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間諜、決闘、恋。華麗でワイルドな銃士物語
愛の技を習得し、男を誘惑せよという任務を受けるアルノー。二人の男に愛されるアルノーが凛々しく勇敢で好きでした。
物語の舞台はフランス。ルイ13世の時代です。時代考証がしっかりと行われており、素晴らしい作品でした。
アルノーは枢機卿に弱みを握られており、銃士隊に間諜として所属しています。間諜ではありますが、アルノーの心は銃士隊にあり、仲間を裏切っているという罪悪感が彼を苦しめます。
そんなアルノーにいつもくっついているのが色男のジャン。女好きで人妻にも手を出すのでいつも決闘を申し込まれており、それに借り出されるアルノーは初めはジャンを疎ましく思っていました。
ジャンはアルノーを親友だと公言しており、とてもアルノーを気に入っています。問題児ですがどこか憎めません。
アルノーは任務を遂行するため、ジョルジュという男娼に愛の技を習います。
ターゲットは金の髪を持つイングランド子爵・アーサー。
本人を狙う前に、まずは練習台として別の男と寝ることを決めたアルノー。声をかけてきた美しい男を誘い、早速ジョルジュに習った技を試そうとするも、相手が一枚上手で快楽に溺れてしまいました。
その一夜限りの男と別れ、いよいよ公式の場で本人と対面…と思っていたら実は昨夜の男がアーサーだったのです。
自分のヘマを悔やみ、赤くなるアルノーに共犯者の笑みを贈るアーサーが素敵でした。
そんな二人の様子を見て、何かを感じとったジャン。彼はアルノーのことを親友だと言っていますが、心の中ではアルノーに惹かれていました。しかし自分の欲望でアルノーを汚すまいと、己を律していたのです。
「あの男が好きなのか」と問うジャンに対し、任務遂行のため嘘をつくしかないアルノー。
アルノーはアーサーから必要な情報を引き出すため、焦らしてとことん自分の虜にさせようと画策。それは成功し、業を煮やしたアーサーは闇夜に紛れてアルノーを迎えに。
しかしその場には、抱き合いながら馬車に乗り込む二人を見ていた人物がいました。
アーサーと寝た翌日、アルノーはジャンが何者かに襲われたと聞き、急いでジャンのもとへ。
心配するアルノーに、ジャンは嫉妬をあらわにします。昨夜二人が抱き合うのを見ていたのはジャンでした。
何故自分ではダメなのかと、ジャンはアルノーの服を脱がせます。しかしそこには昨夜アーサーが付けた鬱血の痕が。嫉妬に歪んだ顔で、他の男の痕を消すかのように肌に噛みつき、激しくアルノーを抱くジャン。
王宮の陰謀や間諜がどうとかよりも、アルノーをめぐる二人の強く美しい男達の対決に引き付けられました。
アルノーが最終的に共に歩むと決めたのはどちらの男なのか。ぜひ読んでみてください。
フランス、ルイ13世陛下直轄の銃士隊に所属するアルノーとジャン。
色男で人妻と浮名を流しまくるジャンは、何故か美しいアルノーがお気に入り。
アルノーが鬱陶しく思っても、ジャンは全くお構いなし。
彼の親友のつもりで、どこに行くにもついて来ます。
しかしアルノーには実は秘密があり、
銃士隊の天敵であるリシュリュー枢機卿に逆らえません。
ある日リシュリュー枢機卿から、
イングランドの子爵を誘惑するよう命じられます。
男色の趣味はないアルノーが、どうやって子爵を籠絡するのか。
子爵とのことがきっかけで、アルノーとジャンの関係にも変化が!
そして宮廷に渦巻く策略と陰謀が、銃士たちの恋と絡みあい、
華麗に描かれていきます。
当て馬である子爵が、これまた華やかな貴公子っぷりでたまりません。
麗しい宮廷ロマンにうっとりです。
と思ってしまうくらいの終わり方でした。
三銃士の世界を舞台にしたBL。キャラクターはじめすべてがド派手で豪華絢爛です。
歴史ものの宿命で何かと状況説明が複雑なのに加えて、三角関係ものなので余計に人間関係も錯綜するし、なんとも忙しかったです。
それでもまったく逸らせず読ませるのはさすがなんですが、面白かったからこそ『もっと!アレもコレももっといろいろ書いて!』と言いたくなりました。
とりあえず、ラブはジャン(攻)×アルノー(受)のハッピーエンドでいいとしても、当て馬アーサーがあっさり退場かと思ったらラストで諦めの悪いところを見せてて気になるし。
そして、アルノーのお兄さんは一体!?あんな思わせ振り(というかある意味適当な)扱いはどうなんですか、先生・・・
面白いのは確かなんですが、やっぱり1冊完結じゃ無理があるんじゃないかなあ。松岡さんの歴史ロマンス(と呼んでしまう)ではよくそう感じるんですよね。
というか、これ当時は続編構想あったんじゃないかな、と思わせます。でなきゃあんまり中途半端ですから。
そういえばこれ、パレット文庫なんだ・・・と思ってしまったくらい、しっかりした歴史ものでした。
読み終わって気になった『アレは?コレは?』に(続編ででも)綺麗にカタつけてくれてたら、トータルで『萌×2』にはなったと思います。そういう意味ではホントに惜しい。