銀次郎
前半はやはり胸クソで。読み手側からしてみれば、些か早急にも見えるのだが。
とにかく。進藤は、「としおさん」を引き取る決意をする。進藤は、性的にとしおさんを見ていないし、そういう「使われ方」をすべきでは無い、と主張する。
「それ」に憐憫が湧いたのか、そういう感情は良くないよ、所詮少年は「鉄と肉の塊」なのだから。と、進藤を押し留めようとする、叔父や医師、同僚たち。
この、同僚のクズ感が凄い。進藤…
思っていたよりずっと。胸クソだったので、怯んでしまう。
前から興味を持っていたけれど、皆さんのレビューが不穏で。手に取るのは憚られたので。
自分がビビりーなのは分かっているので。私はまず、後日談という「錆のゆめ・右」から読んで。心を落ち着かせてから、本作を手に取った。
たどたどしいけれど、温かな気持ちにさせてくれる、としおさんと「しんどお」の。甘くて優しい何気ない日常。この優しさに辿り着くま…
私も、何も考えずに右、左、と読むのが順序なのだと思っていました。
中には左、右という方もいるかもしれません。私は本編を読むのが恐ろしく、右→上下巻→右→左、という順番で読み進めたのですが。結果、この読み方で良かったと思います。
時系列的にもそれが自然な気もするのです。
もちろん。それは個々人の自由な選択だと思います。
穏やかに、優しく。2人きりの世界で生きて行けたら良いのに。
生きて…
非常にキツい物語の後に長く続いていく、後日談。
優しくて、可愛いくて。その事に私は涙してしまう。
進藤は下巻の後半から、既に「としおさん」に様々なものを与えている。義手。感情や、お金や、身の回りのこと。生活をするということ。
「としおさん」は、素直に愛くるしく。小さな子供が初めて見る世界に感動して行く様に、「しんどお」を彼なりに愛し、「しんどお」の為に「出来ること」を自ら見つけて行く。
初…