格好悪くもない(好みだからフィルターかかってるのかもしれませんが)。
ハル(受)もいいですね。わかりやすくはないけど健気。私は、彼が口が悪いのがちょっと気になるんですが(個人的にあまり好きじゃないので)、ハルのキャラクターには合ってるので、無理は感じません。
途中、ハルがかなり酷い目に合うんですが、直接的な描写がなかったので、心安らかに読めました。主題以外で必要以上の描写は邪魔だと思ってしまうんですよ。
いやしかし、あまりにも初々しい2人(特に旦那様がピュアピュア過ぎて)に、読んでてこちらが照れてしまいましたわ。ホントに可愛いCPでした。
あとは、いろいろ過去のありそうな執事のフライトさん(40代半ば)が、存在感があり過ぎでした。
ウィルフレッドの『検視官』という職業からも、ハルに絡んでも、かなり血腥い事件も出てくるのに、トータルではほのぼのしてるんですよね。このシリーズ大好きです。
そしてやっぱりイラストがよかった。イメージぴったりでした。
港町マーキスで唯一の検死官として働くウィルフレッド。
通称「北の死神」と呼ばれる彼は、ある日仕事先で孤児院出身の男娼ハルと出会う。
小さくて可愛らしい外見を持ちながら料理人になるのが夢だと語る少年に好感を抱いたウィルフレッドは、ハルが自分の館に立ち入るのを許可するが……
表紙のイラストからクールな俺様と黒髪ロングのカワイコちゃんの話かと思ってしばらく読むのを躊躇していたんだけど、読んでみたら全然違った。
受は予想外に元気でケナゲで負けん気の強い「男の子」って感じで、攻はクールというよりは器用貧乏で感情的に不器用な人だった。
検死官×料理人志望の男娼。医者と料理。
ほのぼのしてテンポのよい会話やほどよいリアリティなど、いつもの椹野さんクオリティで安心して読めました。
もっと早く読めばよかった。
続きを探してこよう。
大好き、このお話。
ヤンチャな受けと、天然ながら頼りがいのある攻め。
二人とも照れまくりの告白シーンから濡れ場にいたるまで、私のツボがギュウギュウ押されまくりでした。
舞台は架空の中世ヨーロッパ風の港町。
そこで検死官をしていた攻めは、孤児院を出たあと男娼してる受けと出会う。
受けの真っ直ぐさヤンチャっぷり一生懸命さが可愛くて仕方なかった。
攻めもそんな受けにどんどん惹かれていく。
片方は結婚経験まである大人だし、片方は男娼。なのに互いに初恋なのだ。ういういしさにニヤニヤが止まらなかったです。
脇役もいい。
とくに一癖も二癖もありそうな執事が最高です。
お話は『執事の受難と旦那様の秘密』へと続いてゆき、そこで、この執事ふくめたみんなの過去が明らかになります。
架空想定した世界を舞台の物語とこの作家にしては珍しい設定に惹かれたのだが、お得意(?)のドクター(しかも得意中の得意? の検死官)モノ。ちょっと期待しすぎていたかもしれない。全体的にはほんわかした雰囲気。
ウィルフレッドの過去も気になるし、ハルの出生にかんすることも片付いていないし、なにより執事・フライトが気になる。彼みたいなタイプが男に追いかけられて、おたおたしている姿を見てみたい。冷静だったり、余裕だったり、女性関係が派手だったりするのに、追っかけてくる男には弱いというパターン。おいしいそうだなぁ。妄想が膨らみすぎ。
ウィルフレッドとハルカップルは始まったばかりで、楽しい雰囲気だけど、これまでのことを考えればこれから先が大変なんだと思うのだが、無理にぐちゃぐちゃになるところを見たいとは思わない。