三崎汐さんのレビュー一覧

僕の手とって コミック

三崎汐 

シンデレラストーリー

清掃員の守。
スパダリだけど高校でゲイバレして家出した、翔を居候させることに。

母を亡くし、18歳で自立して生きている守。優しい性格で、グレずに頑張っている。かわいい感じだけど、ちょっと臆病で、人に頼ることをしない。

一方、守に恋した翔。クールだけど、中身は熱いみたい。
いったんは、釣り合わないと翔を突き放した守だけど、俳優になって自立した翔に再開し、恋人同士に。

当て馬の白…

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やさしいやちよ コミック

三崎汐 

爽やかからの、唐突な闇

◆やさしいやちよ(表題作)
 てっきり人気者とぼっちの組み合わせかと思いきや、転校生の秋野に声をかけてくれた八千代は貧乏な家庭の子で、クラスでパシられる代わりに微々たる小遣いを稼いでいるという殊勝なキャラでした。何をするにも、お金のため。そこだけ切り取ったら印象が悪いかもしれない。でも、秋野は早い段階から、彼が稼ぐお金の先に「誰かのため」という目的があることに気付きます。自分をだしにされた時さえ…

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わるいこはだあれ? コミック

三崎汐 

作品によっては物足りない感もあり

 全体的にあまり明るい話ではないけれど、分かりやすくダークな雰囲気で描かれているわけでもなく、読み込んでいくと時々静かな闇を感じるような短編集でした。暗い作品が苦手という方でも、割と読みやすいのではないでしょうか。『喪失につき、』『泥中のはちす』はしっかり愛も感じられる作品ですし、明暗どちらもバランス良く楽しめる作品だったと思います。

 個人的には表題作よりも、『僕は行くよ』の方が印象に残っ…

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はるのうららの コミック

三崎汐 

一度立ち止まって、自分と異なる視点を想像してみよう

 まさに春がぴったりのすごく可愛いタッチなのに反して、内容は結構重め。BL漫画では性に葛藤するキャラクターが登場する作品も少なくありませんが、こういう視点で描かれる作品は初めて読んだような気がします。性に限らず、自分の「普通」と他人の「普通」の基準は違うこと。これを常に念頭に置いて人と会話することって本当に難しいけれど、けっして忘れてはならないことだと思いました。

 あくまでBLなので、スト…

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わるいこはだあれ? コミック

三崎汐 

独特の世界 短編集

収録順に。

「喪中につき、」
事故で記憶喪失になった青年のもとに、なくし物を届けてくれる男性(かわいい)。電波少年に間違われるも、一つ一つ返されるものに合わせて、記憶を取り戻す青年のお話。これはラストほっこりします。

「泥中のはちす」
ゲイカップルですが、片方がお見合いをするということで悩む青年の話。

「僕は行くよ」
一番怖いとおもったのはこれ。どこまでも自分を好きな男。自…

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僕の手とって コミック

三崎汐 

薄幸+不憫+健気のトリプル盛り

途中はひたすら、はぁ、ツラァ……って感じです。
最初読んだときは、予想以上の辛い展開でビビりました。

芸能人の年下攻め×薄幸受けのお話なのですが、二人の仲を引き裂こうとする当て馬の仕打ちがかなり酷い。
受けは、亡き母の「ひとりでも頑張りなさい」という言葉を胸に何でも自己解決しちゃおうとする子なので、攻めに相談することなく全部自分で抱えて追い詰められちゃうんです。
薄幸+不憫+健気のトリ…

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ゴクラク305 コミック

三崎汐 

タイトルの意味が切ない

高校時代からこっそり付き合っている恋人同士。
一緒に大学に進学して、寮の305号室に二人で住んでる。

二人が恋人同士なのは305号室の中だけの二人だけの秘密だったけど、新たな入居者・樹がみーくんを好きだと言い始め、つい「みーくんは俺の恋人だから」と言ってしまうおーすけ。
それ以来、おーすけを避けた挙句、みーくんは305号室を出て別の部屋へ転がり込んでしまい……。


何でそこまでみ…

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みんないいこだよ? コミック

三崎汐 

ままならない3つの恋の行先

大学生3人のままならない恋が、それぞれの視点から語られます。
始め三角関係かと思いきや、もっと深く複雑に絡まり合った物語でした。
表題作「こんなことになるのなら」はそれぞれが「こんなことになるのなら〇〇すればよかった(あるいは〇〇しなければよかった)」という後悔を抱えながら紡がれる物語です。

1話目 杉村目線
高校時代から想いを寄せている同級生・里(男性)に遠山という彼氏が出来たらしい…

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僕の手とって コミック

三崎汐 

一途であったかい

なんでも自分でどうにかしようとする守(清掃員・表紙左)と、
もっと自分に頼ってほしい年下の恋人・翔-カケル-(若手俳優・表紙右)。

このお話はふたりの出逢いを振り返るところから始まります。
少し前に母を亡くし、高校をやめ清掃員として働く守と、家出最中の中学生だった翔。
公園で、守は特別な鮭のおにぎりを彼に分けてあげます。
これは彼らの最初の出会い。

作中でよく登場する「おにぎり…

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ほとりのとばり コミック

三崎汐 

本当の主人公は“とばりちゃん”?

先日レビューした「はるのうららの」とは全然タイプが違うけれど、これもまた同じくらいお気に入りの1冊。
これはBLかというと、そう思わずに読む方がすんなり刺さってくるんじゃないかなと、個人的には思っています。
好き嫌いは分かれるかも。

「現実」で満たされなくて「夢」に逃げ込んでくる少年たちと、彼らが見る夢の中の住人〔とばりちゃん〕のお話。
『夢うつつ奇譚』という表現がぴったりの不思議なお…

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