笠井あゆみさんのレビュー一覧

僕の中の声を殺して 小説

渡海奈穂  笠井あゆみ 

聞こえてくるのは生き物の感情なのか、それとも自分は病気なのか

久しぶりに頭が冴えるようなお話でした。

渡海先生の作品は「運命かもしれない恋」で目覚めました。

前作「狼は闇夜に潜む」がとても良かったし、新刊「空はちゃんと晴れてる」も注文済みなんですが、こちらの作品はあらすじからSFちっくな印象を受けてたので、何となく手が伸びてませんでした。

しかしこれがとても面白かったんです!

SFちっくというより、精神的な恐怖をメインに置いたお話で私…

3

花吸い鳥は高音で囀る 小説

中原一也  笠井あゆみ 

動物の生態シリーズ⁈好きですv

勝手にシリーズにしていますが、公式には動物の生態シリーズはありません(笑)
私的に、クジラの次は鳥なのかと、わくわくしつつ読み始め大満足で読破。
この前に鳥人BL(『梟は〜』)も有りなのですが、残念ながらそちらはまだ未読。
早く読まなきゃ!

前回のマッコウクジラの時も思ったのですが、
今回も眼白の設定が面白い。

ストーリーは眼白(というか、妖鳥)の妖艶さに惑わされそうですが、

1

処女執事~the virgin-butler~ 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

表紙とタイトル以上の満足感

これ表紙がすごくて、通販で購入しました。
題名もね、すごい中身を想像されてしまいそうですよね。

たしかにエロも丁寧に描写されております。

ですが、内容的にはとても深い愛の話です。
そして、人間のエゴが作り出す生命に対する責任の重さ。
作り出された生命に宿る心を無視してはならないとか、
何かちょっと難しいこと考えちゃいました。

それはさておき、お互い記憶を失くしても何度でも…

4

御伽艶夜 ~かぐや皇子と花咲か小鬼~ 小説

犬飼のの  笠井あゆみ 

褥の世界まで雅な御伽噺v

犬飼さんの童話話シリーズ。
今回は日本の童話。

とにかく最初から最後までその世界に深く浸れる文体。
雅で優雅な夢の世界に、ホンの時折混じる腐乱した鬼の異臭。
それさえも凌駕して、最後には全て芳しいものに変えてしまう輝夜様v

基本的に悪い人はいないお話で、
物語としてはボーイミーツガールならぬ皇子ミーツ半鬼なのですが、
犬飼さんの筆力にぐいぐい世界観に引き込まれ、
気がついた…

1

幼生竜を飼いならせ 暴君竜を飼いならせ 6 小説

犬飼のの  笠井あゆみ 

ちんちんぴーぴー

……って「ちちんぷいぷい」なんですけどね。
潤と可畏の間に産まれた2人の子ども、慈雨と倖にとんでもない能力があることが解ったところが前作の終わりでした。今作ではこの赤ちゃんたち、おしゃべりしています。舌が回っていませんが。
これがカワイイ!
何て言っているかが解らないところも含めて、すごくカワイイ!

今までの皆さんも書かれていますが、可畏の変化と言うか成長がとんでもないです。で、パパの…

2

奈落の底で待っていて 小説

宮緒葵  笠井あゆみ 

犬攻めではあるけど…

宮緒先生の犬攻めが大好きなので読んだのですが。
残念ながらこの作品はいまいちピンとこなかった……。

その理由はたぶん、攻め・受け双方にモヤっとしてしまったから。
まず攻めの方なんですが、本作の攻めは実業家として成り上がった有能な人物。
なのですが、犬モードになると途端に馬鹿になる(笑)
それが可愛くもあるんですが、読んでいるうちに段々と違和感が大きくなってきてしまった。
『愛犬志願…

2

幼生竜を飼いならせ 暴君竜を飼いならせ 6 小説

犬飼のの  笠井あゆみ 

幸せ家族の日常

新章開始です。

これまでのストーリーでは、まだ色々と未解決の問題もありますがとりあえず平穏に子育てをする二人。
手探りの子育て、モデル修行、卒業、卒業旅行、と続きます。

ウサギと熊のロンパース姿の双子ちゃんのカバー絵がすっごくかわいくてBLってことを忘れて思わずかわいいと抱きしめたくなりました。

恐竜型ベビー服と犬と猫グッズの話。
格下の恐竜のベビー服を着せることに怒る可畏の…

2

幼生竜を飼いならせ 暴君竜を飼いならせ 6 小説

犬飼のの  笠井あゆみ 

新米パパママの奮闘記

1巻2巻と読んで、あまりの痛々しさにリタイアしていたのですが、新刊の赤ちゃんが可愛くて気になったので、既刊と一緒に購入しました。結果、買って良かったです。(既刊の痛い部分は苦手で、薄眼で見たり読み飛ばしてしまいましたが…汗)

潤たちの双子ちゃんと、潤の家族と、潤たちの卒業式。色々詰まった巻ですが、どこも愛情いっぱいで、夫婦もラブラブだし、これまでの流血やら殺されかけるやらが嘘のように緊迫した…

2

眷愛隷属 -白狐と狢- 小説

夜光花  笠井あゆみ 

ツンデレ×不運

白狐と狢という副題がついていますが、簡単に言えば白狐と子狸。
動物を眷族として身体に宿すという設定なのですが、攻めの眷属が天狐でもある白狐(つまり超強力)。
一方の受けの眷属は子狸(半人前)。
色々とがんばって、努力しているのに憑いた眷属は半人前だし、色々と不運なばかりの受けが可哀想おもしろかったです。

しかしその受けに共感もしくは愛情を抱けたかというと……正直、そうでもなかった。

2

累る-kasaneru- 小説

凪良ゆう  笠井あゆみ 

Jホラー風味、因習と時を超える禁忌愛

怖い偶然の一致…
というのも、昨日山岸凉子先生の「鬼」というコミックスを偶然読んでて、その、日本の土俗的な、伝承されている隠すべき禁忌のストーリーが余りにもシンクロしてて、心底震えあがった…!
そう、この作品は「和風ホラー」的要素が色濃いのです。
物語の序盤は、異母弟との共依存愛がこじれる話なのかな、と思いつつ読んでいたのですが、七緒が奇妙な夢に苦しみ始める展開になってから俄然面白くなった‼…

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