高遠琉加さんのレビュー一覧

初恋に堕ちる 小説

高遠琉加  北沢きょう 

複雑なトライアングル

この話は女子が出てきます。一見、受け→女子→攻め→受けのBLトライアングルのように見えて、結局は攻めと受けは両思いで女子だけ攻めに片思いしていたような展開。女の子が病弱だったため彼女にとって残酷で受けと攻めにとっても後味の悪い事になってしまいました。最初は青春っぽく爽やかですが、徐々にドロドロしてきます。

誰が悪いかと言えばやはり受けが悪い。高校の時に自分に告白してきた攻めに向かって(その時…

3

初恋に堕ちる 小説

高遠琉加  北沢きょう 

逃げられない、堕ちる恋

最初にお断りをしておきますが、この物語の感想を書くために私は『盛大なネタバレ』をいたします。お許しください。

私は高遠琉加さんの大ファンです。そもそも美しい文体が大好きで。特に『登場人物の心の内を風景描写にのせて書く』部分はゾクゾクするほど好きです。
最近は作品発表が減っているので、この本も心待ちにしていました。

だけど、最初の5行を読んで実に嫌な予感が……
「心をくれないから体だ…

7

初恋に堕ちる 小説

高遠琉加  北沢きょう 

本当の愛なんて

久しぶりに作家様のBLワールドを堪能させていただきました。甘いだけじゃないメイン二人の恋愛には、切なさプラス後引く苦味が。しっかりとラブを味わわせてくれる期待は裏切られませんでしたが、カバーイラストには予想を裏切られるかもしれません…。今回も作者のテイストを存分に感じられるシリアスめのストーリーでした。


再会もの。
高校時代、一学年先輩で映像部に所属していた橘に告白して、ふられてしまっ…

5

初恋に堕ちる 小説

高遠琉加  北沢きょう 

BL?

何とも評価に困る作品に出会ってしまいました。珍しい攻め視点だったし、途中感動もしました。評価が低いのはやはり読み手を選ぶ作品だからだと思いました。

敢えて指摘するならばバランスが悪かったと思います。最後の最後で受けの侑一視点にしてしまったのはどうしてなのでしょうか?あれほど何を考えているのか分からなかった侑一だったのに、いきなり2年後に周に気持ちを伝えに行かれてもね…。

このお話は独り…

3

壁の中の嘘と秘密 小説

高遠琉加  小椋ムク 

ちょっと切ない寮の中の青春物語

 男子高校生が壁の中でいろいろする話(言い方)

 山奥の名門男子校に入学した香司の父親はある有名政治家であるが、本人は自他共に認めるチャラ男。
 以前、同じ学校に通っていたいとこに教えてもらった秘密の部屋に女の子を連れ込んだところ、先客がいた。
 その先客は、学年一の優等生昴で、彼はその部屋で天体観測をしていたという。
 その出会いがきっかけで秘密の時間を共有するようになる二人。
 …

1

君は僕の初恋の人 小説

高遠琉加  小椋ムク 

再会物語

 再会物語。
 今の私の大好物です。

 棚橋は地元でそこそこに名前の知れた病院の末っ子次男坊で、愛想もよく、何でもそれなりにこなして生きてきた。
 そんな棚橋と高校の寮で同室になったのは、三白眼で無愛想な朝倉。
 棚橋は自分にだけ心を開き、笑顔を見せる朝倉に徐々に惹かれていく。
 しかし、棚橋は朝倉に対して、裏切りともいえるような行為を行っていることがわかり、朝倉は棚橋を拒絶する。

0

初恋に堕ちる 小説

高遠琉加  北沢きょう 

読者を選ぶと思います

人気作家さんですが、初読みになります。
初恋再会ものだと言う所に惹かれて、購入しました。

えーと、こちら、珍しい攻め視点になるんですよね。
で、高校時代に好きだった先輩に再会すると言う、展開だけ見ると甘くてほろ苦そうなお話。
が、読んでみての実際の印象ですが、どシリアスで痛くてかなり重いんですよね。
ストーリーとしても読み応えがあるし、しっかり掘り下げられた主人公の心情描写も素晴らし…

11

ここは限界ハウス 小説

高遠琉加  三尾じゅん太 

切なく読み応えあるストーリー

高遠琉加さんのシェアハウスもの。下宿ものと言っても良い。(依田沙江美さんイラストの「楽園建造計画」も大好きで全巻持ってます)このシェアハウス「限界ハウス」にやってくる人は辛い目に遭って心に傷を持つ人ばかりなのです。冒頭の主人公エピソードから暗くて重い。でもあとがきでこれはコメディータッチな方です(当社比)みたいに書いてあってびっくり。確かにシリアスで暗い作品が多いですが、文章もストーリー構成もお上…

1

さよならのない国で 小説

高遠琉加  葛西リカコ 

本を読みながらにして映画を見ているよう

文句なしの神作です。生きるって何か、家族って?愛って?とたくさんのことをこの本は投げ掛けてくれます。

レビューが既にたくさんついているので私は既読者向けにこの思いをまき散らしたい!

月彦さんは心が凪いで全幅の信頼を置ける相手だったけど、康は春希にとってまさに太陽だったんですね。日向に連れ出してくれる人。(ここら辺ツリーハウスの描写からもよく分かります)

月彦を失って自分の殻に閉…

7

ここは限界ハウス 小説

高遠琉加  三尾じゅん太 

底辺の人々の幸せな話

ブラックな会社で精神をすり減らして働いていた羽瀬に、借金の督促状が届く。親友だと思っていた桐谷に騙され保証人になっていたためだったが、羽瀬は親友の裏切りにショックを受け、気付くと電車に飛び込もうとしていた。
神薙に助けられ、彼がやっているシェアハウスに連れていかれ。。。

羽瀬のお人好し過ぎさに疑問を持ちました。なぜ借金を肩代わりさせられて、なお騙されたことばかりに落ち込むのかとか。でも、彼…

1
PAGE TOP