BL好きなら絶対にハマるシリーズです
不朽のBL名作シリーズ!第二回BLアワードで9巻が大賞を受賞。
ワケあり美形がひしめく屋敷で雷蔵は恋をした。相手の紺は、無愛想でつっけんどんで、でも雷蔵のことを嘲笑(わら)ったりしない美少年。住人Sのちょっと激しめなラブシーンにあてられながら毎日紺を好きになる雷蔵。ところが紺は、屋敷を訪ねる客相手に秘密の“仕事”をやっていて……。志水ゆきの逃げられないLOVE DESTINY、開幕!!
主の身代わりに傷を負う紙様と、言霊使い達とのラブストーリー、第1巻です。いろいろなカップルが登場するけど、雷蔵&紺と隆成&守屋の2カップルが好きです。1巻は、雷蔵&紺カップルがメインなので、テンションが上がります。
雷蔵が紺を心配して大事にする気持ちと、好きという気持ちや大事にされることが分からない紺。そんな二人の不器用な想いとすれ違いが、切なくてキュンキュンします。
雷蔵が一生懸命に、ちょっとひねくれた紺に真っ直ぐ向き合って、紺を変えていくところが好きです。
とにかく、雷蔵の、紺への愛情が深くて萌えます。最初の主を助けられなかった紺に言った言葉にもキュンとなります。
雷蔵のあそこの大きさで(笑)危ぶまれたエッチに心配したけど、離れたことで雷蔵の存在の大切さを自覚して、追いかけて行った紺が可愛くて萌えます。エッチの時の、紺の告白にもキュンキュンします。
本当に、可愛いカップルで癒されます。だけど、雷蔵の祖母を思い出すシーンは、何度読んでも切なくなって泣けます。
この「玄間×氷見」編、しょっぱなから特濃エロスです!
それでなくとも、和風美人な氷見の色気にやられます。
玄間に「脱げ」と命じられて、羞恥に震えながら服を脱ぐ氷見がたまらん…!羞恥プレイが好きな方にもオススメです。
玄間の強引で命令口調、容赦ない俺様っぷりもいい。父から譲り受けた、というのも背徳感あってよろしい。
体だけが目的のように見える玄間に当惑する氷見ですが、次第に情熱的な玄間に惹かれていきます。
とうとう玄間篇が収まるところに収まり、終焉をむかえました。
氷見が涙を流し舞い散る桜の様に消えてしまった意味もわからず、幼い子供のように和記のもとに怒鳴り込む玄間。
ようやく氷見を再生させたと思ったら、記憶がないことに腹を立てニセモノ呼ばわりの不機嫌三昧。
だけど、氷見に対する執着人一倍。
本当に頭でっかちな困った子供の様な玄間に、氷見はなんとか過去の記憶を思い出そうとして、それができない自分を責めます。
「このままでは玄間様に嫌われてしまう」と。切ない、切ない、ただひたすらに氷見が切ないのです。
アダルトな雰囲気漂う守夜×隆成のお話。今回、甘さはほとんどないです。
守夜は白紙になりたくなくて、隆成は知らずに言霊を使ってしまって母親を殺してしまったから言霊を二度と使いたくない…。
そのことを思い出して、守夜に傷を治してもらうたびに夜うなされる・・・本当にどっちも辛いですよね。しかも、また続きが気になる終わり方で!
甘さ控えめな分、書き下ろしは玄間×氷見が相変わらずラブラブしてますよ。
隆成の自分を責める気持ちと、守屋が隆成を助けようと必死な様子が切なくて涙が出ます。守屋の、「私があなたを許す!」の言葉がキュンキュンと胸に迫ります。
最後まで守屋を求めない隆成に、白紙になることを決める守屋。
予想できる最後なんだけど、ハッピーエンドで良かったと思える結末に満足です。
いつもは傲慢で不遜な隆成が受けで、守屋に気持ち良くされるというポジションなのも萌えます。
雷蔵たちは、相変わらず可愛いカップルで癒されます。
今回は、強すぎる言霊ゆえに屋敷に閉じ込められている琴葉と、主人を亡くした近衛のお話になります。
とにかく、幼い琴葉が可愛くて悶えます。そんな可愛さと裏腹な、琴葉の境遇が切なくて泣けます。力が強い獣だから躾が必要だと、狭い部屋に閉じ込められ、口を開くなと声を出すと閉まる紐を首に付けられて…。
それでも、近衛を守ろうと大声を出した琴葉が、健気でいじらしかったです。前の主人を忘れられずに、頑なだった近衛をメロメロにしちゃうのも納得です。
前巻からの続きは、琴葉の紙様である近衛×強力な力を持つ言霊使いの琴葉のお話。
琴葉がとうとう当主としてお披露目され、その力ゆえに紙様である近衛を結果的にズタズタにしてしまうわけです。
そんなことになるとは無菌状態で育った琴葉はまったく知らず、ひどくパニックに陥ります。
そんなことになるくらいならば、そんな返しはすべて自分へと願うのも頷けます。
このふたりは父子の関係に似ていて労わりというものが前面に出ていますので、恋愛という意味ではどうなのかな?と思っていましたが、年の差の美味しさてんこ盛りで大満足でした。
前巻では阿沙利の切ない白紙場面に泣き、今巻では白紙を抱きしめて泣く彰伊に涙ぐまされました。
1巻からちょこちょこ登場している彰伊と阿沙利。
この二人は回想場面も多いので、この巻を読んでから改めて1巻から読み返しました。いやほんと、回想多いです。そしてそれが全然ブレていないのにビックリです。当たり前かもしれませんが、連載中にちょこっとずつ合わなくなる作品も多いので、その一貫性が心地よかったです。彰伊・・・なんと健気な。
紙様は再生すると元の記憶を無くし生まれ変わるのが不文律。
しかしそれを打ち破ったのが、前巻での彰伊と阿沙利でした。
そんな二人に信じられないものを見る目を向けていたのは、人形師の和記。
今回は彼の過去話です。
名前だけはずっと出ていた、先々代三刀家当主の力一との出会い。そして、その出会いから言霊の返しを受ける紙様が登場することとなりました。
玄間×氷見のところは今回も2人の絆を見せ付けてくれてます。
積極的な氷見も見れて、玄間ではないけれど本当に愛おしいキャラであります。
10巻から引き続きの、和記編になります。
宇多と千乃が拾った男2人(穂積と貴光)は、因縁のある兄弟でした。後に、彰伊と琴葉の父親になります。この男2人との出会いが、宇多と力一と真鉄、いや、関わる人たち全員の運命を狂わせるのです。
穂積が酷い男だったけど、最後まで宇多のことを助けたいと思っていたのに救われます。だけど、穂積がいなかったら、違う未来があったのではないかと思うと切ないですね。
いつまでも力一が大事で、力一の言葉に縛られている和記が切なくて、胸が痛かったです。
和記が勇気を出して再生させた真鉄、私は以前の記憶があったと信じたいです。