久我有加さんのレビュー一覧

におう桜のあだくらべ 小説

久我有加  佐々木久美子 

ええもん読ましてもらいました

久しぶりに、脳みそが湧くような萌えを感じる作品に巡り会えました。関西弁と時代劇(明治後期)に抵抗がない方には是非とも手にとって欲しい作品です。

タイプは違えど上方落語界屈指の人気若手噺家である椿丸と真吾。実力のある二人が、噺家としてそれぞれ研鑽しつつ、相手の芸、そして人間性に惚れ込み、虜になっていく様子がとても艶っぽく、切なく、温かく描かれています。

会話劇としての面白さもありました。…

5

いつかお姫様が 小説

久我有加  山中ヒコ 

乙女系とは違うような

とっても素敵な表紙イラストに強く惹かれて購入しました。

「お姫様」というのが主人公である佐山を指しているのはあらすじから分かるのですが…。「お姫様」、「乙女系」、(攻から見て)「可愛い」などのキーワードが最後までしっくり来ませんでした。ノンケで、中身が乙女ってわけでもないしお姫様願望があるわけでもないのに、同い年の男子にお姫様扱いされてひかないのって…そういう素質があったということなんですか…

2

夜間逃避行 小説

久我有加  絵津鼓 

素直な内野くんの魅力

絵津鼓さんのイラストに惹かれて購入。
やわらかくてキュンとするストーリーにぴったりでした。

ちょっと変わったテイストのお話し。

お互いに人生のどん底を味わった二人が、旅先で出会う。人生に疲れて、UFOを見ようと旅行に出たそれぞれ。旅先の食堂で相席になり、ひょんなことから一緒に旅行することに。
お互いに自分のことはあまり語らないが、次第に一緒に居て心地よいと感じるようになる。どこまで…

6

嘘つきと弱虫 小説

久我有加  木下けい子 

腹黒×天然

駅メロ作成会社社員×地図製作会社社員。

大学時代に親友だった攻めと、4年ぶりに再会した社会人の受け。大学生の頃に告白されたものの、そのときちょうど精神的に参っていたタイミングだったせいで必要以上にきつい言葉で罵り、そのまま疎遠になっていた。再会した攻めは、もう自分には彼氏がいるから仲直りしようと言ってきて、受けもそれを了承し再び友達付き合いが始まる。しかし、行方不明だった受けの弟が見つかった…

5

不実な男 小説

久我有加  富士山ひょうた 

恋の先生と生徒

表題作と続編、甘い短め後日談の3作品が収録されています。

「不実な男」は、二人が恋人になるまで。
「厄介な男」は、付き合って2か月。 定家順の八つ当たりにも振り回されて柾木が不安になる話。
「悪趣味な男」は、付き合い始めて5年。悩み事のありそうな柾木に禄朗が気がつく話です。

柾木がとにかく可愛いです。
自分は愛する事ができない欠陥人間だと決め付けているのを、禄朗がそうじゃないよと…

0

嘘つきと弱虫 小説

久我有加  木下けい子 

地味な流れだけどしずかに波乱万丈

二篇で受け視点、攻め視点と両方あります。
ふたりとも関西弁で話しますが、東京にいます。
あまあまで一見地味だけど、むっつりエロエロでした。せつない心理描写中心ですが、その想いが互いに貫通したときに、エロが決壊するラブラブです。攻めが受けを愛するあまりに抱きたい、という心理描写がストレートに表されています。
麦人(攻)は容姿端麗だが目立ちすぎない設定で、日常感があります。
音也(受)は地味で…

7

隣人はドアを叩く コミック

久我有加  麻生海 

芸人×サラリーマン

丸ごと1冊、表題作の二人です。
表題作「隣人はドアを叩く」全3話と、続編「 隣人はドアを開く」全後編、おまけの4コマが収録されています。

表題作は両思いになるまで、続編は戸並(受け)に好意を抱くライバル登場の話、「おまけ」は功平(攻め)の髪型に関するラブな二人でした。

原作者の久我有加様は、小説でも関西弁の登場人物が活躍する作品がたくさんあるのですが、自分的には主人公や相手役の1人じ…

1

におう桜のあだくらべ 小説

久我有加  佐々木久美子 

上方落語界に咲いた恋の花

落語家のBLというと剛しいらさんの『座布団』を思い出しました。
あの話には笑いあり涙ありで最後はしんみり泣かされたという記憶があり、ふとこの作品はどうなんだろうなと思い手に取りました。
それにカバーのイラストもとても奇麗で色合いに惹かれました。
実は昔も今も落語にはあまり興味はなく、登場人物の設定として萌えるものではないのに、なぜか毎回好きになるのは不思議です。

噺の技術は今ひとつだけ…

4

汽車よゆけ、恋の路 ~明治鉄道浪漫抄~ 小説

久我有加  夏珂 

俊次がかっこよかったです

神様を祀る山にトンネルを掘って鉄道を通す……神様か鉄道か。

人って、信じたいことを信じるんですよね。だから、賛成派の村人たちは、鉄道を推進する政治家や軍人、彼らが連れてきた怪しげな祓い屋を信じようとする。反対していた人たちも、神様の祟りなしに鉄道の恩恵を受けられるかもしれないとなると、これまで頑なに信じていた心が揺らぐ。
そんな中で、常にニュートラルで、常に状況を正しく見極め、村人にとって…

3

若様のヨメ 小説

久我有加  麻々原絵里依 

若様すてき

土地の名士の息子×公務員、元高校の同級生同士。
世が世なら殿様、という家系の攻め。小学校のときから受けのことが大好きで、受けにはずっと相手にされてなかったのを、ひたすら押して押して10年後にようやくモノにする、という話。
それまでは困った相手だとしか思っていなかったのに、一緒に仕事をすることになって攻めのことをだんだん好きになっていく受けさんの感情の動きが、しっかり書き込まれていてよかったです…

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