Kml
下巻は上巻で謎めいていた部分もすっきり明かされ、死神や呪いの正体、憬の幼少期の経験も知り、それらを踏まえた上で2人の関係に目を向けられるので理解が深まって満足度が上がりました。列車事故の前には両親との虚しい別れがあったのですね。憬の物書きという仕事に対する一筋縄ではいかない想いの理由が分かりました。そこに目を瞑らずもう一度正面から向き合うこと。燿一といたからこそ、できたことですね。
そし…
デビュー作に引けを取らない凄まじい画力と隙のない練りに練られた世界観。また八田先生の才能に触れることができて嬉しいです。時代は終戦直後の日本ということで、本格的に復興していく兆しはありながらも、まだ皆が疲弊している空気が濃厚で。そんな中、運命的な再会を果たしたカメラマン助手と脚本家の2人。お互い芸術に携わり、幼少期に悲惨な事故を経験し人生が狂った者同士。2人の共有する世界は刹那的、浪漫的で凡人に…