八田てきさんのレビュー一覧

遥か遠き家 コミック

八田てき 

家という場所である2人

血が留まらぬ持病のあるアランは、狂信的なカトリックの両親の元窒息しそうな生活を強いられていた。自由も優しさもなく絶望的な日々の中出会ったヘイデン、彼もまたひどい過去を背負い孤独と苦しみの中にいた。そんな2人が共に生きるために逃避行を始めるけれど…。
身勝手な大人の犠牲になってきた2人、ただ幸せになりたいだけなのに運命に追い込まれてもう悪い予感しかせず。切なすぎる最後に静かに涙が流れて止まらなかっ…

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紙の舟で眠る 上 コミック

八田てき 

受け様が妖艶すぎる

推し作家様の作品です!待ってましたって感じ
前作の遥か遠き家がほんとに素晴らしくて、あとヤクザさんのお話も大好きで、笑わせてくれます。
実はこの作品去年の年末に上下巻とも買ってすっと眠ってました!読むのがもったいなくて…(笑)
今回のお話は前作よりもずっと暗くて混沌としたお話です萌
幼い頃の悲惨なバス事故で生き残った2人の少年のひとり憬、彼はバス事故以後才能を開花させるのですが、いつも死の…

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紙の舟で眠る 下 コミック

八田てき 

燿一という存在の温かさに安心する

 下巻は上巻で謎めいていた部分もすっきり明かされ、死神や呪いの正体、憬の幼少期の経験も知り、それらを踏まえた上で2人の関係に目を向けられるので理解が深まって満足度が上がりました。列車事故の前には両親との虚しい別れがあったのですね。憬の物書きという仕事に対する一筋縄ではいかない想いの理由が分かりました。そこに目を瞑らずもう一度正面から向き合うこと。燿一といたからこそ、できたことですね。

 そし…

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紙の舟で眠る 上 コミック

八田てき 

死神を生み出すものとは

 デビュー作に引けを取らない凄まじい画力と隙のない練りに練られた世界観。また八田先生の才能に触れることができて嬉しいです。時代は終戦直後の日本ということで、本格的に復興していく兆しはありながらも、まだ皆が疲弊している空気が濃厚で。そんな中、運命的な再会を果たしたカメラマン助手と脚本家の2人。お互い芸術に携わり、幼少期に悲惨な事故を経験し人生が狂った者同士。2人の共有する世界は刹那的、浪漫的で凡人に…

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紙の舟で眠る 下 コミック

八田てき 

美しく、残酷で、最後は…。

あ~~~すごい……。やはり画力…なんだこの圧倒的な画力は…。
そして話をまとめる力もすごい~~。ハッピーエンドでした。
苦しみとトラウマを乗り越えてある今。そんな話です。映画のようでした。娼館が舞台なので女性の息苦しさや辛さなんかも描かれていたなぁ。
受けの映画のタイトルも秀逸。秀逸というかまあ、ここに帰するんだなぁという感じ。
ただシリアスで難解なので2,3度読まないと入り込めないかも。…

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紙の舟で眠る 下 コミック

八田てき 

最後まで読んで良かった、そう思わせてくれます。

2巻では、電車事故に遭ったときに、憬が絶対に燃やしたくないと、胸に抱えて守った物が何だったのか?そして、過去の憬の忘れていた記憶が戻ってきます。自分の生い立ち、過去に何があったのか?自分に現れていた死神の正体も分かってきます。1巻のカラーの扉絵はじつは2巻のあるシーンだったのも分かります。
ウェブ版のザ・テレビジョンのインタビューでの八田てき先生のインタビューを読みました。先生がずっと温めてきた…

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紙の舟で眠る 上 コミック

八田てき 

気になった方は是非最後まで読んで欲しい

八田先生の前作、「遥か遠き家」のラストに衝撃を受けたので、今作も楽しみにしていました。「紙の船で眠る」というタイトルの時点でもう、不穏な空気が漂っていて、そして冒頭の電車事故の時点でかなりホラーな絵が展開されていて最後の最後までこれはどんなエンドになるのか?不安な気持ちのまま、ずっと読み進めていました。
絵は、戦後の復興し始めのまだまだ落ち着かない日本を表していて、古い映画の様なとても雰囲気ある…

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紙の舟で眠る 下 コミック

八田てき 

下巻

ファンタジーのような独特の世界観がある場合に難しいのは終わり方だと思うのですが、この作品はすごく綺麗に完結していました。
圧倒的な世界観を圧巻の画力と素晴らしい文章で語られていました。

憬が記憶と向き合ったことで死神と決別し、過去の泣いてばかりの自分も救うことができた下巻

特に、憬の過去が印象的でした。これだけ悲惨なことが幼少期にあれば記憶に蓋をしてしまいたくなるのも当然だなと思いま…

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紙の舟で眠る 上 コミック

八田てき 

圧倒的な作画コスト

とにかく上下どちらにも言えることですが作画コストがすごかったです。
八田先生の作品は前作も含めて建物、花や木々などの自然が丁寧に細部まで描写されていてすごいなと思います。
なので、セリフのないコマでも細部までしっかり見るので読むのに時間がかかりました。

上下巻を通じて2人の人生が壮大に描かれていました。
事故で生き残った2人の少年が12年後に再び再開し、、離れても運命の糸で引き寄せられ…

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紙の舟で眠る 上 コミック

八田てき 

言葉、景色、命の全てに圧倒される

小説を読んでいるようでした。2人の魂が示し合わせたように寄り添い合い昇華するような、ただただ美しい漫画でした。安っぽい言葉で語っては伝わりそうもないのでこの辺にしておきます。文句無しの神評価です。

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