この作品は雑誌連載時より人気の高かったシリーズ。
「サヨナラゲーム」は"大人の恋は少し甘くて苦い"をキャッチコピーとした大人の青春恋物語です。野球部の元先輩×元後輩のカップリングで長く想い続けた片思いの切なさを感じる作品となっています。
続編「チェンジワールド」は"恋から愛へのステップアップ"をテーマに描かれています。全6話の連載分に番外篇を加えたものを上下巻に分けて発売。そのため描き下ろしが多く含まれています。
エロ少なめでも濃度が高く ベッドシーンはとてもエロティックです!
攻めの郁央は明るく人当たりの良い性格がゆえに高校時代は人望もある頼もしい先輩でした。野球部時代に後輩の要祐は郁央に救われたことがあり、何年たっても先輩を忘れることなくほのかな恋心を長年持ち続けています。そんな2人が再会するところから物語が始まります。
学生時代よりずっと思い続けた要祐の健気な片思いに心打たれます。要祐は不器用で口下手な性格ですが、先輩を想う気持ちは誰にも負けないような深さがあります。そんな要祐の気持ちを知り、本当の恋を知らなかった郁央がどんどん変化していく過程にトキメキます!今まで恋をしても熱くなることがなく"去る者追わず"だった郁央が、要祐を追いかけて必死に走るシーンも見所です。
「サヨナラゲーム」終了時より1年がすぎた頃のお話です。2人にとって試練が訪れた続編。穂積(当て馬)が登場し2人の仲を引っ掻き回したり、仕事での変化があったりと、順風満帆とは言えない状況に陥ります。穂積から痛いところを突かれた郁央は、要祐とのこれからの付き合い方に向き合って考える…というストーリー展開です。
口下手な要祐だけど表情から読み取れる感情はとても雄弁!続刊では更に磨きがかかり、無表情ながらも感情がダダ漏れる可愛さが増しています。昔はスマートな恋愛しかしなかった郁央が要祐相手だと嫉妬したり、見せつけるように触ったり。郁央の執着度が増しているのもポイント。次第に恋愛に対する価値観が崩れ、思い悩み、恋から1歩先へと踏み出します。
郁央の様子がおかしい。穂積が絡んでるだろうとアタリをつけた要祐は穂積と直接対決します。一方、男同士の恋愛にある未来について思い悩む郁央は答えを出して…と展開していきます。
すれ違った気持ちがぴったり重なり、下巻は非常に糖度が高いです。大切に愛を育む穏やかな表情、甘さと優しさ、2人を包む空気に癒されます。サヨナラゲーム時と比べると2人の距離感や、寄り添って生きていく意識の変化を感じます。また、チェンジワールドは恋人関係からスタートしているのでエロ度増し!ベッドシーンも見所の一つです。
『チェンジワールド』では当て馬として郁央×要祐カップルをひっかきまわしていた匡人が、今作では主人公です。騒音に悩む匡人は友人・ナルの計らいで部屋を貸してもらえることになったんですが、同時に先に住んでいた旭と同居することに。まったく会ったこともない他人の2人が少しづつ距離を縮めていく中、転機が! 心の傷を抱える匡人を旭の言葉が救います。全然タイプじゃないのに好きになるときは止められない! ノンケの旭にグイグイアプローチする匡人がいじらしいです。旭との電話で旭の弟も登場して……ちょっと不穏な雰囲気!? 続きが気になる上巻です。
旭の留守中にやってきたのは、昔匡人が別れさせ傷つけた旭の弟・恒生だったのです。旭は自分に好意があるように見えるけれど、自分との交際に反対する恒生と自分との板挟みになって傷つけてしまう、と旭のもとから離れる匡人。離れるしかないけれど、想うだけなら許してくれるだろ? と旭と出会った頃には想像もつかないほど健気な匡人に旭はどうするのか。恒生と匡人の確執はどうなっていくのか。前半はとても切ないですが、お互いを強く想い合う2人にふさわしい大団円が待っています。恋人ができた匡人へのお祝いパーティーでは登場キャラクター大集合! 匡人が照れて困りつつも幸せそうにしています!!