あさだ2枚
京山先生の作品って、どうしてこんなに胸に沁みるんだろう、と改めて感じた作品でした。モノローグもけっして多い方ではなく、キャラクターの心情が必ずしも丁寧に言葉で表されているわけではないんです。絵のタッチも表紙の通り、ふわふわしていて軽い。なのに、キャラクターの表情1つで彼らの感情が手に取るように伝わってくるし、自分がどんどん物語の世界の中に引き込まれていく感じがするんです。理屈で説明するのは難しい…
とっても胸に沁みる、素敵な作品でした。『3番線のカンパネルラ』でも感じましたが、私は京山先生の描くキャラの涙にどうも弱いようです。どちらかというとラフなタッチで、涙を流すといってもけっしてドラマチックに描かれているわけではないんです。ストーリーの流れを止めずに、淡々とぽたぽた落ちるように描かれる涙。でも、限りなく私達の日常に寄り添ったキャラの心情がよく分かるから、そんな軽い描き方でも十分心に訴え…