国枝彩香さんのレビュー一覧

風の行方 コミック

国枝彩香 

環境を一掃するのではなく

 『未来の記憶』の後日談的作品ではあるのですが、短編続きの構成でありながら結構波乱もあって、単なる甘々な日常ではなく読み応えがありました。この2人に甘いばかりの日々なんて訪れないんでしょうけれど(笑)。結婚、家庭、家族との折り合い。男同士で添い遂げようとする道に密接に絡んでくる様々な問題に、毎回逃げもせず喧嘩しながらも2人でなんとか乗り切っていく強さが素敵だなと思いました。

 どちらかという…

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未来の記憶 コミック

国枝彩香 

大らかな攻めと繊細な受け

◆未来の記憶(表題作)
 出会った時の2人のどうしようもない感じから、実は2人とも教師でしたという流れが意外で面白く、教師という立場同士でどんな職場恋愛を繰り広げてくれるのか?とワクワクしました。意外といっても、美術教師の香月は授業も生徒任せなところが多かったり奇抜な服を着ていったりして、凡そ教師らしくないのだけど。そういう奔放な性格と、恋愛に関してはビッチを装った裏に臆病で繊細な部分を隠してい…

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いつか雨が降るように コミック

国枝彩香 

痛々しさに萌える

◆いつか雨が降るように(表題作)
 最初は行き倒れの男を拾って一緒に暮らし始めるという王道の話かなと思いましたが、読み進める内に拾われたシロは実は匡一と知り合いだった?という疑問が生まれ、最後にはあっと驚く展開が用意されていました。匡一のとった行動は果たして偽善やエゴでしかないのか、贖罪と言えるのか。人によって受け取り方も異なると思います。たとえシロが記憶を取り戻して自分を恨むようになろうと、自…

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春に孵る コミック

国枝彩香 

ミステリー風の愛憎劇

「春に孵る」
遺伝子由来の愛憎劇、血が呼ぶ業ということなんでしょうか。

佳苗は、両親は亡く、祖父母に養育されている。
両親の顔を知らない佳苗。祖父母が記録を処分して残っていない。
或る夏、叔父・輔(たすく)、母の弟・閑也(しずや)と避暑地で夏を過ごす事になる。
母の弟・閑也は、佳苗にも、母にもよく似ている美貌の人で、佳苗にとても優しい。
そこは、母が幼少時に着た服、可愛いものが沢山…

1

いつか雨が降るように コミック

国枝彩香 

色々な「一時の恋」と「夏時間」のその後

どの話も一時だけ傍にいて離別もしくは長く続かない不安定。物悲しくて、ドロドロした、不思議な縁で出会った恋人たちの話。

「いつか雨が降るように」
匡一xシロ(白井)
記憶喪失の少年に「シロ」と名前を付けて、面倒を見ている主人公の匡一。少年が階段から転落して記憶を失った理由は、主人公の過去にある。
少年が記憶を取り戻すまで続く、今の平穏。だけど、匡一は罪滅ぼしではなく、本当に少年を慈しみ愛…

4

夏時間 コミック

国枝彩香 

別れがテーマ?の短編集

著者の作品「箱庭」を読んだとき、とっても衝撃を受けて感動しました。
絵も、構成も、作り込みがとても丁寧な作家だと思います。
この作品、どれもが映画のような展開で情景が読みながら思い浮かび、その場の雰囲気や香など生活感が脳内で再現できるような、丁寧に描きこまれている作品です。
アンハッピーが多いので、内容についての評価は萌2

「夏時間」
読後、爽やかにはならなかった・・しんみりしてしま…

2

スピンアウト 下 コミック

国枝彩香 

映画のような

一本の映画にできそうな重いストーリーでした。実際映画化できるかといったらハードなプレイが多いので難しいとは思うのですが…
受けの三木が笑うと可愛くて、巽さん(攻め)がんばれ!もっと笑わせてやれ!という謎の応援をしている自分がいました。
2人の年齢さえも明かさない、職業や三木の生い立ちなど必要な情報しか開示しない潔さが心地よく、重いストーリーなのに読みやすかったように感じます。暗い設定の中で2人…

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耳たぶの理由 コミック

国枝彩香 

くすぐったい甘さ

◆耳たぶの理由(表題作)
 表題作でまるまる1冊だったら萌2評価にしていたかも。この2人のやりとりは終始可愛かったです。ちるちるのデータでは攻めの山口がクール、ツンデレ属性になっているようですが、どちらかというとツンデレなのは受けの石川の方で、山口は基本的に石川にはかなり甘い態度をとっています。紳士、溺愛攻めを読みたい方はハマると思う。クールというのも、石川に比べて背も高く甘いマスクで、何をやっ…

1

50×50 コミック

国枝彩香 

袋小路ど真ん中

いつも国枝さんのコミックに感じることがやっと自覚できました。
怒るときにたいてい人差し指をさしたり、何かあった時のポーズが昭和っぽい気がする。
そして周囲の注目を集める。

イケメンリーマンの東野と川西は高校からの腐れ縁。脚フェチと巨乳好きで二人とも彼女を取っ替え引っ替えしては振られて。フラレリズムもぴったりで。

どの女性ともうまくいかないのに、お互い相手に似たタイプの女性にはなんだ…

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50×50 コミック

国枝彩香 

彼らはどこへ向かうのか

意表を突かれました。
まさかこう来るとは。

本やコミックスを読むときや、映画やドラマを観るとき、先の展開を予想しますよね。
ある程度の数を読んだり観たりしていくとパターンが分かってきて、大抵予想は大きく外れることがなくなるものですが、国枝さんの作品はいつも予想外。

高校の同級生。
一方は生徒会長でバスケ部のエースだった男。
もう一方はテニス部の王子様。
卒業してから10年経っ…

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