まぎぃ
◆やさしいやちよ(表題作)
てっきり人気者とぼっちの組み合わせかと思いきや、転校生の秋野に声をかけてくれた八千代は貧乏な家庭の子で、クラスでパシられる代わりに微々たる小遣いを稼いでいるという殊勝なキャラでした。何をするにも、お金のため。そこだけ切り取ったら印象が悪いかもしれない。でも、秋野は早い段階から、彼が稼ぐお金の先に「誰かのため」という目的があることに気付きます。自分をだしにされた時さえ…
全体的にあまり明るい話ではないけれど、分かりやすくダークな雰囲気で描かれているわけでもなく、読み込んでいくと時々静かな闇を感じるような短編集でした。暗い作品が苦手という方でも、割と読みやすいのではないでしょうか。『喪失につき、』『泥中のはちす』はしっかり愛も感じられる作品ですし、明暗どちらもバランス良く楽しめる作品だったと思います。
個人的には表題作よりも、『僕は行くよ』の方が印象に残っ…
まさに春がぴったりのすごく可愛いタッチなのに反して、内容は結構重め。BL漫画では性に葛藤するキャラクターが登場する作品も少なくありませんが、こういう視点で描かれる作品は初めて読んだような気がします。性に限らず、自分の「普通」と他人の「普通」の基準は違うこと。これを常に念頭に置いて人と会話することって本当に難しいけれど、けっして忘れてはならないことだと思いました。
あくまでBLなので、スト…