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剣と鞘と言ったら、普通は剣が攻めじゃあありませんか?
このお話は、剣が受けなのねー?
などと、くだらないことを考えらがら読んでしまったのですが…(笑)
さて。
BOの棚を見ていて、ひときわ厚かったから買った本。
だって、同じ値段だったら厚い本の方がお得感があるでしょw?
つましく生きていた青年は、実は大金持ちの跡取りだった!…
唯一の肉親である母親を亡くしファミレスでアルバイトをして暮していた晶に、
突然名門御所泉家の唯一の直系の跡取りであるという話が舞い込む。
20歳の誕生日までの3ヶ月間、当主になるための様々な教育を受けるのだが、
教育係の3人はいずれも御所泉家に縁の深い御曹司達。
晶は、この中からお披露目までに一生補佐してくれる「鞘」を選ばなくてはならない。
晶は次期当主として認められるのか? そして晶(=剣)は誰を「鞘」に選ぶのか?
お約束的な展開ですし、恋ということに関しては最初からお相手が分かってしまうんですが
この鞘選びに関しては最後ちょっと思いがけない展開があって、なかなか面白かったです。
教育係の3人の御曹司が三人三様に華々しくて、しかも皆結局晶にべた惚れでハーレム状態!
まあ、なんて羨ましいって感じでした。
御所泉家の使用人頭、滝山という人物がいい味です。
残念ながらBLではお馴染みの執事じゃあなくて、老嬢なんですけれどねw
円屋榎英さんの挿絵は、少女漫画のようなストーリーの雰囲気に合っていたと思うのですが、
タキシードと書かれているのに普通のスーツだったり、細かいところで残念でした…
話によってはそういうのって流せますが、この話そういうアイテム重要だと思うんだけれどな。
分厚かった…分厚かった……。
買ってびっくりな分厚さで、読むのにもなかなか苦労しましたが。
「長すぎる!」といううんざり感はまったくなく、読み応えのある本でした。
主人公は、両親を亡くし、天涯孤独の身の上となった晶。
そんな晶は、ファミレスのアルバイトから一転、由緒正しき名門の御所泉家の遺産相続人に指名されてしまった。
おまけにその次期当主になるには条件があって。
「3ヵ月後に控えた一族に対するお披露目の式までに、完璧な紳士になること」
負けず嫌いな気持ちから、その試練を受けてたった晶だったが、そんな晶についたのは容姿・才能いずれも劣らぬ名家の嫡男である三人の教育係。
同時にそれは、まだ未成年でもある晶の後見人選びもかねていて……というような話でした。
多分、この人物語書くのが丁寧なんですよね。
だからこんなに長くなる。
おまけに、くどいんじゃなくて丁寧だから、読んでて苦痛じゃまったくなかったです。
三人の教育係は、もちろんとても魅力的な男の人たちなんですが、それが晶と関わることによってちょっとずつ魅力的に変わり始める……という感じで、それが三人分丁寧に入っているから、当然、物語も長くなってこの厚み……という。
三人がそれぞれ魅力的なので、結局、選ばれなかった方はなんだかちょっと残念な気もしますが、個人的には晶の選択が一番好きなカップリングだったので問題ないですが……
でも、それで終わりじゃないので、それはそれで次が楽しみな感じです。
小公子とマイフェアレディに徳川御三家の設定を足したようなお話です。
こういう設定って、誰が受けとくっつくのかなと思いながら読むのが面白いと思うのですが・・・
物語序盤で、多分この攻とくっつくなと予想できてしまうので、その攻めが登場しない中盤の約90ページで中だるみしてしまいました。
この間、何度が読むのを中断し、再びその攻が登場する場面まで飛ばして読もうかなと思ったのですが、それはやめておきました(笑)。
最後はちょっとひねってあったので、そこはよかったかなと思います。
読んでいる途中で、受の子のイメージが「その指だけが知っている」シリーズの渉と何度か重なる場面があって、受けの性格が似てるんだなと思いました。
挿絵は円屋さんで、美麗で華麗な雰囲気がとてもこの物語に合っていると思いました。