renart
1巻は百の恋でした。そしてこの2巻で描かれるのは卍の恋。叔父貴への劣情、自分が抱きたいと思っても当時の風潮では年上が年下を抱くしかなかったこと、火消し仲間の千との確執。百との愛情溢れんばかりの日常や情事も変わらずありつつ、卍が百に出会うまでどんな環境で生き、何を切望してきたのかがよく分かる、火消し時代の薄暗くて濃いストーリーが描かれていました。
卍が抱かれるシーンもあるので、たとえ昔の話…
はっとするような絵の美しさ、現代語と当時の言葉の絶妙な混ぜ具合、雰囲気先行ではなく当時の状況をきちんと調べて描くのと同時に現代に通じるBLとしての萌えを随所に散りばめる技量、どれをとっても素晴らしかったです。卍と百がある程度蜜月を重ねた時分から描き、後々2人の出会いや百の陰間時代を描くという順序も、時代物を読むのに抵抗感なく入り込みやすくなっていて良かったかなと思います。
百と触れ合う際…