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1/1(合計:8件)
キム・フィールディング スカーレット・ベリ子
renachi
ネタバレ
片眼を失った旋盤工トラヴィスと失語症の小説家ドリューのお話。 大きな事件は起こらず、二人の出会いから仲を深めていく様子が描かれる。お互いに引け目に感じていることを認め合ったり気にしなかったりしていて、二人が心から受け入れ合っていく感じがとても良かった。 ストーリーはやむを得ない事情で離れた二人が再会するところで終わる。別れた後も未練を残すトラヴィスだが、戻ると決意するきっかけが突然出て…
キム・フィールディング 藤たまき
どうしようもない子供二人が別々の道を歩み、お互いを精神的な支えにしてどうにか生き抜き、最終的に……というお話。1993年から始まった物語は2013年にエンディングを迎える。二人の二十年の結末がこうなってくれて本当に良かった。 幼少期を共に過ごしたスコットとマルコは、その後クリスマスに二度会っただけ。ふらっと現れた一度目と、偶然出会った二度目と。マルコの生活は常に家族を養うためだけに消費され、…
fandesu
レビューしている方がいた。 おまけにあらすじ紹介が綺麗。 なのでどんなお話なのかは、ふばばさまに乗っかってしまって感想だけ書きます。 あたし、こういうお話に徹底的に弱いんですよ。 日常に追いつめられているふたりが「ここではないどこかに行こう」って約束しちゃうお話。 自分らを囲む現実は過酷で、向き合う相手を何とか救いたいのに、あまりにも自分は非力。だから「アラスカに行こう」って言うんで…
襖くろーらー
BLやM/Mはちょっとね……という人でもサクサク読める短編です。 舞台はアメリカだけど、中上流階級ではなく今にも押し潰されそうな底辺の人が主人公で、ある意味格差社会アメリカっぽい物語かと。レイモンド・カーヴァーの短編とか、映画『スタンドバイミー』に漂ってるちょっとやるせない雰囲気を感じますね。 BLとしてどうか? といえば、日常ほっこり系BLとしてはレベル高いのではないかと。 個…
ふばば
つらい境遇を生きる2人の少年・スコットとマルコの愛のクロニクル。 養護施設をたらい回しにされているスコットと。 祖母と幼い妹2人と暮らして身動きが取れないマルコ。 2人は離れがたい親友であり、兄弟のようでもあり、とにかく魂で結びついている。 マルコは、拠り所のないスコットを救いたいし、 スコットは縛り付けられているマルコを自由にしてあげたい。 その象徴が、アラスカ。 2人でアラス…
あさだ2枚
CPの片方、ドリューは失語症で、セリフが一切ないという珍しい作品。物語のテンポが悪くなったり読みづらいと感じることは全くありませんでした。キム・フィールディング先生の作品は初ですが、冬斗先生の訳文もしかり、お二方とも大変お上手なのだろう。 発声ができない失声症と混同していましたが、失語症は単に声が出ないというモノではないのですね…万人に辛いことは明らかだけれど、小説を書くことを生業としていた…
電子での海外BL短編。 ある町で、旋盤オペレーターのトラヴィスは1人の男性を気に留めるようになる。 仕事帰りに通る道のある家の前の石段。ギターを弾く男。 気になりだすと、ほぼ毎日彼がいる事がわかってきて。 気になって気になって、ある日、思い切って彼に話しかけてみた… それが2人の出会い。 ギターの男はドリュー。小説家。 そしてドリューは失語症。相手の言うことはわかるが自分は話…
ぺぷ氏
MMの短編翻訳はジョシュ・ラニヨンの「雪の天使」、クリッシー・マンダーの「聖夜の理由」を読みましたが、これが一番印象に残っています。ここ数年の間に読んだ小説と比較してもお気に入りの一作です。 受けのドリューことアンドリューは失語症で、筆談すら出来ない。作中一切喋らない受けというのも初めてですが、ドリューはしぐさやジェスチャーや目線、カードでのコミュニケーションに長けていて、ハンデを全く感じさ…