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tora to ryuu gaiden
作家さんの新作発表
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バイオレンスに萌え滾った『虎と竜』の外伝。
多分、同人誌に書かれたもののまとめ出版なのではないかと思われます。
なので、本編をお読みになっていない方は、多分楽しめないと思います。
また、本編に比べれば暴力描写はライトですが、エンコ詰め等の暴力シーンがあります。本編をお読みになれた方なら大丈夫だとは思いますが、R15、下手をすればR18位のエグさでございました。
3編のお話が入っています。
藤森の懐刀、結城×新條の弟分、泰三の『劣情は鮮やかに、恋は秘めやかに』
藤森×新條の初めての出会いの回想シーンが多い『夏の想い出』
藤森×新條なんですが、新條の泰三に対する想いが泣かせる『流れる涙のその理由』
私としては『劣情は~』が面白うございました。
本編では見事な『小物のチンピラ』であった泰三。
ちょっとぬけてる『小物』であるのは相変わらずなのですが、身を挺して新條を庇う辺りなんか、実に律儀なんですよ。
これは上の者は可愛くて仕方ないだろうと思いますね。
結城が泰三を憎からず思っていることを知った藤森は、両手を怪我した泰三の世話を結城に言いつけるんです。食事を食べさせたりお風呂を手伝ったりしているうちに、どんどんモヤモヤしてくる結城。
スキンヘッドにレイバンのサングラスをかけた表情のない大男である結城が恋に振り回されるのは読んでいて楽しかったですよ。結構コメディタッチにも感じられて、クスッとしたりしました。
でも、一気にトーンがバイオレンスになるのは、このシリーズのお約束。
新條を襲って泰三に怪我を負わせた相手に対する制裁の場面は、やっぱりバイオレンスもろだしでした。
そして『恋が成立しても命を捧げる相手はただ一人』というヤクザもののセオリーを踏んでくれたのも満足。
イラスト(表紙絵のみ)を描かれているのは黒埜ねじ 画伯です。
私、黒埜画伯のイラストも好きなのですが、泰三のチンピラ感が若干薄れている様な……小山田画伯の『私、いかにもチンピラです』というイラストも見たかったのが心残りです。