榎田尤利さんのレビュー一覧

歯科医の憂鬱 小説

榎田尤利  高久尚子 

シリーズの中で一番好き

喧嘩っ早い鈑金屋×二重人格気味の歯科医。年下攻。
いやもうこの歯医者さんがね、仕事中はクールなのに、白衣を脱いだら花のようなおっとりした青年で、患者として出会った攻が混乱しまくっていつのまにか恋に落ちているという可愛いお話です。
年下で学歴ないけど(仕事はできる)男としてのプライドを気にする攻と、人づきあいが苦手で怒ることも苦手な受。お互いに好きで好きでたまらないってところが。遊び尽くした攻で…

0

きみがいるなら世界の果てでも 小説

榎田尤利  円陣闇丸 

不健康…でも健全な供依存

萌萌萌(MAX:萌萌萌:神に近い)
お世話係り兼恋人で美術商・東海林×生活能力皆無の漫画家二木(通称ルコちゃん)の、「きみがいなけりゃ息もできない」の続編。
ハイパーダメっ子を世話する保護者、おんぶに抱っこのそんな二人が無事恋人同士になれた前作。
今作は「俺のせいで東海林がダメになっちゃう」と思い込んだルコちゃんが、東海林を振り回してます…半分自業自得だけど。笑

前作はかろうじて保護者…

1

きみがいなけりゃ息もできない(新装版) 小説

榎田尤利  円陣闇丸 

ダメ人間も榎田さんにかかると可愛い生き物にみえた

隣人で世話焼き幼馴染み・東海林×超マイナー漫画家生活能力皆無・二木。
漫画を描くこと意外まともにできることがない驚異的なダメダメを誇る二木ことルコちゃん。
隣人で幼馴染みという縁で定期的に掃除をしてやり身だしなみを整えさせ、やる気がでるように発破をかけ…と丸々面倒をみる東海林。
ルコちゃんに大きな仕事が舞い込んだことから、二人のこの「ちょっと依存させすぎなんじゃないの?」という奇妙なカンケイ…

5

交渉人は振り返る 小説

榎田尤利  奈良千春 

○○の所有権…

交渉人シリーズ第3弾。相変わらず会話がおもしろいです。おやじギャグだけでなく、テンポがいい。尻(…)の所有権について真剣に語るヤクザと弁護士って。いや尻はどーでもいいのですよ。よくないけど、まあいろいろと。
今回は振り込め詐欺について。どんどん危ないところに踏み込んで行く。警察に任せるのが普通なんだろう。でも人を信じたいと言い、偽善者だと自分を責めながら、その姿勢にみんなが惹かれるのだと思う。

3

普通のひと 小説

榎田尤利  木下けい子 

普通の恋は全て特別な恋

文庫2冊が1冊になったので、分厚い上に高いですが。好きだな、この装丁。30代のサラリーマン2人。全然絡みあってません(笑)。PPコートでない表紙は汚れやすいけど、ちょっと特別な気がする。これにトレーシングペーパーの帯がついてるんですよ。あう、湿気で反るのに~。
普通の恋は全て特別な恋、と語られてるとおり、どこにでもある恋。普通でないのは異常なのか、とゲイの人に詰られながら、普通という言葉に逃げな…

2

秘書とシュレディンガーの猫 小説

榎田尤利  志水ゆき 

猫の哲学に癒される

榎田さんって本当に上手いなあ、と思う。カップルごとにどこに惚れたかとか、あのときの蕩け方も違う。どのカップルも素敵だなあ、と思わせるのです。
PET LOVERSと表紙にあるのに気付いてなくて、『猫』だけど違うの?と途中まで思ってました。会員制デートクラブとの関わりがわからなくて。
何とかくっついた後の話の「不機嫌な猫」がおもしろかったです。絵本の文章を引用しながら、猫を語る。これ、翻訳物とあ…

2

アパルトマンの王子 小説

榎田尤利  緋色れーいち 

恋愛ではなく家族の話に泣ける

藤井沢商店街シリーズの4冊目。
世間知らずの御曹司×不動産屋を営む5人兄弟の長男。攻は金髪だけど日本人。修業のための古くて狭いアパートを探していて。金髪キャラ萌えはしないので、年下で王子と見紛う攻がいくら気障でも何とも思わないのですが~。まだ幼い弟妹がいる受は、恋愛に生きることができない。我慢して生きている優しい性格。でも本当は自分がいい子でいたいだけで、長男であることがイヤだと思いながらも長男…

1

愛なら売るほど 小説

榎田尤利  高橋悠 

真実の愛はここにある

この前のマンガ家シリーズがおもしろかったので、これも読んでみました~。前作で名前だけ出てきた立花キャンディ先生の恋。真実の愛を求めて彷徨うOLを描いたマンガ『愛なら売るほど』、略して『愛売る』。流行語大賞とか社会現象とか大袈裟で笑えるんだけど、それを描いてるマンガ家はあまりにも地味で控え目で気が弱くて、こんな子が本当にうまくいくの?と心配してしまいました。高校時代のたった一度の会話とさほど意味なく…

3

犬ほど素敵な商売はない 小説

榎田尤利  志水ゆき 

至上の愛

飼い主と犬の愛。ご主人様とか調教とか苦手で(内容は想像です)このタイトルに引き気味だったのですが、評価が高いので読んでみました。…泣きました。叱られたときと捨てられたとき、二度も。最初は犬として躾られる。屈辱。だけど常に見守ってくれる飼い主の愛に安心感を覚えて、依存するようになる。なんかね、信頼関係があるのよ。飼い主は犬を可愛がる。犬は飼い主に懐く。他の人も犬も入り込めない、1対1の。人と犬。忠犬…

16

少年はスワンを目指す 小説

榎田尤利  寿たらこ 

バレエ版ウォーターボーイズ

表紙でお笑い系かと思ったら違いました。文化祭に向けてバレエに懸命に取り組む5人の男子校生。バレエ版ウォーターボーイズ。そのうちのハードボイルドな高校生と呼ばれる無口無表情だけど純情な攻と、怪我でプロのバレエダンサーをあきらめた口の悪い王子様のような受。見えないけど、年下攻。
攻の一人称にハマるなあ。春休みの体育館で一目惚れ、でも自覚なし。顔を見る前から目が離せない、立ち姿に見惚れる。同じクラスに…

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