沙野風結子さんのレビュー一覧

つる草の封淫 小説

沙野風結子  朝南かつみ 

完成度の高い、BL伝奇小説

主人公の葛(かづら)は伊賀の忍者ですが、人間ではなく、「珠」という生き物という設定です。
「珠」は精液や血液などの体液を介して相手の情報を取り込むという能力を持ちます。
この設定、秀逸!と思いました。必然的にエロ満載です。
キャラとしての葛は、健気さが泣かせてくれる少年で、
人質として赴いた先の藩主の息子、彬匡(あきまさ)の孤独に惹かれてゆく過程も自然でかつ、想い合う過程がじれったくて良か…

6

蝶宮殿(ファラ-シャマハル)の王子様 小説

沙野風結子  稲荷家房之介 

沙野さんのアラブモノ

学生時代、淡い恋心を抱いたベノール王国の第一王子、ナイルスに翻訳家として国に招かれた望。
しかし彼に与えられた役割は、蝶迷宮に軟禁されている第四王子ムスタファの伽人として彼を慰めることだった。
鬱屈し強引に迫ってくるムスタファに初め腹を立てる望だったが、時々見せる屈託のない表情には惹かれていく。
その頃国には第一王子と第四王子を対立させる不穏な動きがあって……

そういえばアラブもの初読…

2

蛇淫の血 小説

沙野風結子  奈良千春 

子へびが脱皮してその本性を表わしたらすんごいことになるんだぞー

ずばり、テーマは主従ですね!
凡庸な男子が、その血に潜む本性で一人の男を虜にして、一枚脱皮した時に自分のモノにするという。
エロい、痛い、でも目が離せない。
がっぷりよつに取り組んで読んで、子へびちゃんの成長を見守ろうではありませんか。

美大の日本画を専攻する凪斗は実は岐柳組組長の隠し子で、トラブルに巻き込まれるのを恐れる為、常日頃自分を抑え込み生活している。
そんな時、跡目争いから…

4

蜘蛛の褥 小説

沙野風結子  奈良千春 

不安定感のないしっかりしたストーリー作りが秀逸な作品です。

「蛇淫の血」のリンク作、といっても岐柳組の関係で、少し凪斗・角能・桜沢が出てくるだけなので、全く独立した作品としてこれだけで楽しめます。
神谷の過去、久隅の過去、事務官・木内の存在がうま~い具合にミックスされて、料理されて、スパイスになって、上等な仕上がりになっています。
ひたすら神に近い萌えです!

偶然電車で再会したのは、高校時代部活の後輩で中退した久隅。
久隅の属する組に関係する事…

2

くるおしく、きみを想う 小説

沙野風結子  朝南かつみ 

ブラック&ダークな攻め様でも傲慢に成り切れずちょっとヘタレ

自分を乱されたからといって、相手を殺そうとまで思いこみ実行に及ぶなど何とブラックな!と興味を惹かれた作品。
表紙はまるで舞台の1シーンのようですが、首を絞めようとしているところ。それに全裸で局部が棒で隠されてますよー!ということで朝南さんのエロい表紙が注目です。

航希の家の隣に越してきたのは、医者の3人家族。
そこの5歳年上の高校生の莉一がとても大好きだったのに、要領の良い一つ上の兄・采…

4

輝血様と巫女 小説

沙野風結子  高階佑 

ほおずき、エロ注意報

萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
姉の元許婚で輝血様・戎滋(かいじ)×異例の男巫女・水哉の、因習を軸にしたすれ違いの恋。
巫女って個人的には萎え単語なんですが、しっかり設計された因習とディティールにこだわった沙野エロ節が効いていて結構面白かったです。
んが。沙野さんと花丸ブラックという強力タッグにすんごいのを予想しすぎたみたいで(…)、そこまでエロくは感じなかったかな。
エロ度は高くないけ…

11

蝶落~雲居の巫女~ 小説

沙野風結子  高階佑 

閉塞感が盛り上げてくれる

どこを開いてもエロ、エロ。
まさにエロ特化本なんですけど、舞台が離れ小島で因習や権力者に囚われているという閉塞感が、否応なしに盛り上げてくれるんです。
エロだけに終わらせないあたり、さすが沙野さんだと。

どんな方法でご神託をするんだろうと思ったら、きゃ~あんな方法だとは!
でも、昔からの因習とかを思い浮かべると、さもありなんって感じで、ありだよねぇ~って思いました。
巫女になるために…

2

蝶落~雲居の巫女~ 小説

沙野風結子  高階佑 

触手登場、シャーマン男巫女の不思議な話

沙野さん曰く「神々のあそび パートⅡ」だそうです。
前作もエロエロの巫女ものでしたが、今作もエロモード全開で沙野さんのパワーが感じられます。
しかし、神様が触手持ちだったとは・・・予想はされましたが意外な結末に、結構楽しめた一冊です。

笙は巫女として、その弟・悟は神官として、島の雲居神社に住んでいます。
月二回あるというご神託の日に、それを受ける者たちに、いいように体を触られる笙。

4

人肌の秘めごと 小説

沙野風結子  霜月かいり 

マゾ気のある副編社長がそそります。

沙野 風結子/人肌の秘めごと (f‐ラピス文庫)  
純愛:☆☆☆
H度:☆☆☆☆
オススメ:☆☆☆
登場人物 塔野匡毅(カメラマン) 和叉(編集)



アダルト系でした・・。
受の和叉が繊細で、庇護欲をそそるキャラでしたね。
最初に酒を飲まされて床に押し倒されるところは・・マゾっぽいかも
密室の話がほとんどなので、イヤラシイ感じがプンプンしてました。
全体的におもしろか…

0

籠蝶は花を恋う 小説

沙野風結子  佐々木久美子 

王道遊郭モノとして、名作だと思いました

健気受け、金持ち攻め、再会、すれ違い、そして遊郭モノ独特の雅びさや退廃的な隠避さが詰まった一冊でした。
ストーリーとしてはストレートすぎるほどに王道なんですが、洗練された文体とキャラの魅力が重なって、名作といって相応しいデキに仕上がっていると思いました。
遊郭モノはBLにはよくあるし、今までたくさん読んできましたが、そのなかでもかなり上位に位置する面白さでした。

読もうと思ったキッカケはドラマC…

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