ここは限界ハウス

kokowa genkai house

ここは限界ハウス
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神8
  • 萌×210
  • 萌9
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
6
得点
107
評価数
28
平均
3.9 / 5
神率
28.6%
著者
高遠琉加 

作家さんの新作発表
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イラスト
三尾じゅん太 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
価格
¥745(税抜)  
ISBN
9784778124250

あらすじ

ブラック企業、借金の保証人…追いつめられた羽瀬は駅で自殺を図るが、柄の悪そうな神薙に助けられ古びたシェアハウスに連れていかれる。そこはコールボーイ・元ヤクザ等、色んな意味でギリギリの人が集まる“限界ハウス"だった。管理人の神薙の案で仕事を辞め住込みの食事係になった羽瀬は、優しい彼に惹かれていく。ある夜、酔った勢いで神薙にキスされるが、翌日何もなかったように「元気になったらここを出た方がいい」と言われ…

表題作ここは限界ハウス

神薙仁
羽瀬睦月

レビュー投稿数6

上手くいかない人生も愛おしいではないかっ

高遠さんで『人生ギリギリの男達が暮らすシェアハウス』なんていうお話だったらものすごく期待しちゃうじゃないですか!待ちに待って、仕事もそこそこに読み耽りました。
うん、紛れもない高遠さんの本だ。

SE二年目の羽瀬は仕事に追われ、家に帰れば食事もそこそこにただ眠るだけの毎日を過ごしています。もう限界だと思いつつ帰った晩に発見したのは借金の請求書。羽瀬は友人の桐谷に頼み込まれて連帯保証人になっていたのでした。桐谷とは連絡が取れず、会社にまで催促の電話がかかってくるようになり、挙げ句の果てにはアパートのドアに来訪を知らせる付箋紙が貼ってあるのを見つけます。追い詰められた羽瀬は電車に飛び込み自殺を図りますが、柄の悪そうな男性、神薙に助けられます。有無を言わさず彼に連れてこられたのは神薙の自宅兼、崖っぷちぎりぎりの人達が暮らすシェアハウス。
家に帰りたくないなら全員の夕飯を作ることを条件にここで暮らすことを神薙に勧められた羽瀬は、仕事を辞め、ピンクチラシのデザイナー神薙を初めとして、デリヘルボーイ、元ヤクザ、幼児と暮らす売れない小説家たちとの生活を始めます。ワケアリだけれども屈託がない住人達や、何も聞かずに包み込むような優しさで羽瀬に接する神薙と暮らす中で、羽瀬は徐々に落ち着きを取り戻していくのですが、住人の一人である元ヤクザの八須賀が行方不明だった桐谷の所在を突き止めてくれて……

高遠さんのお話の登場人物は、何かを失ってしまった人が多いと思うのです。
最初から持っていないのよりも、なくしてしまった方が嫌ですよね。未練も生まれてしまうし、何よりも「自分が悪かったからなくなってしまったんじゃないか?」って思うことが辛い。
羽瀬はお話の冒頭から、友人に裏切られます。
お話が進むにつれて、これは『なくした』のではなく『そもそも持っていなかったものを、まるで持っていたかのように思っていただけ』ということに気づきます。「持っていた」って思いたかったんですね。だから現実を見ないようにしていた。
これ、かなりの自己嫌悪に陥りますよね。

だからこそ、そういうみっともない自分を受け入れてくれる人の存在が美しく輝くのでしょう。
恋という形だけではなく、このお話には何度も何度も「そこに居てくれるだけであなたには価値がある」というメッセージが繰り返されているように思います。
高遠さんの紡ぐ美しい文章で、このメッセージを繰り返し聞かされることの至福を、沢山の姐さま方に味わっていただきたい!
そんで、高遠さんには是非お体を大切にされて、もっともっと書いていただきたい(思いやっているようだけれども結局は自分の欲望でスマヌ)と、強く強く思ったのでした。

10

fandesu

ナユキ様
コメントありがとうございます。
ご連絡の方法が解らなかったので、こちらでお返事を書かせていただきます。

私も高遠さんは大好きで、時折ツイッターを読ませていただいていたのですが、2016年の中頃からそのような記載があり、心配しておりました。
https://twitter.com/rukatakatoh
なので「紳士と野蛮」が出版された時は「あああああああ、よかったーぁ」と狂喜乱舞した訳なのですが。
今はお元気だと思いますが「ご無理をなさらず、素晴らしいお話を書き続けていただきたいものだ」と願っております。

ナユキ

このコメントを参考に購入したのですが、とても楽しむことができました!個人的でお恥ずかしい質問なのですが、fandesuさんはお体を大切にされてとここに書かれていますが、作者の高遠先生は御病気なのでしょうか?インターネットで調べてみたのですが詳細が出てこず、心配しています。高遠先生は個人的に好きな作家さんなので少し不安です。申し訳ありませんが、教えていただくことは出来ますでしょうか?よろしくお願い致します。

我慢も限界!

初読み作家さん。
ショコラ文庫さんからの出版と、タイトルで衝動買い。
感じたことは多々ありますが…まずは言いたい。
結ばれるまでが長い!
両想いだと心が通じ合ってからがまた長い!
そりゃあ、睦月だって積極的にならざるを得なくなるよ!!
この、ヘタレ神薙め!!

受けさんの睦月は、ブラック企業に勤めて2年。
心身共に限界だった時にさらに追い打ちをかける出来事が。
それが原因で人身事故による自殺を図ろうとするくらい追い詰められていた矢先
攻めさんの神薙と出会い、シェアハウスで共同生活をする事に。
流されるまま始まったシェアハウス生活ですが、個性的メンバーに囲まれながら
少しづつ睦月は癒されていきますが…

と、表紙のイラストやタイトルだけ見ると、わちゃわちゃ感のある明るいお話かなあ?と
軽い気持ちで読み始めたのですが。
結構リアリティのあるお話で。重たいです。始まりから暗いです。
それでも読む事をやめれず、気が付けば物語に惹き込まれていました。
個性的メンバーそれぞれにもドラマがあって当たり前で、
その1つ1つのドラマが結構重要だったりするので、
BL的展開になるまでがほんとーーーに長いです。
そんなに甘々なお話でもないです。
それでも綺麗にお話がまとまっているので、読後感はスッキリ楽しめたな…と。

ただ1つ気になるのが、
神薙が結局仕事を辞めた理由が『噂話なんたけど…』という人伝で述べられてただけで
神薙自身が自分のことを話すことが最後までなかったのがもやもやかな…

あとがきから、作家さんの作品の中ではライトな方らしいですが
命の大切さや現代日本人の関わり合い方がこまめに表現されてるので
時間がある時・心に余裕がある時に読まれることをオススメします。
素敵な作品だったのは間違いなしです(。・ω・。)

5

底辺の人々の幸せな話

ブラックな会社で精神をすり減らして働いていた羽瀬に、借金の督促状が届く。親友だと思っていた桐谷に騙され保証人になっていたためだったが、羽瀬は親友の裏切りにショックを受け、気付くと電車に飛び込もうとしていた。
神薙に助けられ、彼がやっているシェアハウスに連れていかれ。。。

羽瀬のお人好し過ぎさに疑問を持ちました。なぜ借金を肩代わりさせられて、なお騙されたことばかりに落ち込むのかとか。でも、彼が桐谷に対して親友以上の好意があったからなのかと知ると納得。
人が限界になったときの思考や行動が、かなりリアルに書いてあり、ずんっと重くなったのですが、今後の不安や恐怖を抱えながらも、自分のできる事、やりたいことが見つけられるようになる過程が良かったです。
誰にでも優しい神薙が、いつから羽瀬に対して好意を持っていたのでしょうか。最初は世話焼きからだと思うのですが。気にかけて、優しくする姿もいいのですが、羽瀬にだけの特別な接し方とかがあれば、もっとキュンキュンしたのかなぁと思いました。
限界ハウスに住む人々の生い立ちや生活も描いているので、それらすべてを展開の中で解決していく為か、神薙と羽瀬の進展が薄れてしまい、ちょっと残念でした。
設定的には面白く、人物もそれぞれが生きていて良かったと思います。

1

切なく読み応えあるストーリー

高遠琉加さんのシェアハウスもの。下宿ものと言っても良い。(依田沙江美さんイラストの「楽園建造計画」も大好きで全巻持ってます)このシェアハウス「限界ハウス」にやってくる人は辛い目に遭って心に傷を持つ人ばかりなのです。冒頭の主人公エピソードから暗くて重い。でもあとがきでこれはコメディータッチな方です(当社比)みたいに書いてあってびっくり。確かにシリアスで暗い作品が多いですが、文章もストーリー構成もお上手なのでつい読みたくなる中毒性のある作家さんです。

ストーリーは一度は自殺を考えるまで追い詰められた主人公(受け)が限界ハウスの人々との出会いでどん底から立ち直っていく…というものですが、受け攻め以外のキャラクターのエピソードも丁寧に書かれていて泣かせられます。本当にこのハウスの住人は悪人に関わって心を傷つけられた人達の集まりで気の毒です。最後は救われる内容だから良いけど、現実だとこんないい人達とも巡り会えずに泣き寝入りというケースも多いだろうな、と考えてしまいました。
 
他のキャラクターの今後も気になりますが、あの振られた男娼みたいな住人の子の救済作もあるのかな?来月ショコラ文庫で高遠さんの新作が出るみたいなのでこれのスピンオフ(イラストが別の方なので違うかな?)でもそうじゃなくても楽しみです。

1

ここは限界ハウス

高遠先生の本はちょっとずつ集めてましたが内容が重そうでいつかゆっくり読もうと読むのを先延ばししてて「ここは限界ハウス」の表紙がマンガやアニメっぽくて(三尾じゅん太さんは漫画家さんですね)楽しげな感じだったので初読み本としました。

感想はというと「くっついてからのイチャイチャしてるところもっと読ませてー!」「続き読ませてー!」です。
始めからいたしていたりする作品も多いなか、自分の思いを自覚して、忘れようとして忘れられなくて、思いを告げてとじっくり段階を踏んで、いつ成就すんの?もうページないけど!って焦らされてのゴール。
まだ掘り下げてないキャラクターもあるので続きを読みたいです。
恋愛だけでなくて仕事のことも平行して進んでいくところがよかった。

文章がシンプルでわかりやすくサラサラ読めて読後感よかったです。他の作品も読みたくなる作品でした。

1

崖っぷちな人たち

ちょっと前に避難所のような場所に集う人達のお話を読んで、こちらを読み返したくなりました。

受け様は、ブラックな職場で頑張ってた羽瀬。
初恋の友人の借金の連帯保証人となったら、その友人がトンズラしてしまい、借金の督促が来るようになり。
友人から騙されていたことを知り、ギリギリ保っていた糸が切れ、フラフラと線路に飛び込もうとしたところを攻め様である神薙に助けられる。

風体は良くなかったけど、世話焼きで人情家の神薙によって、そのままシェアハウス『限界ハウス』へ連れてこられ、羽瀬は住み込みで食事係をすることに。

『限界ハウス』の住人は、シングルファイザーの売れない小説家に、元ヤクザのパチプロにデルヘリくん。
神薙自身も苦労しているデザイナーであり、崖っぷちで頑張っている個性的な面々。

神薙達の手助けで借金問題も解決し、羽瀬は社会復帰に向けて少しずつ前を向いていく。
真面目で一生懸命なのがかわいいのでした。

一方で、羽瀬の事を思ってなのはわかっちゃいるけど、羽瀬との間に一線を引いている神薙はヘタレだったわ~(~_~;)
でもって、神薙が羽瀬を好きになった経緯がイマイチ読み取れなくって。
いつ恋愛的に好きになったのかな~と最後までもやもやしちゃいました。

攻め様の後悔する姿を読むのが好きな私なので、神薙を庇おうとして羽瀬が怪我をした所が1番の萌でした。
謝りながら羽瀬を抱きしめる神薙の姿に、にまにまです。

イラストは三尾じゅん太先生。
『限界ハウス』の面々がぴったりです。

1

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