江戸川乱歩さんのレビュー一覧

孤島の鬼 コミック

小川茉莉  江戸川乱歩  作道雄 

少しBL臭を漂う メタバース世界の闇

オールカラーで、普通の横読み(Kindle版)。

原作未読。
青春BLの表紙や小川茉莉先生の現代風漫画がなんとなく気になった。

現代の令和を超えた近未来を舞台にしたこの作品、
原作とはかなり異なる気がする。

不気味な冒頭から読者を引き込れて、
少しBL臭を漂わせつつ、ミステリー。

驚くべきは、
メインは殺人事件ではなく、
諸戸の父親が作り上げたメタバース世界の闇だ…

1
非BL作品

孤島の鬼 非BL 小説

江戸川乱歩  竹中英太郎 

さすが研究されただけあるわぁ

同性愛を描いた一般小説ということで読んでみました。
文豪の昔の作品…という事で躊躇いはありましたが、読み始めると意外や意外、とっても読みやすくてスルッとハマりこみました。
尻込みしている姐様がいましたら、是非読んでいただきたいです。

BL的部分に限って言うと、ゲイの諸戸がノンケの蓑浦に片思いしているのですが、蓑浦もその気持ちを分かっていながら「彼といるとどちらがが異性であるような、甘った…

2
非BL作品

江戸川乱歩傑作集 (1) 孤島の鬼 非BL 小説

江戸川乱歩  咎井淳 

蛇と最後の一節

タイトルのみ既知、前情報なしの初読み。世のあちこちに深い考察が溢れている作品だと思うが、書き散らした初読の感想を置いておく。

まず一番驚いたのは、これが90年以上前に書かれたこと。差別表現が多く時代を感じる。とはいえ人間の本質はあまり変わらないんだな、とも思った。
一人称で、主人公が読者に語り掛ける形で進む物語。すぐに引き込まれ、一文字も読み漏らしたくない心持ちで気合いが入った。特に後半は…

1
非BL作品

孤島の鬼 非BL 小説

江戸川乱歩  竹中英太郎 

レトロさが素敵

ちるちるで紹介されてたNHK特番を見て、絶対読まなきゃ!と思っていました。その番組でも読まれてたこの創元推理文庫版は当時のレトロな挿絵も付いていてとても素敵です。文章や表現も大正・昭和ロマンって感じで恋人とカフェに行ったりとか当時の風習もわかって面白かったです。

これはBL小説ではなく推理小説ですが、不気味なホラー的要素もあり、男性の同性愛も間違いなく重要な要素のうちの一つになっています。腐…

5
非BL作品

江戸川乱歩傑作集 (1) 孤島の鬼 非BL 小説

江戸川乱歩  咎井淳 

鬼とは誰か

―「君の頭はまっ白だよ」
道雄はそういって妙な笑い方をした。
それが私には泣いているように見えた。

私こと蓑浦が白髪になってしまったのは、自分の所業によることを悟った諸戸の描写です。

「生地獄」の章で、
「地上の世界の習慣を忘れ、地上の羞恥を棄てて、今こそ、僕の願いを容れて、僕の愛を受けて」
という諸戸の台詞がありますが、地上の一般社会が諸戸にとっては地獄で、彼は「不幸」だった…

4
非BL作品

江戸川乱歩傑作集 (1) 孤島の鬼 非BL 小説

江戸川乱歩  咎井淳 

原作は大好き! でも…

没後50年を経て、著作権保護期間が切れたので刊行されたもよう
皆さん仰っていますが、リブレ公式に『挿画:咎井 淳』とあるにもかかわらず挿絵がないので……結局、図書館にある既刊と変わらないです
この値段ですが、ハードカバーでもないです

個人的には本作、特に諸戸は笠井あゆみさんあたりの耽美系絵師さんにも描いてほしいなあ

3
非BL作品

江戸川乱歩傑作集 (1) 孤島の鬼 非BL 小説

江戸川乱歩  咎井淳 

さすが乱歩というべき作品ですが

小学生のころ読み漁った乱歩作品。咎井淳さんのイラストでリブレさんから発売されると聞いて喜び勇んで購入しました。大人になった今読み返すと、子どもの頃に感じた感想とはまた違った感想を持つ、非常に感慨深い作品でした。内容はすでにご存じの方が多いかと思いますがざっくりと。

主人公の蓑浦は30歳にもならない青年ですが髪は白髪。彼の体験したある恐ろしい出来事の恐怖のために髪が一晩にして真っ白になってしま…

13
非BL作品

江戸川乱歩傑作集 (1) 孤島の鬼 非BL 小説

江戸川乱歩  咎井淳 

どうか僕から逃げないでくれたまえ

江戸川乱歩の世界観と咎井淳さんの惹き込まれるイラストとが絶妙にマッチしていて感動しました。
読んだ後に、改めて表紙を見ると様々な意図が読み取れて感慨深くなります。

「孤島の鬼」リブレ出版さんからBL乱歩と銘打たれて出版された1冊。
主人公の回想という形で語られる、奇怪至極な物語。至るところに伏線、話の核が散りばめられているので淡々とした筆致ですが最後まで展開が読めず夢中になってしまいまし…

15
非BL作品

孤島の鬼 非BL 小説

江戸川乱歩  竹中英太郎 

ちるちる風に言うと「この同性愛文学だけは読んでおけ!」

前半の『この美貌の青年は、わたしの夫であるという異様な観念が、わたしの頭をかすめて通り過ぎたのである』といい
洞窟の中で体温を感じるシーンといい、そこらへんのセックスシーンよりも官能的です
感情移入させるのも上手い
なんだか狂おしさすら感じさせます

ああ小説家の書いた同性愛小説がもう少し増えないかなあ……
異性愛でも卑猥語オンパレードの官能小説なんかより文豪がさらりと書いた一文の方が…

8
PAGE TOP