榎田尤利さんのレビュー一覧

青い鳥―眠る探偵〈4〉 小説

榎田尤利  石原理 

殺人鬼の幸せ

眠る探偵シリーズ4冊目・完結、
読後は長い溜息が出てしまいました…。

槇に唆されて殺人を犯してしまったある男の供述から始まるのですが
その様子がありありと浮かんでくるような描写で
背筋がぞくぞくしてきそうです。

すぐ場面は変わり、笑子がおにぎりとカレーが好きだからと
どうにか具にしたいと駄々をこねる真音という微笑ましいシーンに。
でも、笑子が連雀の知人がいるアメリカの地方都市…

5

傀儡の巫女―眠る探偵〈3〉 小説

榎田尤利  石原理 

歪んだ愛は、愛か、否か。

眠る探偵シリーズ3冊目、
今回は真音の娘・笑子が活躍(?)します。
唯一仲良くしているティナという
父親は日本人、母親はフィリピン人のハーフの女の子が
また前向きでカラッとしていて笑子との会話が楽しい!
笑子は友達を極力つくらないようにしていたのですが
誰にでも優しくて怒ったところなんて見た事も無い儚げな同級生・静に
「友達になってほしい」と言われ…。

そこがもう既に槇絡みなん…

2

鏡よ、鏡―眠る探偵 2 小説

榎田尤利  石原理 

槇の狂気が愛しくさえ思える

今回も、一体どんな出来事が!?と思わせられるような出だしで
めくるページが止められませんw

個人的に、登場人物を把握出来ていたので
1冊目よりスムーズに読めましたww
真音の変人っぷりにもあまり驚かないし
隆の人情肌なところもやっぱり嬉しいし!
やっぱり笑子は年齢にそぐわない冷静さが魅力だけど
しっかり父親を愛しているんだとわかります。

刑事の萱野(ガヤさん)と東のコンビが…

3

人形の爪―眠る探偵 1 小説

榎田尤利  石原理 

読み始めたらやっぱり止まらない!!

絶対面白いってわかっているのに、
シリーズものってなかなか手を付けづらいところがあるので
購入していてしばらく積ませていただいてまして…。
私がバカでした。(いや、自覚はとっくにしておりましたが)

登場人物が多いと把握できなくなってしまう為
冒頭の人物紹介のイラストはすごく助かりました!!w
何度も確認して読み続けましたw

夕日に染まった更地に立ち尽くす男の子と
優しそうな…

6

海とヘビースモーカー コミック

榎田尤利  峰島なわこ 

懐かしい海の叙情

海が題材になっている、榎田先生原作の短編集。

それぞれの話は王道。
男性同士という部分を女に変えれば、ありふれたドラマにありそうな感じで、
好みとしてはもう少し捻りや深みが欲しいけれど、
海辺という舞台もあって、漂うノスタルジックな淡く透明な雰囲気がいい。

話は3つ。
ガンを煩いやさぐれたヘビースモーカーの中年と、今は亡き昔の恋人。
王子(膝を故障したダンサー)と、田舎に左遷…

8

海とヘビースモーカー コミック

榎田尤利  峰島なわこ 

原作付の良さ

表題作だけは、別のアンソロで読んだことあったけど、他の作品は初読み。
原作付だと、ストーリーが一回咀嚼された上でマンガ作品となるので、大抵の場合とてもわかりやすいハイレベルな作品に仕上がる。
ましてや、この本は、原作が榎田先生で、コミカライズ担当の峰島さんも画力がおありになるしで、実にハイレベルな作品だ。
作品タイトルにはみんな「海」がついていて、お話の舞台も「海」。
そしてキーワードは約…

2

優しいSの育て方 小説

榎田尤利  草間さかえ 

SMは奥深い…!!!

個人的に痛さが快感に繋がるというのは理解出来ませんが
そういう方々もいらっしゃるのはわかります。
ですので、利害一致しているならアリな世界だとは思っております。

彼女いない歴=年齢(20歳)の、デカい図体で小心者の栄田は
社会学概論を受けることとなり、
“殿下”と呼ばれる准教授の宮に一目惚れしてしまいます。
緊張のあまり質問にとんちんかんな事を口走ってしまったものの
宮に「いい答…

5

普通のひと 小説

榎田尤利  木下けい子 

“普通”という概念が覆される感じ

ノンケのリーマン同士の恋、と言えばあっさりしすぎですが
それがメインなのでそれ以外に言いようがないのが本音ですw
でも、内容は決してあっさりしたものじゃありません!!

偶然コンビニで赤飯のおにぎりを譲り合った相手が
思いもよらず会社の上司と部下になってしまって
最初の印象が一瞬吹き飛ぶような態度をとられるも
仕事に熱心で親切な面を見せられ
ただ懐いているのとは違うと意識して……。…

17

犬ほど素敵な商売はない 小説

榎田尤利  志水ゆき 

恐怖と不信感

榎田先生の作品は、交渉人シリーズとeroticaしか読んだことがなかったのですが、どちらも文章力と世界観が秀逸で、是非他の作品も と思い、ちるちるで評価の高かったこちらの作品を読んでみました。

が、怖かった。全く萌えられませんでした。
ーー犬だから考える必要ない。
ーー犬用の愛で構わない。
はっきり言って異様だと思いました。
轡田がいない場面でも、後悔や反省の念から無意識的に?”伏せ…

12

海とヘビースモーカー コミック

榎田尤利  峰島なわこ 

人の温もりが伝わる!!

峰島さん、デビューコミックスからズガン!と
表情豊かで心情を表してくれ揺さぶられましたが
この度榎田さん原作のコミックスって……たまんないっしょ!!!
人間としての愚かさ、非道さ、理不尽さがありつつ
最後は暖かい気持ちにさせてくれるのです…。

『海とヘビースモーカー』
肺がんと宣告された畠は、
若気のいたりでなじりあって別れたかつての恋人、
和久井の故郷へ足を運びます。
癌で…

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