沙野風結子さんのレビュー一覧

月を食べて恋をする 小説

沙野風結子  小山田あみ 

危うい均衡にゾクゾクします

こちら、2009年に刊行された「君といたい明日もいたい」を大幅改稿、改題の上、新装版として出されたものです。
旧版は未読になります。

で、叔父と甥と言う許されない関係もですが、ここに記憶喪失と言う推理サスペンス要素も絡み、ストーリーとしてかなり面白いと言うか、好奇心を掻き立てられると言うか・・・。
いやもう、サスペンス映画を見てるように、手に汗握らせてもらえました。

あとですね、攻…

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月を食べて恋をする 小説

沙野風結子  小山田あみ 

一片の苦さがまとわりつく実に複雑なラスト

『君といたい明日もいたい』(2009年刊行)を加筆修正した物語です。
私は前作を読んでいないので違いは解りませんが、社会情勢等は全て現在の状況に書き換えられていて、所謂『古さ由来の違和感』は一切感じませんでした。

大変痛いお話です。
「この様なことが起きたらこうなってしまうしかないだろうな」という現実感に溢れています。
よく「BLはファンタジーだから」と言われますが、この『ファンタジー…

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兄弟の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

頭の良くない人間のレビューとなっております

ネタバレする前に、
兄弟モノがお好きな方は
新しい切り口を楽しんで頂けると思います!

三角関係がお好きな方は
十二分に苦しんで頂けると私は思います(笑)


さて、ネタバレ行きます!
兄弟、と言うよりもほとんど三角関係のお話と言っても過言では無いと思います。

兄弟の話は他のお姉様方にお願いするとして、私は式見君という第二の、いえ…

もう一人の攻め君

についてち…

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兄弟の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

隙間のない論理、清々しいモラル

まず最初に感想を一言で。
「沙野風結子さんの本はとても頭を使う」。
「まぁ、いいじゃないの。そんな感じで」という曖昧なまま、緩くまとまってしまうことを許さない。
登場人物達がとても潔癖だと思うのですよ、いつも。
いや、行為はいつもぶっ飛んでいらっしゃるのですけれど(毎回、異なる濡れ場を考えてくださって、その工夫に感心いたします。こっそり『当代一のエロティック・チャレンジャー』と呼び、尊敬の…

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兄弟の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

私の知ってる兄弟もののセオリーを軽く超えてくる

すっっっごく面白かったですね!
もう最初からグッと引き込まれるストーリー運びで、ページをめくる手を止める事が出来ませんでした。

私は元々兄弟ものが好きで、攻めは弟で超執着していて欲しいとか妙なこだわりがあるのです。
が、そんな私の固定概念を軽く吹っ飛ばすと言うか、全然兄弟ものとしては好みの設定では無いはずなのに、圧倒的なパワーで読ませてくれると言うか。
兄弟ものはたくさん読んでるのです…

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兄弟の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

「兄弟」という枷を超えて

作家買い。さらに笠井さんが挿絵を描かれていると知って、発売されるのを心待ちにしていました。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





主人公はスタントマンの要斗。
表紙の、向かって右側の黒髪の男の子です。

彼には医師の兄・聰一郎がいるが、要斗は子どものころからずっと聰一郎のことが好きだった。けれど、兄弟という禁忌に耐え切れず、想いに蓋をして生きてきた。

要斗…

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アカサギ 詐欺師と甘い鉄枷 小説

沙野風結子  小山田あみ 

先生、すごいです…


要約しますと

世の酸いも甘いも味わった利口な野良ネコが突如現れた黒い影に戦いを挑むも、
相手はなんと甲冑!(笑うとこ)
これまでの経験を活かし様々なねこぱんちを喰らわすも、傷付きボロボロになるのは己の身だけ…

そんな中、過去にブチのめしてやった雄犬が満身創痍の野良ネコに復讐を仕掛けてきます!
にんしん
させられそうになりますが、戦いのなかでも情の芽生えていた甲冑さんが無事に…

10

秘恋は咎に濡れ 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

表紙買い


表紙とあらすじを見て購入しました

三十代にもかかわらず政治の事には無頓着で
初めの部分はネットで用語や役割を調べて読みました(とてもいい勉強になりました)

2007年に書かれたものなので今風の表現の仕方や展開の新しさはないだろうと思いながら読みました。
ちょっと台詞がくさいかな?とか次が読めてしまうような部分も確かにありましたが、来て欲しいところに来てくれる、期待を裏切らない内…

1

淫魔を孵す 小説

沙野風結子  小山田あみ 

この表紙に納得

3Pものとは違うみたいなのに、不思議な表紙だなとは思ったが、読んでみると納得できる。
この本に関しては買ってすぐ積読にしていたままだったので、こんな話だとは思わず意表を突かれた。

作中では事あるごとに受け・宰(つかさ)が、兄が自殺した給水塔のシーンを思い浮かべる様子に、喪失感を強く感じるのか?と考えているうちに攻め・鳥羽の恋人だった水川も無くなってしまい、頭の中で整理できなくなりそうな予感…

2

帝は獣王に降嫁する 小説

沙野風結子  奈良千春 

読みごたえあり!真の帝とは。

とても読みごたえがありました。

前半はシキが兵と国の為にテルスに留まり、ガイウスと交渉し国を守り凌辱を受け続ける。

中盤ではお互いにひかれあいガイウスは自分の呪いがシキにかからないよう心配する。が原因不明の病にかかり原因を突き止める。
そしてこれまでの呪いの正体が判明して…。

後半はシキが国に戻るも弟に陥れられ処刑されかける。そこへ助けに来るガイウス。

最後はテルスでガイ…

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