イラスト入り
lovers reverse
一話完結が多いBL小説の中でも 短い短編。
イラスト入りで72頁。
電車に乗って降りるまでに読み切れた。
短編だけど ちゃんと起承転結があって良くまとまっていると思う。
ジキルとハイド、他人に見せる顔は、良い人。評判が良い。
だけど、眼鏡をはずすと別人のように豹変する恋人。
誰も信じない平賀の裏の顔 学生時代は番を張っていた不良。
平賀と敵対していた、瀬古の幼馴染の山家。
山家と瀬古の通話を勘違いした平賀の焼きもち
短編だから、情交もりあがるのは結末部分だけ。
面白かった。
リバース 【reverse】=裏がえる、
タロットカードだと、恋人(ラバーズ)の逆位置の意味 ということで、いつまでたっても落ち着かない、という意匠
『お仕事もの』なんだと思うのですけれど。
奥歯にものが挟まった様な書き方をしちゃうのは『再会もの』でもあるからなんです。
それもね、初回に会っているのは『族の抗争で』なんですよ(笑)。
『族』って言っても『走り屋さん』ではありません。
短ラン・長ラン、リーゼント、あるいは特攻服を身に纏い、徒党を組んで喧嘩をするという、アレです。
お若い姐さま方はご存じかしら?
あ、ドラマとかで知っているのかな?
今春、瀬古の会社に名古屋支社から転勤してきた平賀は、精悍な顔立ちに知的な銀色フレームの眼鏡を乗せた『色男』。おまけに工場勤務なのに柔らかな物腰で周りの評判も「イイ人」と上々。
でも瀬古は平賀の秘密を知っています。高校時代、特攻服に身を包み喧嘩に明け暮れていたことを。
当時、平賀と並び立つ強さの山家が幼馴染みで瀬古を連れ回していたため、平賀が乱闘の場で鬼神の様に荒れ狂う姿を何度も見ていました。
当時から自分がゲイであることを自覚していた瀬古は、そんな平賀の姿を見て「いいな」と思っていたのです。平賀が瀬古の『好みのタイプ』を形作ったと言っても差し支えない位に。
そんな平賀はある日を堺に瀬古達の前から姿を消しました。噂では交通事故に遭ったとのこと。
思いもよらず同じ会社で出会うことになった平賀は全くの別人。それが何か面白くない瀬古は、飲み会の折に平賀に絡んでしまいます。「あんたの秘密を知っている」と。
ところが、平賀は動揺するどころか携帯番号の交換を申し出てきて……
『しばらくして会ったら全くの別人』ってやつですね。
どうしてそんなことになったのか、ということはお話しの最後に明かされる訳ですが、正確に言えば平賀は『変わってしまった』訳ではありません。
瀬古が好きだった『荒々しい平賀』も確実に存在しているんですよ。
キーポイントは、眼鏡。
これ、滅多にない眼鏡の活用法だわ。
あ、エロい話じゃないですよ。
でも、眼鏡萌えの方にはちょっと楽しいエピソードかもしれません。
互いのことをよく知らないまま別れてしまい、その間にあった数年間によって勘違いが更に勘違いを産み、どうも噛み合わない2人の言動が可笑しいお話です。
また、勤務するのが建築土木資材の製造メーカーという私には馴染みのない業種だったので、仕事のなんやかやも興味深く読みました。
あとね、何と言っても『族の抗争』って、懐かしすぎるだろう!
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