笠井あゆみさんのレビュー一覧

累る-kasaneru- 小説

凪良ゆう  笠井あゆみ 

夢で過去世を累ねて、遂げた祈り

八墓村のBL版のような和風ホラー要素を盛り込んだ、
虐げられ自由が無い底辺で生きるマイノリティ二人と、生れ変り?の異母兄弟二人、
この四人が主役の凄く切ない因縁物語。

「累」と書いて「カサネル」と讀む。
夢で見た過去世と同じことを、無意識に累ねる=辿るように生きる七緒と奏の兄弟。
七緒は天気の予知ができる、優しい少年。
奏人は、烏の雛のようなカクシゴの異母弟。

二人が見る夢は…

0

「転生の恋人―運命の相手は二人いる―」コミコミ特典SS小冊子「夢のまた夢」 グッズ

とてもやるせないです

こちらのコミコミさんの小冊子は、ヤクザの柳視点のお話でした。

伊吹の父親との関係や、彼が亡くなる日のことが柳を通して語られています。

伊吹の父親の慎也の父親に対する妄執が、救いようの無いものであったことが何とも悲しいです。

息子達は伊吹の父親の呪いにかかる事なく、幸せな未来に向かっているようです。
ですがその代わりに全く無関係であった柳に、その呪いが降りかかってしまったように感…

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転生の恋人―運命の相手は二人いる― 小説

愁堂れな  笠井あゆみ 

なるほどそう来たか!

こちらは93冊目のルチル文庫さんの作品だそうです。
カバーの愁堂れな先生の既刊本の欄が、老眼には驚異に思えるくらい多作の作家さまです。

そして多作故に当たり外れが多い作家さまだと、個人的に思っています。

でも今作はとても面白くて、最後の種明かしには「なるほどそう来たか!」と思いました。

ただね、このカラクリ自体が神野才という天才が居なければ、解けなかったであろう事がモヤつくので…

2

拝啓、百年先の世界のあなたへ 小説

中原一也  笠井あゆみ 

心の引き出しの中がぶち撒かれ、整理するのに時間がかかった

まさにタイトル通りで、なかなかレビューが書けませんでした。

タイムトラベルものです。
読みはじめて違和感が。
受けの一人称で物語が綴られているのですよね(ごく一部を除いて)。

ちょっと今回は外したかな? と思った自分を殴ってやりたい。

中原さんのあとがきや他の方のレビューでも触れられていますが、
ド○えも○(イケメン執事型バージョン)です。
季節が移り変わるさまをしっとり…

4

王子たちの初恋指南は甘すぎる 小説

ナツ之えだまめ  笠井あゆみ 

「鏡」

笠井あゆみさんの挿絵効果で、地味目な調理師男子の物語が、可愛らしく華やいで感じます。絵の効果って、凄いです。

スープが自慢のカフェ“灯心亭"を営む森宮光春は、母譲りの美貌。
母は、かつて商店街の美魔女、と言われた占い師。
母が父と一緒に田舎で農業を楽しみたいという事で引退、店を引き継いでカフェに改造。
「特別メニュー3万円」は、鑑定のこと。光春は、「鏡」になって導く。
・・…

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淫夢 小説

愁堂れな  笠井あゆみ 

夢に因んだ推理物

二時間サスペンス調 BL版推理小説
 「サブリミナル効果」を仕込んだビオ・・と書いたらネタバレになりますね。

このシリーズ、1は、直球すぎてどんでん返が甘い。
3→2→1の順で読んじゃったからかな?? 
シリーズ3作目の半分ほどの面白さだった。

何故だろうと考えたのですが、
3巻は、柳さんという強烈な個性を持っているキャラのおかげで、読後の余韻があって深みがあった。
2巻は…

1

淫具 小説

愁堂れな  笠井あゆみ 

人を救う嘘の話

笠井画伯の淫靡な表紙絵のインパクトは、衝撃大です。
そしてタイトルの「淫具」も凄い。でも、中身はちっとも淫らじゃない。
「淫夢」に続く、才と愛の推理話。
故人の恋人が誰なのかを伏せて、遺された人を救う嘘の話。

心臓が悪かった夏樹の兄が孤独死。
仏国から帰国して、たった一人の肉親・兄を失い、兄との関わり方を後悔する。
兄の事を知らな過ぎて、葬儀にも戸惑う。
夏樹は、才に生前の兄の動…

3

「天使の定理 」出版社特典ペーパー グッズ

こっちは分かりやすかった

本編とはうってかわって、こっちはなんだかしっくりきたんです。甘い。おい弦宇、てめー甘いじゃんかよっと激しくツッコミたかったSSです。これ無かったら、ちょっと辛かったと思うので、今から購入を考える方は、こちらのペーパー付をご検討いただいた方がよいのでは。

お話は本編後日談で、勿論二人一緒のベッドで過ごした翌朝のお話。
槐はシナモントーストに蜂蜜をかけたものを朝食とするのがお好みらしく、はい、…

3

天使の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

天使

気になってたキャラのスピンオフだったので購入。思っていた感じのお話だったのですが、どうも一回では消化しきれず、まだ未消化なので、萌にしました。キライではないのですが、萌ポイントを特定できない・・・本編250P弱+あとがき。

憑依型カメレオン俳優として人気の槐。ある日撮影まで半年を切ったところで映画出演のオファーと非常識な依頼があり、気になったので会ってみると、W主演の相手が2か月前高架下の公…

5

「ギフテッド~狼先生は恋をあきらめない~」コミコミ特典SS小冊子「狼さんと赤ずきん」 グッズ

続編読みたいです

本編その後のお話でした。

本編を読んでいて祭の母親も弟の楽も大好きだったんですが、こちらのコミコミさんの小冊子で更に好きだなぁって思いました。

こちらのお話は哲平が初めて露崎家を訪れるお話でした。
祭の母親が哲平が気になる気持ちは当たり前だと思うし、哲平が戸惑う気持ちも誰にもある気持ちだと思うのです。

そして小さな事で喧嘩して仲直りする祭と哲平が可愛らしくて、幸せそうな様子にホ…

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