高遠琉加さんのレビュー一覧

ラブレター 神様も知らない(3) 小説

高遠琉加  高階佑 

業深き彼らを救うため、修羅となる

全3巻。
シリーズタイトルである
「神様も知らない」は本当に深いタイトルだと思います。

こうならざるを得なかった。
ひとつの終末へ収束していく
遣る瀬なさ、悲しみ、切なさ、
そして相反する安堵。

止められない歯車のように意図せぬまま
奈落へ落ちていき、暗い道を歩き続ける
彼らの道が行き止まる時、
必然的に見える結末は涙を禁じ得なかったです。

そして、その運命に玩弄…

4

さよならのない国で 小説

高遠琉加  葛西リカコ 

何とも言えない読後感

帯に書かれていた「ダークファンタジー」とは何ぞや?
と思いながら手に取った作品なのですが
読み終えたら、その意味するところが理解できました。

この作品は、ふわふわ甘くて明るいファンタジーとは真逆。
重たくて苦くて仄暗いファンタジーでした。
読後感は幸せ気分とはほど遠かったです。←注意:私の場合は、です。

これまでに大切な人を亡くした経験がある人や
自身が死と直面したことがある…

4

スーツとストロベリー 小説

高遠琉加  Ciel 

2冊揃えてから読むのがおすすめ

タイトルは「スーツとストロベリー」となっていますが、内容は「紳士と野蛮」の残り部分と、その後日談の「スーツとストロベリー」で構成されています。
前作で、義己は秘密が明らかになり家を出てしまいましたが、生まれより育ちが大切と、誠吾の機転で無事、義己は学校へも家へも戻った所までが「紳士と野蛮」。
結局「紳士と野蛮」編では二人は結ばれるところまでは行きつきません。
「スーツとストロベリー」編でよう…

2

紳士と野蛮 小説

高遠琉加  Ciel 

ちゃんと2冊そろえてから読み始めたほうがいい

続き物だと気づかずに、こっちだけ買って積んでいたのを発掘。
萌えたけど、長いネタ振りだった。

祖父が亡くなって、遺言で隠し子の存在を知り、祖父譲りの屋敷で同居生活を始めたのだが…。

学園理事長の孫として、紳士であれと祖父に育てられ自分でも己を律してきた義己と、自由な母に育てられ、挫折した元Jリーガーの誠吾。
最初は相容れないと思っていた二人がだんだん心を通わせて、って、
なかなか…

2

葛城副編集長の最後の賭け 小説

高遠琉加  高永ひなこ 

絢爛に描かれる現代の主従

この21世紀に!
主従ですよ。
分家筋の坊ちゃんと、本家の使用人ですよ。
本作は「成澤准教授の最後の恋」のスピンオフ作品で、主人公は老舗出版社の文芸誌の副編集長・葛城夏彦。
「成澤〜」の舞台は都会なのですが、本作は一転「常盤」という土地の閉鎖的で土着的な人間関係に縛られた空気感が色濃いのです。
夏彦の実家自体は、父親が本家の意に染まぬ女性と結婚したため永らく絶縁していたけれど、本家の家政…

2

スーツとストロベリー 小説

高遠琉加  Ciel 

続編!!

バカでした、私。
続編だと知らず(というか、忘れていました……;)読み始めて
微妙に分からなくて躓くのに???
なんでだろう?高遠さんの文章好きなのにな……

と思って、でもなんとなくは分かるのでそのまま読み進み
読み終わってレビューをチェックしてみて、ガーン……
やっぱり続編かいっ?!
こういうのって、副題でもいいので「紳士と野蛮2」ってつけるべきでは?!


そんな訳で、…

4

ラブレター 神様も知らない(3) 小説

高遠琉加  高階佑 

まだ読後の余韻が・・・

タイトルが秀逸。
ラブレター・・・まさにこれで号泣です。
久々に声をあげて泣きました。
家族がいたリビングで読んでたのでかなり我慢したのですが、勝手に喉から音が出るくらいw

全3巻、むしろBL要素よりもサスペンス要素の部分で先が気になって一気に読んだのですが、
最後の最後・・・ただ一人の人を思う切ない気持ちに全部もってかれました。
そして3冊かけてじっくり、それぞれの人物の人生を見…

2

ラブレター 神様も知らない(3) 小説

高遠琉加  高階佑 

終わりが来るなら 、せめて最後に一度だけ ― ―

圧巻のラスト。
途中から予想はしていましたが、この悲しすぎる結末になんとも遣る瀬無い思いです。
2巻で佐季の魔性に私自身取り込まれ、肩入れしすぎてしまっていたため、タイトル「ラブレター」の意味がわかるシーンでは歯を食いしばりながら読みました。本当に悲しかった。
けれど、これ以上の結末はないと思います。

佐季と司の関係は、慧介の言うように端から見ればただの「執着」や「利用されているだけ」…

5

神様も知らない 小説

高遠琉加  高階佑 

1巻はあくまで序章

自身が"答えて姐さん"でたてた「伏線の張り方、回収が上手い漫画・小説を教えて下さい」という質問で教えて頂きました。
以前にもこの小説は見かけていて、パッとあらすじを読んで「なんか難しそうだし、BLっぽくないなぁ」と敬遠していたのですが、今回勧めていただいて、よし!と気合を入れて読みました。

あらすじを読んで素通りしていた過去の自分を、助走つけて殴りたいほど強く心を動かされました…
という…

5

スーツとストロベリー 小説

高遠琉加  Ciel 

大団円のための一冊

完結編とちょっと長い後日談、って感じでしょうか。
個人的には「紳士と野蛮」のラストで異様に盛り上がってしまったため、スルスルっと読めてしまって、萌え度は落ちちゃいました。でも、あそこで終わりって事はないので……ね?

前巻から誠吾はイイ男なのですが、彼の調べた事が最終的に義己の持っていた疑念を討ち払ってしまうくだりは上手い。
いや、こういうのが冗談抜きの「スパダリ」なんじゃないかなー。最強…

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